「わかる」から「できる」への強化ワーク~創造力編~ - 介護リーダー育成のエキスパート 社会人基礎力研修|日本キャリアート

「わかる」から「できる」への強化ワーク~創造力編~

2015年12月1日

今回は「考え抜く力」から「創造力」を見ていきます。

はじめに「創造力」の内容、例、着眼点について、再確認してみましょう。

【内容】(経済産業省「中間報告」より)
新しい価値を生み出す力

【基本姿勢】(経済産業省「中間報告」より)
既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決手法を考える。

【着眼点】(「社基塾」作成)
①発想法/フレームワーク
発想法(ブレーンストーミング、発散と収束など)やフレームワーク(ロジックツリー、特性要因図など)を活用して、新しい解決方法を模索している。

②考え抜く姿勢
課題への対策のことを常に頭の片隅におき、日常のすき間時間を活用して、繰り返し繰り返し考え続けている。  ここでひとつ、お伝えしておきたいことがあります。 それは「創造力」は生まれ持った資質ではなく、だれでも身につけることができるスキルだということです。アイデア・発想を出すことが苦手いう方は多いのですが、そのような方こそ是非、スキルの強化を図っていただきたいと思います。

「わかる」から「できる」へと進化させる具体的なワーク内容として、次のようになります。

【ワーク①】 プロに学べ
ブレーンストーミングやフレームワークを使った演習もやりますが、ここでは「プロに学べ」というミニワークをご紹介してみたいと思います。多分、多くの方々は「アイデア・発想」のプロではないと思います。しかし、意識してまわりを見渡すと、プロの作品を目にすることができます。身近なところでは、コンビニなどは「アイデア・発想」の宝庫です。新商品、ネーミング、他コンビニとの差別化の工夫などなど。
例えば、500円の「本格派イチゴジャム」はスーパーのジャム売り場では、なかなか売れません。お客は100~200円の安いジャムを選んでいきます。あるとき売り場を変えたところ、突然売れ始めました。さあ、どこで販売したのでしょうか。

みなさんが店員だったら、どこで販売しますか。突然売れだしたのは、果物売り場のイチゴの横に置いてからでした。ジャム売り場では高いと敬遠されていた「本格派イチゴジャム」ですが、生のイチゴとの比較では、それほど高いと感じません。また、生イチゴが欲しいけど日持ちしないなあと迷っていたお客さんが日持ちする「本格派ジャム」を買っていくようになったのです。「なるほど!」ですね。

そんな日ごろ目にした耳にした「なるほど!」というアイデアを出し合うことによって、今までは何気なく見ていた風景が「創造力」を鍛える道場へと早変わりするんです。最近みなさんが目にした耳にした「なるほど!」は、何ですか。

【ワーク②】 考え抜く習慣
どんな天才にとっても「繰り返し考えること」が大切です。よく天才はトンチンカンな受け答えをすることがありますが、きっと何かを考え続けていたのでしょう。もしかすると、この「考え抜く」ということをしていたから天才と呼ばれる才能を発揮できたのかも知れませんね。

限られたセミナー時間の中でこの体験を実践するのは難しいので、多くの場合はやり方だけお伝えして、後は各自に実践していただいています。2日間のセミナーの場合には1日目にお伝えして、夜間に考え抜いていただき、2日目に感想を述べ合う時もあります。午前中にお伝えして、お昼休みに考え抜いていただき、夕方に感想を述べ合うこともあります。

私も最近は慣れてきたので、3つくらいのテーマを常に頭の片隅において「考え抜く」ようにしています。  数分程度の短い時間用、30分くらいの中くらいの時間用、1時間以上の長い時間用などです。通勤途中、昼休み、帰宅途中、入浴中、布団の中など、場面と気分によって「取り出して考えてまたしまっておく」を繰り返しています。そうすると、机に向かって考えるより、よいアイデアが浮かぶ、考えがまとまるから不思議です。

昔、中国の政治家・学者欧陽修が「帰田録」に書いた言葉で、考えることに適した場所として三上という言葉がありました。三上とは、馬上(今では電車の中)・枕上・厠上(トイレ)のことです。 何か通じるものを感じませんか。

先日のセミナーでこの「考え抜く習慣」をご紹介したところ「すき間時間まで考えていたら、ノイローゼになっちゃいますよ」という方がおられました。うんうん、そうだそうだ、なんてうなずいている方もおられるのではないでしょうか。

しかし、ここに落とし穴があります。「考えるからノイローゼになる」ではなく「考えないからノイローゼになる」ですからね。

マラソンを例にとってご説明しましょう。オリンピック出場を目指しているベテランランナーと素人ランナーがいるとします。42.195km走ったら、どちらが早いでしょうか、どちらがより疲れているでしょうか。  ベテランランナーの方が早く、それでいて疲れていないのではないでしょうか。それは、なぜでしょうか。そうです、日ごろからトレーニングで鍛えているからなんです。

脳も筋肉と同じです。日ごろから考えて鍛えている脳は、日ごろあまり考えていない脳よりノイローゼになりにくいんです。ぜひお試しあれ。 (文責:古木)

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