育成のための「評価基準」~情況把握力編~

2015年8月17日

さて今回は、「チームで働く力」の4つ目の能力要素「情況把握力」を取り上げていきたいと思います。

「情況把握力」(12の能力要素から)

【内容】(「中間とりまとめ」より)
自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

【例】(「中間とりまとめ」より)
チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する。

【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

①役割認識
まわりから自分に対して求められている役割を認識している。その役割について、優先順位づけ、自己評価をし、役割実行へとつなげている。

②全体最適
自分のことだけではなく、チーム全体や職場全体のことを注意深く観察し把握している。一部の部分最適に惑わされることなく、チーム全体や組織全体の全体最適を優先した行動を取っている。

③ファシリテーション
チームメンバーの空気を読み、チームの活動が容易にできるように支援し、うまくことが運ぶように舵取りするよう心がけている。

さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「情況把握力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。
【活用ストーリー】
育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Jさんとの面談にのぞんでいました。
Jさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

①役割認識     : 4ポイント
②全体最適     : 4ポイント
③ファシリテーション: 4ポイント

一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

①役割認識     : 3ポイント
②全体最適     : 3ポイント
③ファシリテーション: 3ポイント

社基リーダー
「ちょっと厳しい評価になったね。でも、これもJさんにはチームをしょって立つ人材になって欲しいという期待を込めた結果なんだよ。」
Jさん
「ちょっとショックですけど、しっかり反省します。リーダーの評価に気づいていないなんて、やっぱり情況が把握できていないということですね。」

社基リーダー
「Jさんは、個人の力としては申し分ないんだよ。でも、そんなタイプは一匹オオカミになりがちなんだよ。私は、Jさんにはそうなって欲しくないんだよ。人事評価っていうのは、寛大化傾向に陥りがちなんだけど、今回は心を鬼にしたつもりだから分かって欲しいな。」
Jさん
「今のリーダーの情況は、しっかりと把握しましたよ。リーダーの口癖のように、評価は過去のためではなく、今後の育成のためにあるんですからね。これから、どのように気をつけていけばよいのでしょうか。」

社基リーダー
「3つの目って言葉を知ってるかい?」
Jさん
「えっ、妖怪の話ですか?」

社基リーダー
「違うよ、常に3つの目で物事を見なさいってことなんだよ。
ひとつ目は、虫の目。地を這う虫のように、小さなことも見逃さない目。
二つ目は、鳥の目。鳥が上空から下界を俯瞰するように全体を見渡す目」。
三つ目は、魚(さかな)の目。魚が潮の流れを読むように、今だけではなく先を見通す目。
これら3つの目を鍛えると、いろいろな物事が見えてくるってことなんだよ。」
Jさん
「なるほど、私の場合は虫の目が強くて、鳥の目や魚の目は今イチってとこでしたね。」

社基リーダー
「Jさんもそろそろ中堅社員の仲間入りだから、チーム全体、組織全体をふまえて考えるようになったら、一段と成長できるぞ。楽しみにしているよ。」

迷った末に厳しい評価をつけましたが、Jさんが前向きにとらえてくれてホッとした社基リーダーでした。(文責:古木)

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