「社会人基礎力」は「iPS能力」!(「中間とりまとめ」)

2015年5月11日

さて今回は、いよいよ「中間とりまとめ」の最終回です。 前回に引き続き「Ⅳ.どのような取組が求められるか?」についてみていきたいと思います。

前回は「産業界・企業」「若者」の取組でしたが、それ以外にも次のような取組について述べられています。

①大学における取組
・社会人基礎力については、大学生の67%、大学就職部の86%が「大学時代に積極的に学ぶべき」と考えている。
・正課の授業を実施する際に、その授業がどのような社会人基礎力の向上につながるかを明示することも一案と考えられる。
・インターンシップ、プロジェクト型授業などにおいて、社会人基礎力をベースとした「フィードバックシート」の活用などが重要である。

②小・中・高校における取組
・正課の授業やキャリア教育の中で、学ぶことや働くことの意義を見だし、そこでの「気付き」のプロセスの中で社会人基礎力を含めた能力を総合的に身に付けていくことが重要である。

③家庭で望まれる取組
・社会人基礎力の土台は、親子間での対話や兄弟・近隣との触れ合い等を通じても育成されるものである。

④地域社会で望まれる取組
・地方自治体は、地域の教育界、産業界等の関係者の連携を促進し、社会人基礎力の育成に向けて積極的な取組を進めていくことが期待される。 ・地域の産業界・労働界・教育界が連携し、学校の正課の授業やキャリア教育等の充実のために積極的に協力することにより、社会人基礎力に関する「気付き」や「体験」の場を提供していくことが重要である。

⑤政府に求められる取組
・社会人基礎力が「真の共通言語」となるためには、社会人基礎力に関する調査を実施し情報発信していくこと、調査結果を土台として議論を掘り下げるためのシンポジウムを開催すること等により、関係者のネットワークの構築を促進する取組が期待される。

ここからもお分かりいただけるように「社会人基礎力」の活用範囲はたいへんに広く、波及効果も大きいことがおわかりいただけると思います。 “すべての基本は「社会人基礎力」(12の能力要素)からなる”といってもよいくらいだと思います。

もう少し具体的かつ身近な事例で考えてみましょう。 最近注目されているテーマと「社会人基礎力」の可能性を対比してみました。

①「ゆとり世代」の育成
→「指示待ち人間」への「前に踏み出す力」強化
→「マニュアル人間」への「考え抜く力」強化  →「一匹オオカミ」への「チームで働く力」強化

②高い「離職率」
→共通言語としての「社会人基礎力」による求職する側と採用する側のマッチング
→求職する側の自己評価と採用する側が求める能力要素のマッチング

③「メンタル不調者」の増加
→「主体性」による自立、「柔軟性」による職場人間関係への対応、「ストレスコントロール力」によるポジティブな捉え方

④「起業家」支援
→起業家に必須な「前に踏み出す力」強化、12の能力要素のバランス、新規採用者に対する育成

⑤「輝く女性」
→「考え抜く力」による論理的思考力の強化

⑥進む「晩婚化」・高い離「婚率」
→「チームで働く力」によるコミュニケーション力の強化

⑦定年を迎えた「団塊世代」
→「前に踏み出す力」による元気な高齢者、「チームで働く力」による地域活動への参加

⑧「地方創生」「消滅可能性都市」
→「考え抜く力」による政策形成、「前に踏み出す力」による政策執行、「チームで働く力」による住民との協働

さて、ノーベル賞を受けられた山中教授は「iPS細胞」の特徴について「高い増殖能力」と「高い分化能力」だと著書の中で示されています。どのような課題にも基本的な部分で役立ち、その能力を発揮するほど増殖・分化し強化されていくという意味では「社会人基礎力」は「iPS能力」と言えるのではないでしょうか。

以上、社会人基礎力に関する研究会「中間取りまとめ」を見てまいりました。 今後「最終取りまとめ」が出されるかはわかりませんが、もう待っていられません。この「中間取りまとめ」をもとに、自分自身の能力強化、部下・後輩の育成、直面している課題の解決へと活用していこうではありませんか。 (文責:古木)

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