育成のための「評価基準」~主体性編~

2015年5月25日

前回までは「中間取りまとめ」についてみてきましたが、今回からは、いよいよ「評価基準」について、みていきたいと思います。

【構成】
「評価基準」は、①内容 ②例 ③着眼点 ④基準 から構成されています。このうち「①内容」および「②例」は「中間取りまとめ」からの引用です。「③着眼点」および「④基準」は「中間とりまとめ」に準拠しながら弊社が豊富な経験から独自に紡ぎ出したものです。

では、まずは3つの能力のうち「前に踏み出す力」から、「主体性の評価基準」についてみていきましょう。

「主体性」(12の能力要素から)

【内容】
物事に進んで取組む力

【例】
指示を待つのではなく、自らやることを見つけて積極的に取組む。

【着眼点】
①自発性 : 自らの考えにもとづいて、率先して行動している。単に指摘するだけの評論家的な姿勢ではなく、かといって自分本位や軽率な行動でもない。

②将来構想 : 10年後の自分(人生の6分野:仕事・教養・財産・健康・趣味・人間関係)を明確にイメージし、その実現に向けて今実行すべきことに取り組んでいる。

③自己理解 : 自分の「強み」を「把握」し、それを今の仕事を通して「発揮」し、自分の武器として常に「強化」するとともに、まわりと「共有」している。また自分の「弱み」を「把握」し、それを潔く「受容」し、具体的な対策により「克服」するとともに、まわりと「共有」している。

【基準】(各着眼点共通)
<5ポイント>
その行動・傾向を自他とも認めており、他メンバーの模範となっている。必要な場合には、他メンバーに対して指導・教育している。

<4ポイント>
常にこのような行動・傾向がみられる。特に意識しなくても、自然に行動する姿勢が身についている。

<3ポイント>
このような行動・傾向を心がけているが、レベルは平均的。自らそれを高めようという意欲・姿勢は見られない。

<2ポイント>
他メンバーによる指導・教育がないと、このような行動・意識は特には見られない。

<1ポイント>
他メンバーによる指導・教育をもってしても、このような行動・傾向はほとんど見られない。今後の改善見通しは、まだ立たない。

さあ、あなたの各着眼点のポイントは、何ポイントでしたか。 あなたが育成すべき対象者に対しては、何ポイントと評価しましたか。 主体性に対する3つの着眼点の合計ポイントは何ポイントでしたか。

基準が厳しいと感じる方もおられると思います。
しかし、「社会人基礎力」は「専門知識」や「実務経験」の基礎となるたいへん重要な能力です。また「評価基準」というものは、それを目標として高めるための育成へとつなげていくものです。甘くするわけにはいきません。

【活用ストーリー】
育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者A君との面談にのぞんでいました。 A君の自己評価をきいてみると、次の通りでした。
①自発性  : 3ポイント
②将来構想 : 3ポイント
③自己理解 : 4ポイント

一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

①自発性  : 4ポイント
②将来構想 : 3ポイント
③自己理解 : 3ポイント

ここで、自発性は育成対象者A君による自己評価のほうが低く、自己理解は自己評価のほうが高いということがわかりました。

そこで、社基 力(やしろもと つとむ)リーダーはA君に対して、「自発性」については「問題ないからもっと自信を持って」とアドバイスしました。
逆に「自己理解」については、「自分の強みと弱みをある程度は理解しているけど、その活用が十分ではないように感じられるよ。こうしたら、どうだろう。強みと弱みをそれぞれ3つずつ洗い出してみる。そして、強みについては、いかに今の仕事で発揮するか、そして自分の武器となるようにいかに強化するか、一緒に考えてみないか。弱みについても、まずはそれを潔く受け容れて、どう克服していくかについて一緒に考えてみよう。」と提案しました。
「はい、やってみます!」A君の表情が明るくなり、モチベーションがあがってきたようでした。(文責:古木)

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