推薦図書「プロカウンセラーの聞く技術」(傾聴力)

2011年8月16日

最近は、研修先にて「コミュニケーションに力点をおいて研修を進めていただきたい」とのご要望をいただく機会が増えています。これは、コミュニケーションの重要性が高まってきている一方、「コミュニケーション不足」「スキル不足」という実態の現れだと思います。コミュニケーションの基本は、「発信力」より「傾聴力」だと思います。そこで「聴くこと」について、「プロカウンセラーの聞く技術」(東山紘久著)を推薦したいと思います。
(同書では「聞く」を使われていますが、ここでは「聞く」=「聴く」とご理解ください)

この本は出版されてから10年以上経過し、その後も増刷を繰り返しています。私も書店にてよく目にはしていたのですが、「私もプロカウンセラーのはしくれ」との意識から敬遠していたのかも知れません。ある時、手に取って読んでみて驚きました。私がカウンセリングをやっていた時に感じていたことが、明確かつわかりやすく書き綴られているではありませんか。「聴くこと」について書かれた本は増えてきましたが、その多くは「聴くスキル」について書かれています。しかし同書は著者の経験をもとに「聴く心構え」を中心に書かれています。この本の中から重要なポイントをあげるとすれば、次の2点になると思います。

まず1点目は、「徹底的に聴くこと」です。「聴き上手は話さない」「聞かれたことしか話さない」「情報以外の助言は無効」という徹底ぶりです。私も大賛成です。

もうひとつのポイントは、「相手(話し手)中心」ということです。アメリカのC・R・ロジャースが提唱した「来談者中心療法」に端を発しています。「外から教える」から「内から引き出す」へと指導方法の革命にも影響を与えた考え方です。ここから、コーチングの哲学を思い浮かべました。「すべての答えは、その人中にある」「その答えに気づくためには、サポートが必要」。本人がもともと持っている答えに気づかせるサポートのひとつが「聴くこと」というわけです。

この本から「聴く心構え」を学び、「聴くスキル」(あいづち、繰り返しなど)を用いてまわりの話を聴くように心がければ、「傾聴力」は高まり、「コミュニケーション力」ひいては「チームで働く力」の強化へとつながっていくことでしょう。(文責:古木)

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