「わかる」から「できる」への強化ワーク~主体性編②~ - 介護リーダー育成のエキスパート 社会人基礎力研修|日本キャリアート

「わかる」から「できる」への強化ワーク~主体性編②~

2015年9月21日

さて、今回は前回に引き続き「主体性」の「強化ワーク」について見ていきたいと思います。
前回は「強み」についてみてきましたが、今回は一転して「弱み」です。

さて、みなさんの「弱み」は何ですか。ご自身で把握されていますか。「弱み」は一般的にマイナス情報となり、あまり目を向けたくないというのが人情です。

しかし、これをそのままにしながら、穴の空いたバケツに水を注ぐように、地上につながれた気球を舞い上がらせようとするように、努力を重ねても成果が出ません。
まずやるべきことは「弱み」を「把握」し「克服」していくことなんですね。

このワークは、「強み」と同じく4つのステップから構成されています。ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてください。

【ワーク①】
あなたの「弱み」は何ですか?3つあげてください。

【ワーク②】
その弱みは、自分自身で「受容」できていますか。(他の人に「私の弱みは○○○です」と言えますか)

【ワーク③】
その「弱み」を、どのような方法で克服していきますか。

【ワーク④】
その「弱み」をまわり(上司・先輩・同僚・部下・後輩など)と共有できていますか。

さあ、いかがでしたか。
セミナーでは、みなさんが書き出した内容を発表・共有しながら、お互いの意見交換を通して理解を深めていきます。

【ワーク解説】
≪ワーク①≫
「弱み」には、いろいろなパターンがあります。代表的なものを見てみましょう。

(1)まずは「強み」の裏返しなケース。
度々登場していただいている社基 力(やしろもと つとむ)リーダーの場合、「行動に移すのが遅い」という「弱み」をあげました。しかし、これは「慎重(物事を熟慮して決める)」という「強み」の裏返しでもあるわけです。よい面とよくない面のバランスが大切となりますよね。

(2)単に本人が「弱み」だと思い込んでいるケース。
チームにてお互いに「弱み」を共有してみると、他のメンバーから「それって、こう考えればぜんぜん弱みじゃないよ」と指摘されて、本人も肩の荷が降りたという場面を度々目にします。その後は、見違えるように元気になるから不思議です。バケツの穴がふさがり、気球が地から放たれたのでしょうね。視点を変えることが大切となります。

(3)克服すべき「真の弱み」なケース。
この場合には、本格的な対応が必要となります。まずは、それが自分の「弱み」だと、素直に「受容」することから始まるでしょう。「受容」できていない「弱み」を「克服」することは不可能だと思います。

(4)本人は気づいていないケース。
まわりは気にしているにも関わらず、だれも本人には伝えられません。それが本当に「弱み」か自信がありませんし、本人に悪い印象を与えたくない、そこまで関わりたくないというのが本音かも知れませんね。これは、個人で把握することは困難です。他メンバーからのフィードバックしかありません。

≪ワーク②③≫
有名なラインホルド・ニーバー氏による「祈り」という詩が思い出されます。

「神よ与えたまえ、変えられぬものを受け容れる潔さと、変えられるものを変える勇気と、それを見分ける知恵を」

とかく「変えられぬもの」を変えようとして苦しんだり「変えられるもの」を変えようとしなかったりすることがありませんか。
「これが私の弱みです!」とまわりに宣言できるよう「受容」し、具体的な対策によりそれを「克服」する方法を検討していきます。

≪ワーク④≫
上司と部下、同僚同士などが、お互いの「弱み」を共有すると、どのようなことが起きるでしょうか。
実際にやってみた方の感想では、

「職場全体の風通しが良くなった」
「適材適所を考えるときに役立っている」
「ミスをした時も『弱みが出たな』と許せる気持ちになる」

などという声が聞かれます。

ここでの大切なテーマは「自己理解」ですが、それをサポートしてくれるお勧めの本を紹介させていだきたいと思います。

それは「インナーゲーム」(ガルウェイ著)です。
女子マラソンの有森裕子選手がアトランタ五輪にて3位でゴールした後のインタビューで語った「自分をほめたいと思います」という感動フレーズがあります。この「ほめる自分」と「ほめられる自分」の違いを明確に示してくれる良書だと思います。(文責:古木)

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