「職業性ストレス簡易調査票」への傾向と対策

2016年1月18日

前回に引き続き、昨年12月から義務化された「ストレスチェック制度」について見ていきたいと思います。

この制度の中心となるのが「職業性ストレス簡易調査票」です。この調査票を正しく理解し対応していくことが求められます。

これは、57の質問に答えるだけでストレス度合いを診断するという「すぐれもの」で、有識者による評価もよいようです。 この「職業性ストレス簡易調査票」について「2つの傾向と対策」として読み解いていきたいと思います。

【傾向と対策 その1】
57項目は、実はストレスの「原因」と「結果」から構成されています。
職場の現状を知るのであれば原因と結果とも同様な取扱いでよいのですが、対策を考えるのであれば「原因」のみに注目すべきです。“原因さえ解決すれば結果は後からついてくる”です。

項目は、次のように分類できます。

≪原因≫
□ストレスの原因(職場・仕事の質・仕事の量・仕事に対するコントロール度)
□周囲のサポート(職場の上司・同僚・家族)

≪結果≫
□心身の自覚症状(心理・身体・行動)
□満足度(仕事・家庭生活)

対策は「原因の除去」なわけですから「ストレスの原因」や「周囲のサポート」ができていない原因を分析して、それを除去する対策へとつなげることが、同制度の克服、「働きやすい職場」の実現となるわけです。

ここでは「考え抜く力」(特に課題発見力)による「課題解決」と「チームで働く力」(特に傾聴力/柔軟性/情況把握力)による「職場コミュニケーション」が効果を発揮します。

【傾向と対策 その2】
NIOH(米国立労働安全衛生研究所)による「職業性ストレスモデル」と調査票を照合しますと「個人的要因」(捉え方/自己評価など)の項目が目立たないことに気がつきます。

同じ環境下でも、ストレスを感じる人もいれば、それを成長の機会と捉える人もいるよう「個人的要因」もストレスの大きな原因となっています。

では、なぜ目立たないのでしょうか。これは私見ですが、今回の制度は「職場環境の改善」を目標としたものであるため敢えてそれ以外の要因を外しているのではないでしょうか。

ということは、たとえ調査票になくとも本格的なストレス対応を講じるためには、この「個人的要因」への対策も見落とせません。

ここでは「前に踏み出す力」(特に主体性/ストレスコントロール力)による「モチベーションUP」が効果を発揮します。

最近いくつかの企業にヒアリングをさせていただいておりますが、調査の実施時期については決算・組織変更・人事異動が一段落した6~7月、期限である11月30日前の9~10月に実施を予定している企業が多いようです。

せっかく全社的な調査をするのであれば、調査実施までの上流工程への対応や単なる現状把握に終わらせるのではなく、職場環境の改善、社員の能力強化(課題解決力・職場コミュニケーション・モチベーションUP)へとつなげていただきたいと思います。

また、実施後に結果をふまえて対策を実施するのもよいですが、できれば初回の調査実施前に対策を実施し、よい調査結果を引き出したいとところです。

私たちは、そのためのサポートを目指していきます。
(文責:古木)

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