基礎力、先進国はどう対応?(「中間とりまとめ」)

2015年3月18日

今日は前回に引き続き、「中間とりまとめ」の「Ⅰ.職場や地域社会で求められる能力」についてみていきたいと思います。

約20年前、私は金融業界から人材育成業界へと移りました。そのきっかけのひとつに、半年間の米国研修があります。米国のビジネス最前線を訪問し、いろいろなお話を伺うという機会に恵まれました。

ある日、ヒューマン・リソース部門、日本でいう人事部門を訪れた時のことでした。担当者から人材育成方法、評価制度、コーチングなどについて説明を受け、大きなショックを受けました。「ここまで進んでいるのか!」「日本はだいぶ遅れている!」と痛感し、頭をガツンと殴られたような衝撃は今だに忘れることができません。

さて、そんな人材育成の先進国では、「基礎力」について、どう取り組んでいるのでしょうか。
「中間とりまとめ」の中では、「社会人基礎力を重要視する傾向は、近年、先進国において相当程度共通するものとなってきている。」として、米国の事例を紹介しています。

【米国】
「21世紀スキルパートナーシップ」 21世紀の職場で求められるスキルとして、以下の能力の育成に取り組む動きが展開されている。

①Information and communication skills    :情報・メディアリテラシー、コミュニケーション力
②Thinking and Ploblem-solving skills     :分析力、問題発見・解決力、創造力
③Information and self-directional skills    :協働力、自己規律力、責任感・協調性、社会的責任

いかがでしょうか、「社会人基礎力」と共通点が多くありませんか。 21世紀は、世界的に「基礎力」が見直される時代になりそうな予感がします。

先日、日本経済新聞にJリーグチェアマンの村井満氏のこんな話が紹介されていました。 「現役生活を長く続けられる選手と、早々と終える選手の差は何だろう。各クラブの育成組織の指導者の考えを集めたところ、心技体にはさほど差がなく、成否を分けているのは選手の人間力だという。観察力、思考力、判断力、伝達力、統率力、実践力を総合した力が成功へのカギになるのだと私も感じている」

私自身の経験でも、このようなことがありました。ある銀行の行員研修に登壇した時のことです。研修の合間に人事担当役員の方と意見交換する機会がありました。その時に「支店長になれる人となれない人がいます。何が違うと思いますか」と聞かれました。 私は「強い営業力や豊富な金融知識でしょうか」とお応えしたのですが、残念ながら不正解でした。そのカギは「コミュニケーション力」だと、その方は自信を持っておっしゃいました。
「成功のカギ」は、やはり基礎・基本なのですね。

次回は、いよいよ「Ⅱ.社会人基礎力の内容」に入っていきたいと思います。「3つの能力」「12の能力要素」の登場です。 (文責:古木)

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