「わかる」から「できる」への強化ワーク~実行力編~ - 介護リーダー育成のエキスパート 社会人基礎力研修|日本キャリアート

「わかる」から「できる」への強化ワーク~実行力編~

2015年10月12日

今回は「実行力」を「わかる」から「できる」へと強化するワークについて見ていきたいと思います。

では「実行力」の内容、例、着眼点について、再確認しておきます。

【内容】(経済産業省「中間報告」より)
目標を設定し確実に行動する力

【例】(経済産業省「中間報告」より)
言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組む。

どうでしょうか、みなさんの場合、このようなことはありませんか。
「いつかやらなきゃ」と思いながら、重要性は高いにも関わらず緊急性が低いことを理由に棚上げになっていることがある。 「もっといい方法が出てくるんじゃないか」「何も今きめなくてもいいんじゃないか」と、なかなか決断できずにいること、などなど。

今週は「決断力」というテーマでの研修登壇予定もありますが、判断→決断→実行という流れは、シンプルでありながら、なかなか難しいだプロセスと感じている方も多いのではないでしょうか。

リクルートを創業された故江副浩正氏が残された言葉に「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」というものがありました。これは同社創業当初の社訓にもなっていたと聞きます。

そうです、確実に実行していくためには、自ら目標を設定し、逃げられない立場に自分を追い込みます。そして、その達成を目指して全力で取り組んでいきます。途中は苦しいのですが、実行した後、変わることができた自分に気がつくことができます。

最近、管理職を対象とした評価者研修に登壇する機会がありました。半期を終え、上期の目標達成についてフィードバック面談を実施するためです。

この評価制度の中で、最近重視されているのが目標管理制度です。 かのピーター・ドラッカーも提唱していましたが「MBO:Management By Objecyives」と呼ばれるものです。
しかし、これには続きがあり「and Self Control」になっているんですね。つまり、目標管理制度というのは、決して上から押しつけられるものではなく、前もって決めた目標に対して自分が方法を考え、主体的に取り組んでいくことなんだという点が十分に理解されていないケースが多いように感じられます。

では、「実行力」の着眼点について、再確認してみましょう。

【着眼点】(「社基塾」作成)
①目標の設定
いきなり行動に移すのではなく、前もって目標(ゴール)を決めている。目標は評価できるものとして、指標・目標値・期限、具体的な行動・期限、具体的な成果物・期限などを定めている。

②行動に移す
失敗に対する十分な備えをしたうえで、失敗を恐れず、使命感を持って粘り強く取り組み、目標を達成されるまで諦めない。
③評価・改善
常にPDCAを意識し、Plan(目標)Do(実行)した後には、必ずCheck(評価)Action(改善)を繰り返し行い、目標の達成に近づけている。

ポイントは、次の3点です。
①前もって目指す目標を設定すること
②実行した後に必ず評価すること
③そのためには目標は評価可能であること

「実行力」の具体的なワーク内容として、次のようになります。

【ワーク①】
今までの経験の中で、残念ながら最後までやり遂げられなかったことは、どんなことだったでしょうか。

【ワーク②】
もし、明確に目標が設定されていたら、実行後に評価・改善していたら、結果は変わっていましたか。

【ワーク③】
では、みなさんが今最も強く達成したいと望んでいることについて、目標を設定してみましょう。 留意点は、評価が可能であること、達成期限が明確であることです。 (こちらでテーマを用意する場合もあります)  指標:  目標値:  期限:  さあ、いかがでしたか。

【ワーク解説】
私にも、最後まで達成できなかったことが数多くあります。 今ふり返ってみますと、目標が明確なまま実行してしまったり、実行しっぱなしで評価・改善を怠っていたりと反省させられます。
目標設定においては、SMARTの法則なるものがありますので、参考にされるとよいと思います。

Specific : 目標が明確であること
Measurable : 評価が可能であること
Achievable : 達成が可能であること
Realated : 上位目標と関連づけされていること
Timed : 達成期限が定められていること

解説本により多少の表現の違いはあるようです。 ちなみに、私は「Attractive:本人にとって魅力的であること」の方がしっくりくるんじゃないかと感じていますが・・・。
時々「私の目標は、評価が難しいんです」という声に接します。 その場合には、サブ目標を設定するという方法があります。幾何学的にいえば、補助線を引くイメージでしょうか。 これを目指して頑張れば、結果としてメインに目標が達成されるという仕組みです。

印象に残っている目標があります。これは英国の刑務所の例です。 その刑務所の目標は、脱獄者数ゼロでした。刑務所ですから、当たり前かも知れません。しかし、問題は職員のモチベーションが上がらなかったことです。 「我々の仕事は、この囚人たちを逃がさないことだけなのか」と。
そこで目標を設定し直しました。すると俄然、職員のモチベーションが上がり、仕事の内容も変わり、当然に脱獄者も出なかったそうです。

その目標とは「刑期を終え出所した人の再犯率」だったそうです。  (文責:古木)

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