「人」を変え、組織を変え、そして社会が変わる「12の力」

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【社会人基礎力】
コラム
2010年04月01日

スポーツに例えると・・・(社会人基礎力)

研修の中では、わかりやすく伝えるために、よく「例え話」をします。ここでは、「社会人基礎力」を野球に例えてみたいと思います。一流な野球選手と聞いて、どなたをイメージされるでしょうか。イチロー選手や、松井選手や、松坂選手かも知れません。しかし、彼らはいきなり一流プレーヤーになれたのでしょうか。彼らであっても、いや彼らだからこそ野球の基礎練習である「素振り」「キャッチボール」「走り込み」をしっかり行ったことでしょう。その結果、今日の地位を築き上げることができたのです。


ビジネスの世界における「素振り」「キャッチボール」「走り込み」こそ、「社会人基礎力」ではないでしょうか。確かに、それだけでは大きな成果をあげることはできません。しかし、日々の業務を的確に遂行していく上で、また専門的な力を構築していく上でも、この基礎力は必須な基本となるはずです。


研修の中で、重要事項については暗唱していただいております。これは、必要な時にテキストなどを見ることなく、その重要事項思い出し活用できるようになっていただくためです。「社会人基礎力」12の能力要素も、ぜひ暗唱してください。暗唱することにより、全体の体系についての理解が進むとともに、日々の生活の中でも新たな「気づき」が生まれます。「いま○○力を発揮したな」「どうも○○力は苦手だなあ」というように。覚えるポイントは、最初の文字を覚えることです。主(しゅ)・働(どう)・実(じつ)、課(か)・計(けい)・創(そう)、発(はつ)・傾(けい)・柔(じゅう)、情(じょう)・規(き)・スと、私はリズムをつけて覚えています。ぜひ挑戦してみてください。(文責:古木)


 

2010年12月01日

参考資料「中間とりまとめ」(社会人基礎力)

前回コラムから、しばらくご無沙汰してしまい、すみませんでした。その間は、岩手、名古屋、大阪、広島、長崎、そして霞が関と、ほぼ毎日登壇という日々を送っておりました。
さて、前回コラムまでは、各能力要素について感じていることを、ひと通り述べて参りました。次なるシリーズとしては、「推薦図書・資料」をご紹介していきたいと思います。ぜひ自己研鑽にお役立てください。


最初は「社会人基礎力」です。私が「社会人基礎力」と初めて出会ったのは、役立つ情報を求めて行政サイトを検索していた時でした。平成18年1月、経済産業省の「新着情報」に「社会人基礎力に関する研究会-中間取りまとめ-」を見つけました。さっそく内容に目を通してみたところ、現代社会の課題が明確に指摘されていること、社会人に必要とされる能力を体系的に網羅していることなどに、たいへん感銘を受けました。さっそく全ページを印刷し、重要個所にはマーカーや書き込みをし、常に携行しながら読み返したものでした。ここで簡単に内容をご紹介してみたいと思います。


座長諏訪教授による「人が40歳代、50歳代となっても、それぞれの年齢や仕事の内容に応じて必要となる能力」という「はじめに」から始まります。


第1章「職場や地域社会で求められる能力」では、これからの企業の経営課題に対して効果的に取り組んでいくためには、「従来十分に意識されなかった『職場等で求められ能力』をより明確にし、意識的な育成や評価を可能としていくことが必要である」と、環境変化や課題などについて述べられています。


第2章「社会人基礎力の内容」では、その求められる能力を3つの分類、12の能力要素に体系的にまとめあげ、それぞれの内容について明確に定義しています。「個人と組織がともに成長することを通じて『win-win』の関係をつくるような企業が生まれ、そこにまた優秀な人材が集まっていきいきと働く、という好循環が期待できる」と、メリットや位置づけについて述べられています。


第3章「社会人基礎力を土台とした企業・若者・学校の『つながり』」では、学校段階、就職・採用段階、入社後の段階など、それぞれの段階における企業、若者、学校のつながりについて触れ、「継続的な人材育成や人材の職場への定着」と、関係者の連携強化について述べられています。


第4章では「どのような取組が求められるか」では、産業界・企業、若者、教育機関、家庭・地域社会、政府などにおいて、「①密接に連携すること ②継続的な育成や評価の取組を行うこと ③『気付き』を通じた『成長』につなげること」と、それぞれに望まれる取組について述べられています。


組織であっても個人であっても、「社会人基礎力」に本格的に取り組んでいくにあたり、まず最初に目を通すべきバイブル的な存在だと思います。当資料につきましては、下記サイトから閲覧可能となっています。ぜひ、ご参照ください。(文責:古木)


 http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/torimatome.htm


 

2011年03月14日

「東北地方太平洋沖地震」につきまして

このたびの東北地方太平洋沖地震にてお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災されたみなさまに謹んでお見舞い申しあげます。


被災地のみなさまの安全と、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。



今はたいへんな時期ではございますが、今こそ日本全体がチームとして働き、一日も早い復興に向けた対策を考え抜き、着実に前に踏み出すべき時と存じます。


私どもも、そのためにできることを主体的に取り組んで参る所存でございます。


 

2011年04月16日

「特別な年」の新人研修(社会人基礎力)

4月から新年度がスタートし、例年通り、今年も新人研修が始まりました。多くのフレッシュな新人のみなさんと出会うこの季節は、私にとってもたいへん楽しみな時期です。しかし今年の新人は、厳しい就職戦線を勝ち抜いたというだけではなく、大きな災害が起きた「特別な年」に人生の門出を迎えられました。卒業式や入社式が自粛される中、ともすれば期待や希望までもが“自粛”してしまいがちです。



そのような新人を迎える今年の新人研修にて、冒頭に次のような「2つ心構え」をご紹介しています。


まずひとつは、「自分の仕事への理解を深めよう!」です。
このような緊急事態のもとでは、普段では気がつかない仕事の「社会的意義」や「全体像」が浮き彫りになります。例えば、お客様が安心して購入できる商品を安定的に仕入れる小売業、生産地から商品の到着を待つ消費地へ運ぶ物流業、人命や財産を保障・補償する保険業、住民の安心・安全のために尽力する自治体業務などです。そして消費者も、もしその仕事がなかったらいかに不便であるかを思い知らされるのです。新人には、自ら選び、これから従事していく仕事がどのようなものなのか、その仕事の「社会的意義」や「全体像」をしっかりと確認して欲しいと伝えます。


もうひとつは、「本業を通して貢献しよう!」です。
世界中で義援金の受付が行われ、救援物資が集まり、被災地ではボランティアが活躍しています。助け合う姿は、何と感動的なことでしょう。歌手によるチャリティコンサートやスポーツ選手によるチャリティ試合も開かれています。そんな中、「『自分にできること』は何か 」という言葉をよく耳にします。新人にとって「自分にできること」って、何でしょうか。義援金やボランティアも素晴らしいのですが、社会人となった今、本業を通して被災地の復旧・復興に貢献することが何よりではないでしょうか。まだ専門的な知識や経験はありませんから、いきなり大きな貢献はできません。しかし、焦らずに仕事の基本をしっかり身につけ、自分が成長することにより組織を支え、そして組織を通して社会を支えていくことができれば素晴らしいことではないですか。「そのために、ぜひこの新人研修を大切にしてください」と伝えますと、みなさんの眼の輝きが変わってくることがわかります。

このような環境の中、これから本格的に始まる復旧・復興事業に取り組まれる方々、避難地域にて新たな生活を始められる方々が多くおられます。このような方々にとって必要とされているのが、まさに「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」という「社会人基礎力」だと確信しています。今こそ、被災地だけではなく、日本全体のために「社会人基礎力」を活用すべき時です。この「社会人基礎力」強化のためにお役に立つ機会がございましたら、どちらにでも伺いたいと思います。必要とされる方は、どうぞお気軽にお声かけください。(文責:古木)


 

2012年01月01日

新年のご挨拶(社会人基礎力)

新年明けましておめでとうございます。本年がみなさまにとって良き年となりますよう心からお祈り申し上げます。


「一年の計は元旦にあり」と言います。私たち日本人にとって年が変わるということは、ひとつの区切りとして大切にして参りました。初日の出に向かい、いろいろなことをお願いします。その年にかける意気込みが強いほど、いろいろなことをお願いします。しかし、どうでしょうか。大晦日の沈みゆく太陽に、去る1年の感謝を伝えることは、それほど行われていないような気がします。「一年の省は大晦日にあり」とは私の造語ですが、沈みゆく太陽に手を合わせ、この一年に思いを馳せるということにも趣が感じられます。「絆」が大切な今だからこそ、「感謝」の気持ちを忘れずに日々を過ごしていきたいと思います。


さて、みなさまは新たに迎えた年を、どのような年にしたいとお考えでしょうか。私は「転換の年」にしたいと感じております。今までは「豊かさ」を謳歌して参りましたが、大震災により大切なことに気づかされました。それは、「豊かさのかげに、実はいろいろな課題が潜在していた」ということです。特に「重要」かつ「緊急」と思われるものを3つほどあげてみます。


①財政問題(国および地方)
②人口構造の変化(少子高齢化、生産・消費人口の減少)
③エネルギー政策(供給源、消費抑制)


どれもたいへん大きな課題ですが、今や待ったなしの状況です。一日も早く解決策を策定し、その第一歩を踏み出す「転換の年」にしなければなりません。


さて、課題はこのように多種多様なわけですが、対策の基本には、ある共通点があります。それは、これらの課題を解決する方法を「考え抜き」、練り上げた最善策に向け勇気を持って「前に踏み出し」、関連する方々と力を合わせて「チームで働く」ことです。そうです、これらの課題を解決するために求められることは、「社会人基礎力」として掲げられる「3つの能力」「12の能力要素」を一人ひとりが強化していくことなのです。これが実現できれば、「人」が変わり、組織が変わり、そして社会が変わっていくことでしょう。


微力ながら弊社は今年、「個人」の「社会人基礎力」を強化することにより「組織」「社会」を変革し、「転換の年」を実現するために取り組んで参ります。いつかどこかで、みなさまと出会えることを楽しみにしております。(文責:古木)


 

2012年03月01日

「社会人基礎力育成グランプリ2012決勝大会」に参加して(社会人基礎力)

2012年2月27日「社会人基礎力育成グランプリ2012決勝大会」が日経ホールにて開催されました。このイベントには毎年参加させていただき、社会人基礎力の意義を再確認させていただいております。しかし、今年は例年とは少し違う印象を受けました。主催が経済産業省から日本経済新聞社に変わったというだけではなく、プレゼン後の審査員による質問が鋭くプレゼンテーターが回答に窮する場面が見られたり、全チーム発表後の講評では、よかった点をほめるだけではなく改善点を指摘するなど、真剣さが増したように感じられました。


今回は各大学による発表に先立ち、「社会人基礎力に関する研究会」にて座長を務められた法政大学院の諏訪教授から「社会人基礎力人材育成協議会」についての報告がありました。平成18年に「中間とりまとめ」が発表されて以来、どのような動きになっているのか注目しておりましたので、たいへん興味深く聞かせていただきました。諏訪教授は来場者に対して、たいへんわかりやすい言葉で説明されていました。「指示待ち人間」では困るから「前に踏み出す力」が必要ですよね、「マニュアル人間」では困るから「考え抜く力」が必要ですよね、「一匹オオカミ」では困るから「チームで働く力」が必要なのですと。私も日頃社員・職員研修に登壇しながら感じていることを、わかりやすい言葉で的確に表現されたことに感銘を受けました。



この協議会報告の中から、印象に残ったことを3点ご紹介させていただきたいと思います。


まず最初は、「社会人基礎力」における「基礎」という言葉の意味についてです。これは「もう基礎力は十分」というようなものではなく、「エッセンシャル=不可欠」という意味の直訳とのことでした。私なりには、「基礎力」は決して初級的な力ではなく、本質的な力として「社会人基本力」と理解していますので、納得しながら聞かせていただきました。


次は、「グローバル人材」の育成についてです。そこで要求されるのは、①外国語によるコミュニケーション ②異文化理解力 ③社会人基礎力 の3つがバランスよく備わっていることだとしています。ここでいう「グローバル」とは、単に外国で働くことや、外国人と働くことだけを指しているのではなく、海外にも目を向け世界的な視点から考えることをも含むと思います。これからの社会人にとっては、標準的な人材ということになるでしょう。


最後は、「講義型」による社会人基礎力育成の可能性についてです。今回のグランプリをはじめとして、PBL(Project Based Learning:課題解決型学習)が中心となる傾向が見られました。それに対して、実際の講義をプロジェクトと見立て ①集中講義 ②グループティスカッション ③プレゼンテーション という構成で効果をあげている事例が紹介されました。PBLの場合、中身が濃いだけに対象人数に限りがありますし、対象者レベルが比較的高くなるように感じていました。できるだけ多くの方に社会人基礎力を拡げ育成していくため、ボリュームがある中間層に対して気軽に参加できる形態としては、たいへん有望な方法だと感じました。私どもの研修も最初は関連知識・情報の提供であり、続いてチーム演習、全体発表、今後の行動計画作成と続き、研修後に効果を定着化させるために自己啓発方法・推薦図書の紹介、メールによる相談対応を実施していますので、たいへん共感できました。


これから新入社員を迎える時期であり、私も例年通り、数社の新入社員研修に登壇します。採用企業側からすれば今後の活躍を期待する新人であり、新入社員側からすれば激戦の就職活動を経て手にした立場です。この両者の期待を確実に達成するように、「指示待ち人間」にならないように「前に踏み出す力」を、「マニュアル人間」にならないために「考え抜く力」を、そして「一匹オオカミ」にならないように「チームで働く力」を身につけていただく新入社員研修に取り組んでいこうと決意を新たにいたしました。(文責:古木)


 

2012年04月16日

がんばろう!新社会人(社会人基礎力)

今年も新社会人を迎える季節になりました。私もいくつかの組織にて、フレッシュな若者たちと切磋琢磨する機会に恵まれました。今年の新人は、四年制大学卒の場合には1年生の時に「リーマン・ショック」を経験しています。その影響もあり、早い時期から真剣に就職に取り組んでいます。結果として、能力的にはたいへん優秀であり、強い意気込みも感じられました。新人を迎える先輩たちは、きっと「自分たちが新人だった頃、こんなにしっかりしていたっけ?」と驚かれることでしょう。


熱心な新人は、研修の合間の休憩時間を利用して講師に質問に来ます。質問者で行列ができることもあるほどです。研修内容についての質問が多いのですが、中には「今後のキャリア形成」について意見を求められる場合もあります。外面はしっかりした若者ですが、実は繊細で不安を抱えている内面を垣間見る瞬間でもあります。


最近の職場の変化として、雇用形態の多様化やIT化があげられます。以前は正社員が主体でしたが、今では、契約社員・派遣社員・アルバイトなど、雇用形態も多様化してきています。また、ひとりに1台のパソコンも行きわたり、簡単な書類作成・計算処理は機械が代行してくれます。しかし、ここに新人にとっての試練が潜んでいます。以前であれば、入社したての頃は簡単な作業をしながら徐々に仕事を覚えていけばよかったのです。ところが今では、そのような作業は正社員以外の方やパソコンが処理してくれます。新人には「徐々に覚える」という余裕は与えられず、すぐに正社員として一人前な仕事を任されるケースが増えてきています。スポーツに例えれば、まだ足腰が鍛えられていない新人選手が、いきなり試合本番に出されるようなものです。確かに、機会を与えられたことを喜び、力を発揮する新人もいるでしょう。しかし、多くの新人は仕事がうまくいかずに、自信を失ってしまうこともあります。


このような時こそ、社会人基礎力を思い出してください。社会人基礎力を強化するということは、スポーツの「走り込み」のようなものです。野球でもサッカーでも、すべての基本です。今は、しっかりし走り込み足腰を鍛え、これからの専門的な仕事に備えることが大切なのではないでしょうか。社会人基礎力は、3つの能力、12の能力要素から構成されています。社会人としての基本のすべては、この組み合わせで成り立っています。その中でも特に新人に必要とされる力は、「主体性」「実行力」「発信力」「情況把握力」「ストレスコントロール力」です。これらは、企業が採用時に重視している能力要素とも重なります。どこから手をつけてよいか迷ったり、あれもこれもと手を出したりするより、この5つの能力要素を徹底的に強化することの方が効果があります。「基礎力」がしっかりしていれば、「専門力」はいずれその上に 形成されていくものなのです。あのイチローも、基礎的な「走り込み」を大切にしています。新入社員のみなさん、これからのご活躍を期待しています。(文責:古木)


 

2012年06月16日

「働きがい」と「社会人基礎力」(社会人基礎力)

先日、社員の「働きがい」をテーマとしたイベントに参加いたしました。そこでは、「働きがいのある会社」の調査・分析・支援に取り組んでいる「Great Place to Work Institute Japan」(以下、GPTW)代表の方、「働きがいのある会社ランキング」上位の人事部長の方などから、「働きがいのある会社」を実現するポイントや評価・分析方法、具体的な取組内容など、貴重なお話を伺うことができました。

これらのお話を伺いながら、私は「働きがいのある会社」への取組みと、「社会人基礎力」を高める取組みに多くの共通点があることに気がつきました。そのうちから、主なものを3つご紹介したいと思います。

1つ目は、「具体化」です。「働きがいのある会社」を目指すことになっても、具体的に何から始めればよいのか迷ってしまいます。GPTWでは、「働きがいのある会社」を実現するポイントとして「9つのエリア」を定義しました。まずは「組織業績を達成する」として、①触発する ②語りかける ③傾聴する。次に「個人として力を最大限に発揮する」として、④感謝する ⑤育成する ⑥配慮する。最後に「チームとして共に働く」として、⑦祝う ⑧分かち合う ⑨採用する&歓迎する。これは、「社会人基礎力」を具体化した「3つの能力」「12の能力要素」とそっくりです。

2つ目は、「行動」です。せっかく「具体化」できても、具体的な行動に落とし込むことができなくては、成果は期待できません。ユーザーとして参加された人事部長の体験談は、たいへん参考になりました。「9つのエリア」に対して、一つひとつ具体的な行動に落とし込み、それを確実に実行されていたのです。より詳しくお話を伺いたいと思い、後日アポイントを取り、直接お話しを伺って参りました。「社会人基礎力」の場合も、「具体化」された能力要素から具体的な「行動」へと落とし込まなくてはなりません。私たちがサポートしていくのは、この部分です。ここがポイントであり、ここが壁でもあります。(「主体性」のための「行動」は?)

3つ目は、「ゴール」です。GPTWは会社側の立場から「働きがい」を高めるために取組んでいます。一方「社会人基礎力」は社員側の立場から取組んでいます。この両者が力を合わせ、双方向から「働きがい」を高めるために取組むことができれば、社員にとっても、組織にとっても、社会にとっても、素晴らしいことではないでしょうか。私たちは、今後その可能性を追求していきたいと思います。(文責:古木)

 

2012年08月16日

「リオデジャネイロ」を目指そう!(社会人基礎力)

17日間の熱戦を繰り広げた「ロンドンオリンピック」が静かに幕を閉じました。日本中が深夜から早朝まで、日本選手の活躍にエールを送りました。

私は研修講師として全国をまわっていますので、各地で地元出身選手を応援する垂れ幕を目にするなど、盛り上がりを実感できました。先日は研修会場に向かう早朝、駅前で号外を配っていました。早朝に行われた「なでしこジャパン」とアメリカとの決勝戦の速報かと手にしました。すると、それはレスリング吉田沙保里選手の三連覇を告げる号外でした。そうです、ここは吉田選手の故郷三重県津市だったのです。駅前を行き交う市民の顔には、さりげない喜びと誇りが感じられました。当日の研修受講者の中には、直前までパブリックビューイングの設営などに尽力された方々も多くおられました。さぞやお疲れかと案じましたが、みなさん吉田選手のように最後まで全力で取り組まれました。

さて、今回のオリンピックでは、日本は過去最多38個のメダルを獲得しました。その中でも特に印象に残ったのは、チームで力を合わせて勝ち取ったメダルが多かったことではないでしょうか。サッカーやバレーボールなどの団体競技はもちろんのこと、卓球、体操、競泳メドレー、フェンシング、アーチェリーなどの団体戦でも、世界を驚かせるようなチーム力を発揮してくれました。試合後にチームメイトが抱き合い涙する姿は、個人競技とはまた違う感動を与えてくれました。出場国中で最も平均身長が低かったにもかかわらず銅メダルを獲得した女子バレーの真鍋監督の「10の力は、20にも30にもなる。それを証明できた。」という言葉が的確に物語っています。チームで力を合わせ(チームで働く力)、目の前に立ちはだかる課題を解決し(考え抜く力)、粘り強く取り組む取り組むこと(前に踏み出す力)の大切さを改めて教えてくれました。

アスリートたちは、早くも4年後の「リオデジャネイロオリンピック」を目指してスタートを切っています。いかがでしょうか、私たちも一緒にリオデジャネイロを目指してみませんか?かといっても、競技に参加するわけではありません。自分なりの目標を4段階決め、それを目指してかんばるのです。最も高いレベルが金メダル、続いて銀メダル、銅メダル、そして参加資格となります。「マイオリンピック」とでも呼びましょうか。「実行力」「計画力」「ストレスコントロール力」あたりが、ポイントになりそうです。ちなみに私の「ロンドンオリンピック」は、銅メダルでした。まだまだ努力が足りなかったことを反省し、次は金メダルを目指します。みなさんの4年後の目標は何ですか、ご一緒に金メダルを目指しませんか?(文責:古木)


 

2013年03月04日

経済産業省「キャリア支援3本の矢」①(社会人基礎力)

最近「アベノミクスの3本の矢」として、①大胆な金融政策 ②機動的な財政政策 ③民間投資を喚起する成長戦略 が発表され、その実施・効果が注目されています。そこで、私が最近に接点を持った経済産業省関連の施策を「キャリア支援3本の矢」と見立てまして、ご報告していきたいと思います。

 

 まず「第1の矢」は、「若者向けキャリア支援」としての「社会人基礎力グランプリ2013」(3月4日東京大手町日経ホールにて開催)です。これは、全国109チームによる予選を勝ち抜いた8チームの若者たちが集結し、「社会人基礎力」を育成したプロジェクトの内容を発表する場であり、今年で6回目を迎えました。主催は日本経済新聞社であり、共催が経済産業省、後援は文部科学省と、まさに官民あげての若者向けキャリア支援イベントです。


私も毎回傍聴させていただいておりますが、回を重ねるごとに内容が充実してきていることを実感します。今回経済産業大臣賞に選ばれた「なにわの町工場で鍛えられた社会人基礎力」(大阪工業大学)をはじめ、プロジェクトを通して「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」がどれだけ成長したかについてプレゼンテーションします。このイベントは、具体的な実例をもとにした「社会人基礎力」の発揮・強化についての実証実験としても最適な機会だと思います。


イベントの最後に諏訪審査委員長がごあいさつをされましたが、その中で「審査委員長としては、これが最後となる」とショッキングな発表がありました。諏訪委員長は、「社会人基礎力に関する研究会」当時から「社会人基礎力の顔」として活躍されてきた方ですので、たいへん残念に感じられました。しかし、一方では「社会人基礎力」が基盤づくりを終え、新たな普及の段階にシフトしていく予感を感じられた大会でした。


これから続いて、キャリア支援「第2の矢」「第3の矢」もご報告していきたいと思います。(文責:古木)


 

2013年03月14日

経済産業省「キャリア支援3本の矢」②(社会人基礎力)

今回の「第2の矢」は、「キャリアチェンジ支援」としてのシンポジウム「成長分野を拓く人材のキャリアチェンジと多様な人材の活躍による事業展開の新たな可能性」(3月14日経済産業省主催)です。これは、産業構造の変化に合わせた人材の育成・キャリアチェンジの必要性について考える機会を提供するイベントでした。


 基調演説では、高橋俊介氏(慶応大学大学院特任教授)のお話を拝聴することができました。高橋教授は、キャリアチェンジの例として電気自動車を取り上げて説明されました。「電気自動車の製造が拡大すれば、内燃機関の製造は縮小していき、キャリアチェンジの必要性が高まる。今までこのような縮小産業に従事してきた多くの方々を、いかに成長産業(福祉など)へシフトさせていくか。社会環境の醸成、企業のキャリア育成、個人の意識改革や学び直しについて考えていかなければならない。」とのことでした。


 ここで印象に残ったのは、キャリアチェンジのためには「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」が大切と力説されていたことでした。人のスキルを階層別に見てみますと、一番の基礎は「ポテンシャル(基礎的能力)/スタンス(仕事に対する姿勢)」であり、その上に「ポータブルスキル」が形成され、最上階層に「テクニカルスキル(専門的能力)」が形成されます。産業構造が変化していく中、キャリアチェンジを推進していくためには、この「テクニカルスキル」の学び直しを余儀なくされます。その時に重要になるのが、それを支える「ポータブルスキル」だというのです。このスキルは、今の産業や組織内だけで通用するようなものではなく、他の産業や組織へシフトしても通用する基本スキルなのです。


 「ポータブルスキル」についてお聴きしたとき、「それこそまさに社会人基礎力ではないか!」とひとり得心した次第です。シンポジウムの中では、特に40~50歳代の方々の「キャリアチェンジ」「ポータブルスキル」の必要性について述べられていました。「社会人基礎力」は若者だけではなく、中高年齢層の方々にとっても必要な能力になるということを予感させてくれたシンポジウムでした。


 次回は、「第3の矢」についてご報告していきたいと思います。(文責:古木)


 

2013年03月18日

経済産業省「キャリア支援3本の矢」③(社会人基礎力)

最後の「第3の矢」は、「起業家支援」です。経済産業省は2003年に起業家支援組織として「ドリームゲート」の発足を後援しました。当時、「起ちあがれニッポン DREAM GATE」としてボブ・サップ氏(総合格闘家)をイメージキャラクターとして採用し、「日本には、挑戦者が足りない。」のコピーは、たいへん印象的でした。当時は、20万人を超える起業家予備軍がユーザー登録して話題にもなりました。「ドリームゲート」はその後も着実に支援体制を強化し、日本最大の起業家支援組織へと成長を遂げました。


 このシステムの中で重要な役割を果たすのが、起業家を「オンライン相談」「面談」「セミナー」などにより支援する「ドリームゲートアドバイザー」です。そのメンバーは、弁護士・公認会計士・税理士・中小企業診断士などの方々が中心となって構成されています。私もキャリア支援という立場から起業家支援を申し出たところ、一次審査および二次審査を通過して、「ドリームゲートアドバイザー」の仲間入りを果たすことができました。


 今後は他の士業の方々とは異なる独自支援策として、「社会人基礎力」を基本とした起業家バージョン「起業人基礎力」(造語)の強化システムを確立していきます。そして、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の側面から、起業家としての自信を高めていただくためのサポートをして参りたいと思います。これからは、職場の仲間と企業したり、自分がやりたいことを追求したり、「雇わない雇われない」自由な働き方を選択したりする人が増えてくると予想しています。そのような環境変化の中、一人でも多くの方々に「働く喜び」を実感していただきたいと思っております。


 以上、経済産業省「キャリア支援3本の矢」と私が命名してご報告して参りました。これからも、キャリア支援に役立つ情報については積極的にご報告して参りたいと思います。ご愛読いただき、誠にありがとうございました。(文責:古木)


 

2013年05月5日

国民栄誉賞を支えた「素振り」(社会人基礎力)

2013年5月5日東京ドームにて、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の国民栄誉賞授賞式が行われました。続いて始球式では、長嶋氏がバッターボックスに立ち、松井氏がピッチャー、原監督がキャッチャー、そして審判に安部総理と、まさにドラマのワンシーンを見るようでした。ゴールデンウィークの最中ということもあり、テレビでご覧になったという方も多かったのではないでしょうか。私も特にジャイアンツファンというわけではありませんが、背番号「3」と「55」の授賞式は、感動しながら拝見いたしました。


さて、みなさんはどのようなことが印象に残ったでしょうか。私はスポーツから教訓を得ることが好きな性分ゆえ、「素振り」の大切さに感銘を受けました。そういえばニューヨークでの松井氏の引退記者会見でも、「野球人生で一番思い出のシーン」として「長嶋監督と二人で素振りをした時間」をあげられていました。二人のスターを支えたのが「素振り」、二人をつないでいたのも「素振り」だったのですね。


両氏とも現役時代には「素振り」を重視し、毎日納得ががいくまで繰り返したそうです。擦り減った畳の跡や、当時握手をした方が目にした手のマメが、その苛酷さを物語っていました。メジャーリーグに移籍し不調に陥った松井氏を、長嶋氏が国際電話を通して「素振り」の高温で短い「ピュッ」という空気を切り裂く音を聴きながら指導したことは有名な話です。


あれほどの一流選手でも、それを支えていたのは「素振り、素振り、また素振り」という「基礎トレーニング」だったのですね。長嶋氏は、こうも紹介されています。「実は素振りは技術的な面よりも心を磨き、精神を鍛える面が大きい」と。これは、ぜひ私たちの日常生活やビジネスにも生かしたいことです。


ビジネス分野における「素振り」。「社会人基礎力」がそれに近いのではないでしょうか。3つの能力「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」を強化し、納得いくまで続けることこそが、いろいろな活躍へとつながる第一歩だと思います。私もこれから、より「社会人基礎力」「起業人基礎力」(社会人基礎力に準拠した起業家版)の強化に取組み、全国の「ゴジラの卵」を応援していきたいと思います。長嶋氏、松井氏、このたびは受賞おめでとうございました。今後の更なるご活躍を期待申し上げます。(文責:古木)


 

2014年05月1日

「伸びる新人に共通する3つの特長」①(社会人基礎力)

今年も例年と同様、4月に10回ほど新人研修に登壇させていただきました。毎年のことながら、新人のみなさんからはフレッシュなエネルギーをいただき、こちらも若返ったような気分になるから不思議です。さて今回は、新人研修を通して私が気づいた「伸びる新人に共通する3つの特長」をご紹介したいと思います。


まず第1の特長は、「素直で謙虚な姿勢」です。新人時代にはたとえ他のメンバーと比べて「ドジ」で「ノロマ」であっても、「素直さ」と「謙虚さ」を持ち合わせて目の前の仕事に全力を尽くしてさえいれば、いずれ立派に成長し「組織から必要とされる人材」になれるのです。そんな方にしばらくたってから他の研修でお会いしたりすると、その成長ぶりに驚かされることがあります。


一方、新人研修の頃にはチーム演習でも中心となってまわりを引っ張っていく人がいます。将来が楽しみと感じさせることがあります。しかし、「素直さ」と「謙虚さ」を持ち合わせていないと、どうなるのでしょうか。しばらくたってお会いすると組織や仕事に対する不満がタラタラと。これでは今後の成長も望めませんし、「組織から必要とされる人材」どころか煙たがられる存在にもなりかねません。本人のためにも、組織のためにも、たいへん残念です。足りないのは、「素直さ」と「謙虚さ」だけなんですけどね。つい「ウサギとカメ」の話を思い出してしまいました。


第2、第3の特長は、日を改めてご紹介させていただきたいと思います。(文責:古木)


 

2014年05月16日

「伸びる新人に共通する3つの特長」②(社会人基礎力)

今日ご紹介する「伸びる新社会人に共通する3つの特長」第2の特長は、「朝時間の活用」です。


新人のうちは、慣れない仕事で疲れてしまいます。また仕事だけではなく、ビジネスマナー、職場環境、上司、先輩など、慣れなければいけないことばかり。まだ手を抜くコツもわからず、すべてに全力投球ですから、疲れないはずがありません。とても他のことなど、考える気力・体力は残っていません。これは、すべての新人に共通した傾向です。しかし、伸びる新人は、ちょっと違うことに気づきました。


いつもの研修のように「“習慣は、第二の天性なり”といいます。みなさんは、どんな習慣を身につけていますか?」と聞いてみます。すると、ほとんどの新人が首をかしげる中、ほんの数人だけ自分の習慣を紹介し始める新人が現れます。横で聞いていると、起床してから始業までの間の過ごし方に違いがありました。伸びる新人は、新聞を読む、本を読む(「東洋経済」を読むという強者もいました)、資格取得のための勉強など、何か自己を研鑽する習慣を身につけていたのです。疲れることはみな同じなのですが、伸びる新人は夜早く寝て、翌朝スッキリした頭で朝時間を活用していたのです。


通勤時間も含めれば、朝時間は2時間近くあるのです。最近は「早朝セミナー」賑わっています。ぜひ早いうちに、朝時間を活用する習慣を身につけたいものです。(文責:古木)


 

2014年05月31日

「伸びる新人に共通する3つの特長」③(社会人基礎力)

最後にご紹介する「伸びる新社会人に共通する3つの特長」第3の特長は、「考える習慣」です。


管理職や先輩社員からは、最近の若者に対して「指示待ち人間」「マニュアル人間」などと揶揄する声も聞かれます。しかし、そのような中でも伸びる新人はしっかりと「考える習慣」を身につけていました。朝の通勤電車の中では今日一日にやるべきことをイメージし、帰りの電車の中では今日一日をふり返って反省するそうです。通勤電車の中、ついスマホでも操作して過ごしてしまいそうですが・・・。


この「常に頭の中におき、すき間時間を使って繰り返し考える」を新人時代から身につけていれば強い味方です。これは、仕事が早い人に共通する特長でもあります。仕事が早い人は常に考え、机に向かった時にはその考えを書き出すだけなのです。パソコンに例えれば、頭を完全には「シャットダウン」せず、常に「スリープ」状態に保ち、ちょっとしたすき間時間に立ち上げ「考える習慣」を始めます。ほとんど無意識に。これを身につけている新人は、今後「組織から必要とされる人材」になることは間違いないでしょう。


今日まで「伸びる新社会人に共通する3つの特長」について見てきました。今後のみなさんのご活躍を期待しております。また他の研修でお会いできることを楽しみにしています。(文責:古木)


 

2014年07月01日

「iPS細胞」と「社会人基礎力」の共通点(社会人基礎力)

2012年に京都大学の山中伸弥教授が「ノーベル生理学・医学賞」を受賞されました。これは今後の再生医療の分野において、画期的な功績です。山中教授の粘り強い研究姿勢と社会貢献に対する謙虚な姿勢には頭が下がります。さて、この「iPS細胞」の特徴について、山中教授は「高い増殖能力」と「高い分化能力」だと著書の中で示されています。この「増殖力」「分化力」という言葉を読んだとき、私は「ハッ」としました。これは、もしかしたら「社会人基礎力」と共通点が多いのではないかと感じたのです。


ご存知の通り、「社会人基礎力」は3つの能力、12の能力要素から構成されています。それぞれの能力要素は、最初は小さな力しか持っていませんが、一度その能力を身につけたうえでいろいろな経験や研鑽を積んでいくことによって、大きな力へと「増殖」を繰り返していく性質を持っているのです。また、ひとつの能力要素が他の能力要素へ刺激・影響を与えることによって、他のいろいろな能力要素へと「分化」していく性質もあわせ持っています。これらの性質をふまえて恐れながら名づけさせていただくならば、「社会人基礎力」=「iPS能力」と言えるのではないでしょうか。


しかし「iPS」を名乗るならば、「iPS細胞」が医学分野で貢献しているように、「iPS能力」にも社会貢献してもらわなくてはなりません。そこで次回からシリーズとして、最近注目されている社会的テーマに対して「社会人基礎力」活用の視点からみてみたいと思います。具体的には、「地方創生」「女性の活躍」「働き方の多様化」「高齢化・定年」「家庭問題」「ニート・フリーター」などを予定しています。ぜひ、ご一緒に考えてみませんか。(文責:古木)


 

2014年08月01日

iPS能力①「地方創生」(社会人基礎力)

先日、日本創生会議(民間有識者会議)が、全国市区町村の約半分である896自治体を「消滅可能都市」として公表しました。これが呼び水となり、「地方創生」の機運が一気に高まりました。政府は、新たに「地方創生担当相」をおくとともに、「まち・ひと・しごと創生本部」を設置し、本格的な取組みをスタートさせました。今までも「地方分権」「地域主権」と叫ばれながら、根本的な問題解決には至らず今日を迎えています。しかし、今回の「地方創生」には、地方出身である自分としても大きく期待したいと思います。


年間に登壇しているで約180回の研修では、地方自治体に伺い「政策形成」「課題解決」「協働」などをテーマに取組む場合も少なくありません。各自治体職員のみなさんも「地域振興」「商店街の活性化」「少子高齢化対策」「空家対策」「耕作放棄地対策」などに真剣に取組み、立派な企画書を作成し、意欲的にプレゼンテーションされています。これからは地方が中心となって課題を解決していくこと、前例踏襲はもはや通用しないということが浸透していることを実感します。


それでは、「地方創生」にはどのような「iPS能力」が有効なのでしょうか。


 ここでは、「課題発見力(現状を分析し目的や課題を明らかにする力)」、「創造力(新しい価値を生み出す力)」、「働きかけ力(他人に働きかけ巻き込む力)」などの強化が有効だと思います。各自治体の受講者のみなさんがこれらの能力要素を強化し、「地方創生」を「かけ声倒れ」に終わらせないよう研修にも取組んでいきたいと思います。(文責:古木)


 

2014年09月01日

iPS能力②「女性の活躍」(社会人基礎力)

「女性の活躍」は「地方創生」と並んで、政府の重要事項と位置づけられています。これは、人権や男女平等の問題だけにとどまらず、少子化対策や生産年齢の減少という課題とも複雑に絡み合っています。女性の労働力率は、結婚・出産期に当たる年代に一旦低下します。その後、育児が落ち着いた時期に再び上昇するという、いわゆるM字カーブを描くことが知られています。中には、結婚・出産を機会に職場を去ってしまったり、職場復帰に苦労される女性も多くおられます。女性の職場復帰、管理職への登用、パート社員(7割が女性)の正社員化など、これからの「女性の活躍」が大きく期待されています。


私も女性を対象とした「女性チャレンジ講座」などに登壇する機会もありますし、一般の研修にも多くの女性が参加されています。そこから感じられることは、女性は男性に勝るとも劣らない能力・意欲を備えているということです。チーム演習では、女性のほうが積極的に発言したり発表したりする姿を目にしています。

 それでは、「女性の活躍」にはどのような「iPS能力」が有効なのでしょうか。


ここでは、既存の男性社会に頼らない「主体性(物事に進んで取り組む力)」、「計画力(課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力)」、仕事や家庭から求められる役割に対する「ストレスコントロール力(成長の機会だとポジティブに捉えて対応する力)」などの強化がポイントだと思います。これからの研修でも、「女性の活躍」を応援していきたいと思います。(文責:古木)


 

2014年10月01日

iPS能力③「働き方の見直し」(社会人基礎力)

最近「ホワイトカラーエグゼンプション」という聞き慣れない言葉を耳にする機会が増えたことにお気づきでしょうか。これは「ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度」と呼ばれる制度で、事務職や専門職に対して労働時間を自主的に設定できる裁量性を認めようという動きですが、世間からは「残業時間ゼロ」と指摘を受けて賛否両論分かれるところとなっています。また、地方公務員法が見直され、年功序列的なイメージが強かった公務員にも評価制度が導入されることとなりました。このように、従来の働き方に対して大きな見直しをする動きが目立っています。


私が登壇する研修でも、これからのキャリアについて考える「キャリアデザイン研修」、時間を有効活用するための「タイムマネジメント研修」、人事評価制度を的確に運用するための「評価者研修」などが増えています。組織が持つ資産として、以前は「ヒト・モノ・カネ」と言われました。最近はそれに「情報・時間」が追加されるケースもあります。そこで、これらの資産を眺めてみますと、「モノ・カネ・時間」には限りがあります。「情報」取捨選択が求められますが、入手は困難ではありません。そうした中、一番「伸びしろ」が大きいのは「ヒト」だということに気づき始めたようです。生産年齢人口が減少する中、採用した「ヒト」をいかに育成するかが、組織の競争力を左右するという意識が高まっていることを感じます。これからは「人材育成研修」を実施し、「評価者研修」にて発揮された能力や業績を的確に評価し、面談を通してモチベーションを高めていく組織がよい業績をあげていくでしょう。

 そのような中、「働き方」の基本である「社会人基礎力」がより注目されてくると思います。この3つの能力・12の能力要素は、専門力と違い人事異動しても持ち運びができる「一生モノ」の力なのです。海外では「ポータブルスキル」と呼ばれている所以です。学生や新人向けと差別化して、中堅社員向けとして新たに「社会人基礎力 アドバンス」が誕生するかもしれません。

それでは、「働き方の見直し」にはどのような「iPS能力」が有効なのでしょうか。


 まわりから指示されて動くのではなく自分から率先して動く「主体性(物事に進んで取り組む力)」、多様性を受け容れる「柔軟性(意見の違いや立場の違いを理解する力)」、働き方が変われば何かと増えるストレスに対して「ストレスコントロール力(成長の機会だとポジティブに捉えて対応する力)」などではないでしょうか。今こそ「iPS能力=社会人基礎力」を強化し、「働き方の見直し」の時代を乗り切る時です、全面的に応援していきます。(文責:古木)


 

2014年11月01日

iPS能力④「高年齢化・定年退職」(社会人基礎力)

最近「健康寿命」という言葉よく耳にするようになりました。これは「健康上の問題がなく日常生活を普通に送れる期間」を指しているそうです。先日の厚生労働省発表によりますと、2013年健康寿命が男性71.19歳、女性が74.12歳だそうです。平均寿命と比較しますと、男性が9.02年、女性が12.40年となり、この期間は介護など人の助けが必要となる可能性が高くなります。しかし、介護保険や年金の財政問題、介護従事者の不足などを考えますと、男女とも平均寿命より健康寿命を伸ばすことが喫緊の課題ということがわかります。では、どうすればよいのでしょうか。ここに興味深い調査結果があります。詳細は割愛させていただきますが、健康寿命を伸ばす最適な方法は「働くこと」だそうです。そうです定年を迎えた後も「サンデー毎日」ではなく、元気に社会との接点を持ち続け、頭や体を動かし続けることが大切なのです。そのためには、「働くこと」を希望する高齢者を支援していく仕組みが必要となります。

 私も自治体が主催する市民向け「中高年齢者向け就職支援セミナー」に登壇しております。受講者の多くは定年を迎えられた方々ですが、この方々の元気なこと。自己紹介をお聞きしますと、いろいろ貴重な経験をされていたり、幅広い人脈をお持ちだったりします。このような元気な高齢者に、本人のためにも、社会のためにも働いていただくことが、高齢化社会を乗り切るためのヒントになると思います。


それでは、「高年齢化・定年退職」にはどのような「iPS能力」が有効なのでしょうか。


 ここでは、豊富な経験からつい口先だけになってしまうことがないよう「実行力(目的を設定して確実に行動する力)」、自分の考えを持ちながらも若手などの考えにも合わせられる「柔軟性(意見の違いや立場の違いを理解する力)」、自分流や元所属組織流のやり方に固執せず新しい職場のルールを守る「規律性(社会のルールや約束を守る力)」などではないでしょうか。これらの能力を備えた高年齢者が街や職場に溢れたら、明るい高齢化社会を迎えられそうな予感がします。(文責:古木)


 

2014年12月01日

iPS能力⑤「家庭問題」(社会人基礎力)

最近は個人の権利意識が高まるとともに、残念ながら家庭内の不和も増えてきています。 具体的な出来事としては、離婚(家庭内離婚を含む)、親子関係(児童虐待・育児放棄など)、遺産相続(争族?)などがあります。統計により異なりますが、厚生労働省「人口動態統計」をもとにしたデータでは「4組に1組が離婚」と比較的高い数字が出ています。統計によっては、「3組に1組が離婚」という結果で出ている場合もあります。また、最近は離婚をテーマにしたテレビドラマもでてきていることが気になります。

 以前アメリカ滞在中に「2組に1組が離婚」と知り驚いたところ、アメリカ人講師から「日本は家庭内離婚が多いのでは」と言われたことあります。当時は「そんなことはない」と信じていましたが、最近の傾向を見ると、日本特有な問題の根の深さを痛感させられます。

 一方、日本の児童虐待相談件数は、統計開始の1990年の1,101件から66,701件に増加しています。子どもをうまく育てられないケースが増えているのではないでしょうか。海外に身を置いてみて日本の教育は素晴らしいと強く感じたのですが、課題のひとつは、「子どもの育て方」を学校のどの段階でも教えていないことだと思います。核家族化が進み、以前のようにおじいちゃんやおばあちゃん(両親の親)から身近に教わることも困難になってきています。「子どもの育て方」は自然に身につくものではなく、しっかりと教えるべきものだと思います。

 それでは、「円満な家庭環境」にはどのような「ips能力」が有効なのでしょうか。

 家族も一つのチームです、「チームで働く力」が大切になってくると思います。自らが発信力(自分の意見をわかりやすく伝える力)、傾聴力(相手の意見を丁寧に聴く力)、多様性を受け容れる「柔軟性(意見の違いや立場の違いを理解する力)」、ストレスコントロール力(ストレスを成長の機会だと捉えて対応する力)などではないでしょうか。 また、子どもを育てるためには、自身の「社会人基礎力」だけではなく、もう一段階上のそれを「育成するスキル」も求められてくることでしょう。(文責:古木)


 

2015年02月01日

iPS能力⑥「ニート・フリーター」(社会人基礎力)

バブル崩壊後の就職が困難であった時期1993年~2005年を就職氷河期と呼ばれています。 生まれた年や卒業した年次により、就職の難易度に大きな差が生じるというなんとも不公平な現象です。そのあおりを受けて「正社員として新たなスタートを切る」という夢を実現できなかった方も多くおられるのではないでしょうか。

 最近、景気は持ち直しつつあります。また、少子高齢化の影響を受け、生産年齢人口の減少が懸念されています。一部の企業では、非正規社員から正社員へ登用する動きも出てきました。今こそ、再チャレンジのチャンス到来です。安倍首相も「再チャレンジ」を唱えながらも突然に退陣しました。しかし、自らの言葉通り「再チャレンジ」して、以前以上に精力的に取り組んでいます。

 以前にハローワークや大学のキャリアセンターにて、就職支援カウンセリングをしていた時期がありました。その時、ある方が「私はコンビニのアルバイトしかしておらず、特に自己アピールすることがありません」と相談にきました。「コンビニのアルバイトだからアピールすることがない」、本当でしょうか。コンビニで働くということは、今どんな商品が売れているか、あすの天気予報と仕入れ商品の関連は、季節ごとの売れ筋は、時間帯と来店客年齢層の関連は、他コンビニとの比較・差別化は、本部によるフランチャイズ運営は、など、マーケティング、組織運営のノウハウの宝庫です。本人さえその気になれば、アピールできるポイントは十分にあります。そんな方を企業も採用したいと思います。

 それでは、「ニート・フリーター」にはどのような「ips能力」が有効なのでしょうか。

 まずは、すべての拠り所となる主体性(物事に進んで取り組む力)、どんな困難をも克服して目標を達成する「実行力(目的を設定して確実に行動する力)」、自分に与えられた役割をしっかりと認識したうえで果たす「情況把握力(自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力)」、これから迎えるであろうストレスに対する「ストレスコントロール力(成長の機会だとポジティブに捉えて対応する力)」などではないでしょうか。

 今年の春は「社会人基礎力」を高めて、「リベンジ転職」に挑戦しましょう。
 


 以上、6回にわたって社会人基礎力の汎用性を見てきました。「高い増殖能力」「高い分化能力」から、まさに「iPS能力」と呼ぶにふさわしい能力だと思います。ぜひ、いろいろな場面でご活用ください。(文責:古木)


 

2015年03月01日

「社基塾」ブログ編・講座編サイトを開設(社会人基礎力)

このたび、「社会人基礎力」の普及・促進を目指し、「社基塾」ブログ編および講座編サイトを開設いたしました。 「社基塾」という名前は、「社会人基礎力」を普及・促進させるための「塾」として命名いたしました。

 ブログでは幅広く、若手(就職活動生・内定者・新入社員・若手社員など)、中堅(係長、主任、チームリーダーなど)、再就職活動者、正社員を目指すフリーター、輝く女性、起業家など、幅広く想定しています。原則的には、毎週月曜日に「社会人基礎力」関連情報を投稿して参ります。

  一方「講座編」では、部下/後輩・チームメンバーなどを育成する役割が求められている管理職/リーダーなどを想定しています。 2015年度上期での講座開始を目指して、準備を進めて参ります。

 ■ブログ編:http://ameblo.jp/careert/theme-10088373412.html

 ■講座編:http://shakijuku.main.jp/

 ぜひ一度、お立ち寄りください。お待ち申し上げております。


 

2015年03月09日

すべては、ここから始まった…。(「中間とりまとめ」)

 これから何回かに分けて、平成18年1月20日に経済産業省が発表した「社会人基礎力に関する研究会 中間取りまとめ」を再確認していきたいと思います。


  まだまだ認知度は低い「社会人基礎力」ですが、もとをたどると平成18年1月20日に発表された「社会人基礎力に関する研究会 中間とりまとめ」に行き着きます。座長は、法政大学院教授 諏訪康雄氏です。委員には官庁だけではなく、日立製作所、リンクアンドモチベーション、ソニー、トヨタ自動車など、民間の代表者・人事担当部長も含めて構成されていました。

 

 諏訪教授は、まさに「ミスター社会人基礎力」と呼ぶにふさわしい活躍でした。「中間取りまとめ」の冒頭「はじめに」も執筆されています。  その中で教授が指摘されているポイントを取り上げてみたいと思います。

※「 」は引用、→は塾長意見・感想です。

 

①「職場や地域社会で活躍するために必要な能力は、今まで大人になる課程で『自然に』身につくものと考えられており・・・こうした能力を身につける仕組みのはたらきが相対的に低下してきているように感じられる。」

  →核家族化、価値観の多様化などが進むことにより、確かに生きていく上で必要な力が弱まっているように感じられないでしょうか。


②「人が40歳代、50歳代となっても、それぞれの年齢や仕事の内容に応じて必要となる能力であろう。」

 →「基礎力」は若い世代にだけ必要なわけではなく、逆に成長していくにしたがって強固な基盤の必要性は高まってきます。

 

③「こうした能力に明確な定義を与え、意識的な育成対象としてとらえることは大きな意味があると考えられる。」

 →確かに言葉の定義が明確になることによって、考え・育成・意見交換などが進んでいくことがあります。

 

④「人々がいきいきと活躍できる社会を創っていく上で一つの「鍵」となるのではないかと考える。」

 →まさに、若者、中高年、女性、起業家、グローバル人材などが、いきいきと活躍できる社会を実現するための「鍵」だと思います。(文責:古木)


 

2015年03月12日

「職場で活躍する上で必要となる能力」とは?(「中間とりまとめ」)

 「社会人基礎力」のバイブル的存在である「中間取りまとめ」では、前回取り上げた「はじめに」に続いて「Ⅰ.職場や地域社会で求められる能力」について書かれています。今回と次回は、この章についてみていきたいと思います。

 

 さて、最近のビジネス環境の変化について、「早いなあ」「ついていくのに精一杯だ」と感じませんか?  私も講師として、昨年も北海道の網走から九州の長崎まで、いろいろな業界のいろいろな階層(管理職から新人・内定者まで)の研修に登壇する機会に恵まれました。そこで感じたことは、どこも大きな変化に直面していること、どこも大きな変化に対応することに苦労していることです。

 ようやく苦労して必要な能力を身につけたと思っても、また次から次へと新たな必要な能力が現れます。そんな時こそ、一度身につければ「一生もの能力」、たとえ異動しても「どこへでも持ち運べる能力」を身につけたいと思いませんか?

 

 

 この章では、そんな「コア」となる能力が示されています。

 

 まずは、「①基礎学力」です。 これは、読み、書き、算数、基本ITスキルなど、学生時代に身につける能力です。最近は国語や歴史の教科書が売れているそうですが、社会人になってからこの「基礎学力」の必要性・面白さに目覚めた方が増えているようです。

 

 次は、「②専門知識」です。 これは、担当業務に必要な知識や資格に関する能力です。担当業務や技術革新などにより、常に新しい知識・能力を習得していく必要があることが特徴です。

 

 そして、「③社会人基礎力」です。 これは、コミュニケーション、実行力、積極性などであり、「基礎学力」と「専門知識」を結びつけ効果的に発揮させるために必須な能力となります。今回のメインテーマとなる能力です。

 

 最後に、「④人間性、基本的な生活環境」です。 これは、思いやり、公共心、基礎的なマナー、身の周りのことを自分でしっかりとやるなど、すべての基本・前提となる能力です。「人間力」などとも言えると思いますが、これは決して「生まれ持ったものもの幼少期の育成環境によるもので変えられない」ということはありません。時間はかかりますが、「習慣」により変えることができる能力です。

 

 1,000回以上の研修に登壇してみても、「中間取りまとめ」の中で示されている「求められる能力」は、まったく同感です。基本的に必要な能力はこれで十分なのです。 強いてつけ足すとすれば、「⑤実務経験」でしょうか。


【イメージ図】

《基礎学力》 ⇔ 《社会人基礎力》 ⇔ 《専門知識・実務経験》

         ↑            ↑

       《人間性、基本的な生活環境》

 

 能力開発・人材育成と言われますが、基本は、これらの能力を「体系的」に身につけていくことだと思います。

 

■自分はどこが強く、どこが弱いのか。

■強い所をどのような方法で、より強化していくのか。

■弱い所をどのような方法で、克服・強化していくのか。 などがポイントになります。

 

 次回はグローバルな視点から、米国や英国での「必要となる能力」についてみていきたいと思います。 (文責:古木)


 

2015年03月18日

基礎力、先進国はどう対応?(「中間とりまとめ」)

 今日は前回に引き続き、「中間とりまとめ」の「Ⅰ.職場や地域社会で求められる能力」についてみていきたいと思います。

 

 約20年前、私は金融業界から人材育成業界へと移りました。そのきっかけのひとつに、半年間の米国研修があります。米国のビジネス最前線を訪問し、いろいろなお話を伺うという機会に恵まれました。

 

 ある日、ヒューマン・リソース部門、日本でいう人事部門を訪れた時のことでした。担当者から人材育成方法、評価制度、コーチングなどについて説明を受け、大きなショックを受けました。「ここまで進んでいるのか!」「日本はだいぶ遅れている!」と痛感し、頭をガツンと殴られたような衝撃は今だに忘れることができません。

 

 さて、そんな人材育成の先進国では、「基礎力」について、どう取り組んでいるのでしょうか。

「中間とりまとめ」の中では、「社会人基礎力を重要視する傾向は、近年、先進国において相当程度共通するものとなってきている。」として、米国の事例を紹介しています。

 

【米国】

 「21世紀スキルパートナーシップ」 21世紀の職場で求められるスキルとして、以下の能力の育成に取り組む動きが展開されている。

 

①Information and communication skills    :情報・メディアリテラシー、コミュニケーション力  

②Thinking and Ploblem-solving skills     :分析力、問題発見・解決力、創造力

③Information and self-directional skills    :協働力、自己規律力、責任感・協調性、社会的責任

 

 いかがでしょうか、「社会人基礎力」と共通点が多くありませんか。 21世紀は、世界的に「基礎力」が見直される時代になりそうな予感がします。

 

 先日、日本経済新聞にJリーグチェアマンの村井満氏のこんな話が紹介されていました。 「現役生活を長く続けられる選手と、早々と終える選手の差は何だろう。各クラブの育成組織の指導者の考えを集めたところ、心技体にはさほど差がなく、成否を分けているのは選手の人間力だという。観察力、思考力、判断力、伝達力、統率力、実践力を総合した力が成功へのカギになるのだと私も感じている」

 

 私自身の経験でも、このようなことがありました。ある銀行の行員研修に登壇した時のことです。研修の合間に人事担当役員の方と意見交換する機会がありました。その時に「支店長になれる人となれない人がいます。何が違うと思いますか」と聞かれました。 私は「強い営業力や豊富な金融知識でしょうか」とお応えしたのですが、残念ながら不正解でした。そのカギは「コミュニケーション力」だと、その方は自信を持っておっしゃいました。

 「成功のカギ」は、やはり基礎・基本なのですね。

 

 次回は、いよいよ「Ⅱ.社会人基礎力の内容」に入っていきたいと思います。「3つの能力」「12の能力要素」の登場です。 (文責:古木)


 

2015年03月30日

いよいよ「社会人基礎力」の内容です。(「中間とりまとめ」)

 さて今回は、「中間取りまとめ」の「Ⅱ.社会人基礎力の内容」についてみていきたいと思います。

 

  この章が当資料の中で、一番のポイントとなります。ご自身の「社会人基礎力」強化のためにも、部下/後輩/チームメンバーの「社会人基礎力」育成のためにも、しっかりとおさえておいてください。

 

 とかく「これも必要だ」「あれも必要だ」と、いろいろな能力を身につけようと手を出しがちになります。それを「これだけやればいい」と、スッキリと整理したところが当資料のすばらしいところだと思います。必要な能力を、「自分」「課題」「人」の視点からみごとに整理しています。

 

 第一が「前に踏み出す力」で、「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」と定義されています。最近は、「指示さえすればキッチリこなすけど、指示をださないと何をやってよいかわからない」(リーダー談)、「指示してください、指示通りやりますから」(若手談)、などという「指示待ち人間」に求められる能力です。

 

 第二が「考え抜く力」で、「疑問を持ち、考え抜く力」と定義されています。「マニュアル通りにしっかりこなすけど、なぜそうしているのかについては考えようとしない」という「マニュアル人間」は、あなたのまわりにいませんか。原因は、この能力が不足しているからです。

 

 第三が「チームで働く力」で、「多様な人とともに、目標に向けて協力する力」と定義されています。「個人としては力があるけど、みんなと協力して取り組むことが苦手」という「一匹オオカミ」的な人です。私も、「力がありながらまわりとうまくやれず、もったいないなあ」という人を多くみてきました。組織がもっとも強く求めているという「コミュニケーション力」も、まさにこの能力です。

 

 私も1,000回以上研修に登壇してきましたが、基本はまさにこの「3つの能力」だと思います。あれもこれもと手を出さなくても、これさえしっかり習得しておけば絶対OKです。逆に、これが習得できていないと、いくら専門知識を身につけてもいつか伸び悩みます。

 

 今回はここまでとして、次回は「前に踏み出す力」を構成する3つの能力要素「主体性」「働きかけ力」「実行力」について、みていきたいと思います。 (文責:古木)


 

2015年04月06日

身につけるべき究極の「12の能力要素」とは?(「中間とりまとめ」)

 さて今回は、引き続き「中間取りまとめ」の「Ⅱ.社会人基礎力の内容」についてみていきたいと思います。

 

 前回は、社会人基礎力を構成する「3つの能力」として「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」をご紹介しました。覚えていらっしゃいますでしょうか。

 

 さて、確かにこの「3つの能力」は大切なのですが、「では、これらを強化していきましょう!」と言われても、何から着手すればよいのか戸惑われるのではないでしょうか。

 

 それもそのはず、これらは身につけるべき能力であって、言うなれば「目指す目標」なのです。必要なものは、この目標を「達成するための手段」ということになるのです。この手段にあたるものが、「中間とりまとめ」の中では、「12の能力要素」として示されているのです。

 

 3つの能力ごとに、それを身につけるために必要な能力要素について、みていきましょう。

 

 まず第1の能力「前に踏み出す力」を構成する能力要素は、「主体性」「働きかけ力」「実行力」の3つの能力要素です。この3つの能力要素を強化することによって、結果として「前に踏み出す力」を強化することができるという仕組みです。

 

 同じように見ていきますと、第2の能力「考え抜く力」を構成する要素は、「課題発見力」「計画力」「創造力」の3つの能力要素です。解決すべき課題がないという職場はないはずです。そんな職場に潜む課題を解決して、「組織から必要とされる人材」「部下・後輩から信頼される人材」になるために身につけるべき能力要素です。

 

 最後に、第3の能力「チームで働く力」を構成する能力要素ですが、これだけは数が多く、6つの能力要素から構成されています。「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」となっています。

 

 最近の若者はメールや携帯を使いこなし、コミュニケーション力が高いという声も聞きます。本当にそうでしょうか。私が受講生から受ける印象は、確かに同期同士では仲がいいのですが、先輩や上司とのコミュニケーションは苦手とされている方が多いようです。若手からは「ジェネレーション・ギャップ」などという言葉もよく聞かれます。そんな幅広い世代、いろいろな価値観の方々がいる職場だからこそ、「職場コミニケーション」「風通しのよい職場づくり」を実現するために必要な能力要素が重視されてくるのではないでしょうか。

 

 全体像を把握するためには、下記経済産業省のサイトを参考にすることをお勧めします。

 

【経済産業省 「社会人基礎力」とは】

 http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/kisoryoku_image.pdf

 

 この「3つの能力」「12の能力要素」が、まさに「何も足さない、何も引かない」社会人に必要な基礎力の「真髄」なのです。私も年間200回近くの研修に登壇していますが、そのほとんどはこの「12の能力要素」の組み合わせなのです。

 

 ひと通り「中間とりまとめ」についての解説を終えたあとは、各能力要素を育成・強化するためのコツもご紹介していきたいと思います。 (文責:古木)


 

2015年04月13日

「社会人基礎力」組織や若者にこんなメリットが!(「中間とりまとめ」)

 さて、今回は「3つの能力」「12の能力要素」を提示した「社会人基礎力の具体的な内容」に続く「社会人基礎力により実現されるメリット」について、みていきたいと思います。

 

 「中間とりまとめ」では、若者本人および企業などにとってのメリットについて、次のように触れています。

 

 まずは若者にとってのメリットですが、「各成長段階において意識しながら身につけることが可能となる」としています。「無意識」という言葉がありますが、「有意識」という言葉がもっと注目されていいと思います。意識して初めて、自分は十分身につけているのか、まだ足りないのか、どうすれば身につけられるのかなどという意識へとつながっていきます。「12の能力要素」を明確化し、必要な能力要素を意識させた功績はたたいへん大きいと思います。

 

 また企業にとってのメリットですが、こちらは「採用」「人材育成」「定着」「長期的な視野」「競争力を高めること」「個人と組織がwin-winの関係」「優秀な人材が集まっていきいきと働く」などと紹介されています。

 

 私自身、良い人材を採用するための研修、職場訓練であるOJT研修、評価者に対する適正な評価のための研修などにも登壇させていただいています。しかし、それぞれの基準は、必ずしも一貫しているとは言えません。そのような中で、もし「3つの能力」「12の能力要素」として共通な基準が明確化されたならば、社会全体として一貫性を保つことができ、「共通言語」としての役割は絶大なものになることでしょう。

 

 今まで、採用基準に悩む採用担当者、何を目指して準備を進めるべきか悩む就職活動生、何を育成・指導すべきか悩む育成担当者、何を評価していけばよいか悩む評価者・人事担当などに対して、たいへん明確な方向性を示したといえると思います。(文責:古木)


 

2015年04月23日

「社会人基礎力」を土台とした「つながり」その1(「中間とりまとめ」)

 さて、今回は「中間とりまとめ」のⅢ章「社会人基礎力を土台としたつながり」について見ていき、現場に立つ者として感想を述べてみたいと思います。

 

 ここでは、ふたつの「つながり」について述べられています。

 

 ひとつめは、「企業」と「若者」のつながりです。 企業は「優秀な人材を採用したい」と言いながら、どのような能力を持った若者を採用したいのか、明確にはなっていません。少なくとも、若者には伝わっていません。(経済産業省による新卒採用調査にて「採用基準が明確ではない(学生)」が61% )

 

 私自身、採用担当者を対象とした研修でも「いかに優秀な人材を見抜くか」により関心が寄せられているように感じられます。何を持って「優秀」とするかを明確にし、若者に伝える必要があると思うのですが・・・。

 

 一方、若者も「自分の強み」を明確に伝えきれていないように感じられます。就職活動のノウハウ本を参考にした「エントリーシートの書き方」「面接の受け方」に関心が寄せられているように感じられます。自分の強みは何で、どのような場面でそれを発揮し、どんな成果を得たかがポイントになると思うのですが・・・。

 

 この両者の「つながり」の役割を果たすのが「社会人基礎力」というわけです。

 

 企業は「求める人材像」を「3つの能力」「12の能力要素」にそって明確化します。(経済産業省による若手社員に求められている能力調査では「主体性」「実行力」「創造力」「発信力」重視)また、若者も「自分の強み」を各能力・能力要素にそって明確化します。そうすることによって「多様な人材の確保」や「採用のミスマッチの防止」にもつながると考えられます。

 

 もうひとつは、個人に焦点を当てた「就職・採用段階」から「入社後の段階」への「つながり」となっていますが、こちらは次回にご紹介していきたいと思います。 (文責:古木)


 

2015年04月27日

「社会人基礎力」を土台とした「つながり」その2(「中間とりまとめ」)

 さて、今回は前回に引き続き「つながり」についてみていきたいと思います。前回は「企業」と「若者」のつながりでしたが、今回は「採用」「育成」「評価」のつながりについてです。

 

 4月は新入社員研修、新任管理職研修、新年度の評価に向けた目標管理研修など、季節柄のテーマが増える時期です。

 

 これらの研修に登壇してみて感じることなのですが、採用→育成→評価のつながりがない、または足りないということです。これは、採用は採用担当、育成は人材教育担当、評価は人事担当など、部門または担当者が分かれていることも原因のひとつだと思います。せっかく一つひとつの研修はしっかりしているわけですから、これらに「つながり」を持たせて「一貫した人材育成」に取組むことができたら、効率的であり、効果的なのにと残念に感じられます。

 「社会人基礎力」がその「つながり」を実現する役割を果たしてくれるわけです。

 

 逆算的ですが、まずは12の能力要素のうち、評価対象とする能力・基準を選定します。「中間とりまとめ」に提示されている各能力要素の内容だけではなく、能力要素ごとの着眼点なども定めると明確になると思います。

 

 続いて、各能力要素を育成する仕組みを作ります。ここでは「いつまでに、何ができるようになって欲しい」をふまえ、育成対象とする能力を強化するための育成計画を書面化していきます。

 

 これらの評価能力要素、育成能力要素をふまえ、それらを発揮してくれる可能性を秘めている応募者を選定・採用していくわけです。

 

 採用する側・される側の両者にとってわかりやすいですし、一貫していますので無駄な作業がなく効率的です。採用後にスムーズに育成につなげられるでしょうし、その結果がそのまま評価につながっていくわけです。離職率も下がり定着率の向上が期待できると思います。

 

 このように「採用」「育成」「評価」に一貫した「つながり」をもたせる上で、「社会人基礎力」「12の能力要素」が効果的であると「中間とりまとめ」に述べられています。私も実務経験を通して「まさにその通り」と思います。(文責:古木)


 

2015年05月04日

産業界/企業、若者に求められる取組、それは・・・?(「中間とりまとめ」)

 いよいよ「中間とりまとめ」も、最終章「Ⅳ.どのような取組が求められるか?」に入ってきました。この章については、2回に分けてご報告したいと思います。

 

 まず今回は、「気付き」についてです。 「中間取りまとめ」にて、関係者が留意すべきこととして3点あげられています。中でも特に重要視したいのは、次の点です。

 “社会人基礎力を個人の能力特徴や適性への「気付き」を通じた「成長」につなげること”

 

 そうなんです。スタートは、自分が12の能力要素のうち、どの能力要素は高く、どの能力要素は低いのか、自分自身の特徴や適性への「気付き」からスタートします。多分みなさんも「課題発見力」「発信力」は得意だけど、「創造力」「ストレスコントロール力」は苦手!なんていう方もおられると思います。続いて、その能力要素をどのレベルまで高めたいかという目標を定め、それに向けた「成長」へとつなげていくわけですね。まさに「勝利の方程式」です。

 「中間取りまとめ」の中でも、関連事項として、次のような記述が見受けられます。

 

“各能力の成長段階を示す具体的なイメージの設定を行い、社員一人ひとりに示すことによって、社員による「気付き」の促進や効果的な人材育成が可能となると考えられる”

 

“自分の能力や適性の強みや弱みを分析し、それを踏まえた能力向上と自分の強みのアピールを行っていくことが望まれる” “社会人基礎力は人生の活動における各段階において、継続的に自己評価を行うことが望まれる”

 

“若者自らが「気付く」機会が必要であり、社会人基礎力の成長に関する評価を行う手法の開発・普及が求められる”

 

 リーダー自身や育成すべき対象者の能力特徴や適性の「現状」と「目標レベル」が明確化され、共有できたら、なんと素晴らしいことでしょう。これが、育成リーダーと育成対象者とのコミュニケーション相互の信頼関係構築、いざという時のリーダーシップ発揮へとつながっていくんですね。

 

 このゴールデンウィー中、12の能力要素をそれぞれ3つの着眼点から5段階に評価する基準表を作成しています。まとまりましたら、公開していきたいと思います。(文責:古木)


 

2015年05月11日

「社会人基礎力」は「iPS能力」!(「中間とりまとめ」)

 さて今回は、いよいよ「中間とりまとめ」の最終回です。 前回に引き続き「Ⅳ.どのような取組が求められるか?」についてみていきたいと思います。

 

 前回は「産業界・企業」「若者」の取組でしたが、それ以外にも次のような取組について述べられています。

 

①大学における取組

・社会人基礎力については、大学生の67%、大学就職部の86%が「大学時代に積極的に学ぶべき」と考えている。

・正課の授業を実施する際に、その授業がどのような社会人基礎力の向上につながるかを明示することも一案と考えられる。

・インターンシップ、プロジェクト型授業などにおいて、社会人基礎力をベースとした「フィードバックシート」の活用などが重要である。

 

②小・中・高校における取組

・正課の授業やキャリア教育の中で、学ぶことや働くことの意義を見だし、そこでの「気付き」のプロセスの中で社会人基礎力を含めた能力を総合的に身に付けていくことが重要である。

 

③家庭で望まれる取組

・社会人基礎力の土台は、親子間での対話や兄弟・近隣との触れ合い等を通じても育成されるものである。

 

④地域社会で望まれる取組

・地方自治体は、地域の教育界、産業界等の関係者の連携を促進し、社会人基礎力の育成に向けて積極的な取組を進めていくことが期待される。 ・地域の産業界・労働界・教育界が連携し、学校の正課の授業やキャリア教育等の充実のために積極的に協力することにより、社会人基礎力に関する「気付き」や「体験」の場を提供していくことが重要である。

 

⑤政府に求められる取組

・社会人基礎力が「真の共通言語」となるためには、社会人基礎力に関する調査を実施し情報発信していくこと、調査結果を土台として議論を掘り下げるためのシンポジウムを開催すること等により、関係者のネットワークの構築を促進する取組が期待される。

 

 ここからもお分かりいただけるように「社会人基礎力」の活用範囲はたいへんに広く、波及効果も大きいことがおわかりいただけると思います。 “すべての基本は「社会人基礎力」(12の能力要素)からなる”といってもよいくらいだと思います。

 

 もう少し具体的かつ身近な事例で考えてみましょう。 最近注目されているテーマと「社会人基礎力」の可能性を対比してみました。

 

①「ゆとり世代」の育成

 →「指示待ち人間」への「前に踏み出す力」強化

 →「マニュアル人間」への「考え抜く力」強化  →「一匹オオカミ」への「チームで働く力」強化

 

②高い「離職率」

 →共通言語としての「社会人基礎力」による求職する側と採用する側のマッチング

 →求職する側の自己評価と採用する側が求める能力要素のマッチング  

 

③「メンタル不調者」の増加

 →「主体性」による自立、「柔軟性」による職場人間関係への対応、「ストレスコントロール力」によるポジティブな捉え方 

 

④「起業家」支援

 →起業家に必須な「前に踏み出す力」強化、12の能力要素のバランス、新規採用者に対する育成   

 

⑤「輝く女性」

 →「考え抜く力」による論理的思考力の強化

 

⑥進む「晩婚化」・高い離「婚率」

 →「チームで働く力」によるコミュニケーション力の強化

 

⑦定年を迎えた「団塊世代」

 →「前に踏み出す力」による元気な高齢者、「チームで働く力」による地域活動への参加

 

⑧「地方創生」「消滅可能性都市」

 →「考え抜く力」による政策形成、「前に踏み出す力」による政策執行、「チームで働く力」による住民との協働

 

 さて、ノーベル賞を受けられた山中教授は「iPS細胞」の特徴について「高い増殖能力」と「高い分化能力」だと著書の中で示されています。どのような課題にも基本的な部分で役立ち、その能力を発揮するほど増殖・分化し強化されていくという意味では「社会人基礎力」は「iPS能力」と言えるのではないでしょうか。

 

 以上、社会人基礎力に関する研究会「中間取りまとめ」を見てまいりました。 今後「最終取りまとめ」が出されるかはわかりませんが、もう待っていられません。この「中間取りまとめ」をもとに、自分自身の能力強化、部下・後輩の育成、直面している課題の解決へと活用していこうではありませんか。 (文責:古木)


 

2015年05月18日

育成のための「評価基準」~新たな挑戦~

 今回からは、社会人基礎力を育成するための「評価基準」について見ていきたいと思います。

 

 「評価基準」については、「中間取りまとめ」の中でもたいへん重要視していることが、数多くの言及、特に下記の記述からもよくわかります。

 

①「社会人基礎力を評価・人材育成の土台とすることにより、多様な人材がそれぞれの強みを発揮することを通じて社内の総合的な人材力の向上に大きな成果を期待できる」

 

②「社会人基礎力をベースとしたフィードバックシートの活用などが重要である」

 

③「社会人基礎力の成長に関する評価を行う手法の開発・普及が求められる」

 

 

 私は「評価制度」をテーマとした研修にも数多く登壇しており、ちょうど先週2回登壇し、再来週も2回登壇する予定です。これらの経験と「社会人基礎力」に対する理解にもとづき、12の能力要素の 「評価基準」に挑戦していきたいと思います。

 

「評価基準」を明確化する効果としては、

 

①組織/上司から「求められている能力・姿勢」を明確化すること

 

②現在「発揮できている能力・姿勢」を、自己評価および上司評価により明確化すること

 

「自己評価<上司評価」の場合は自信を持ち「自己評価>上司評価」の場合は正しいフィードバックを受けること

 

④今後の各能力要素の「目標レベル」を明確化すること

 

⑤各能力要素を目標レベルまで到達するための「育成計画」を策定すること

 

 などと、計り知れない効果があると思います。 また、この「評価基準」を明確化することなしには「社会人基礎力」の普及・促進は望めないと思います。

 

 ここで、評価制度の意義について誤解がないように確認しておきたいことがあります。それは、評価制度が「過去の評価」のためではなく「今後の育成」のためであるということです。「人が人を評価するなんて反対!」という考えもあるかも知れませんが、これは誤って運用されている場合です。

 

 「評価基準」は、組織が必要としている能力・姿勢を明確化し、果たして自分がそれを十分に発揮しているかについて自己および上司の視点から確認し、今後目指すレベルとそれを達成する手段について話し合う強力な「育成ツール」なのです。

 

 今後の具体的な進め方としては、次のように予定しております。

 

①12の能力要素について、3つずつの着眼点を明確化していきます

 

②着眼点ごとの評価基準(5段階)を設定します。

 

 新たな挑戦ですので、どのような展開になるか私にもわかりません。 しかし、若手の育成に関心がある方には、お役に立てるのではないかと思います。どうぞご期待ください。 (文責:古木)


 

2015年05月25日

育成のための「評価基準」~主体性編~

 前回までは「中間取りまとめ」についてみてきましたが、今回からは、いよいよ「評価基準」について、みていきたいと思います。

 

【構成】

 「評価基準」は、①内容 ②例 ③着眼点 ④基準 から構成されています。このうち「①内容」および「②例」は「中間取りまとめ」からの引用です。「③着眼点」および「④基準」は「中間とりまとめ」に準拠しながら弊社が豊富な経験から独自に紡ぎ出したものです。

 

 では、まずは3つの能力のうち「前に踏み出す力」から、「主体性の評価基準」についてみていきましょう。

 

「主体性」(12の能力要素から)

 

【内容】

物事に進んで取組む力

 

【例】

指示を待つのではなく、自らやることを見つけて積極的に取組む。

 

【着眼点】

①自発性自らの考えにもとづいて、率先して行動している。単に指摘するだけの評論家的な姿勢ではなく、かといって自分本位や軽率な行動でもない。

 

②将来構想10年後の自分(人生の6分野:仕事・教養・財産・健康・趣味・人間関係)を明確にイメージし、その実現に向けて今実行すべきことに取り組んでいる。

 

③自己理解 : 自分の「強み」「把握」し、それを今の仕事を通して「発揮」し、自分の武器として常に「強化」するとともに、まわりと「共有」している。また自分の「弱み」「把握」し、それを潔く「受容」し、具体的な対策により「克服」するとともに、まわりと「共有」している。

 

【基準】(各着眼点共通)

<5ポイント>

その行動・傾向を自他とも認めており、他メンバーの模範となっている。必要な場合には、他メンバーに対して指導・教育している。

 

<4ポイント>

常にこのような行動・傾向がみられる。特に意識しなくても、自然に行動する姿勢が身についている。

 

<3ポイント>

このような行動・傾向を心がけているが、レベルは平均的。自らそれを高めようという意欲・姿勢は見られない。

 

<2ポイント>

他メンバーによる指導・教育がないと、このような行動・意識は特には見られない。

 

<1ポイント>

他メンバーによる指導・教育をもってしても、このような行動・傾向はほとんど見られない。今後の改善見通しは、まだ立たない。

 

 さあ、あなたの各着眼点のポイントは、何ポイントでしたか。 あなたが育成すべき対象者に対しては、何ポイントと評価しましたか。 主体性に対する3つの着眼点の合計ポイントは何ポイントでしたか。

 

 基準が厳しいと感じる方もおられると思います。

しかし、「社会人基礎力」は「専門知識」「実務経験」の基礎となるたいへん重要な能力です。また「評価基準」というものは、それを目標として高めるための育成へとつなげていくものです。甘くするわけにはいきません。

 

 

【活用ストーリー】

育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者A君との面談にのぞんでいました。 A君の自己評価をきいてみると、次の通りでした。

①自発性  : 3ポイント

②将来構想 : 3ポイント

③自己理解 : 4ポイント

 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

①自発性  : 4ポイント

②将来構想 : 3ポイント

③自己理解 : 3ポイント

 

 ここで、自発性は育成対象者A君による自己評価のほうが低く、自己理解は自己評価のほうが高いということがわかりました。

 

 そこで、社基 力(やしろもと つとむ)リーダーはA君に対して、「自発性」については「問題ないからもっと自信を持って」とアドバイスしました。

逆に「自己理解」については、「自分の強みと弱みをある程度は理解しているけど、その活用が十分ではないように感じられるよ。こうしたら、どうだろう。強みと弱みをそれぞれ3つずつ洗い出してみる。そして、強みについては、いかに今の仕事で発揮するか、そして自分の武器となるようにいかに強化するか、一緒に考えてみないか。弱みについても、まずはそれを潔く受け容れて、どう克服していくかについて一緒に考えてみよう。」と提案しました。

「はい、やってみます!」A君の表情が明るくなり、モチベーションがあがってきたようでした。(文責:古木)

 


 

2015年06月01日 

育成のための「評価基準」~働きかけ力編~

 今回は「主体性」と同じく「前に踏み出す力」の中から「働きかけ力」についてみていきたいと思います。

「働きかけ力」(12の能力要素から)

 

【内容】

他人に働きかけ巻き込む力

 

【例】

「やろうじゃないか」と呼びかけ、目標に向かって周囲の人々を動かしていく力。

 

【着眼点】

①目標の共有  目指す目標・ゴールを具体的に「見える化」し、その実現に向けて「やろうじゃないか」とまわりに行動を促している

 

②論理的な働きかけ  相手の「規範意識」に対して規則・ルールにもとづき「~すべき」「~してはいけない」と、また「利害感覚」に対して「~した方が得」「~すると損」と、論理的に働きかけている。

 

③情緒的な働きかけ  相手の「感情」に対して、自分の言葉(自らの経験・相手の関心事に絡めて)で、熱く(真剣な表情・相手の目を見る視線・声のトーン)働きかけている。

 

 

  さあ、あなたの各着眼点のポイントは、何ポイントでしたか。 あなたが育成すべき対象者に対しては、何ポイントと評価しましたか。 「働きかけ力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何ポイントでしたか。

 

 

 

【活用ストーリー】

育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、 育成対象者Bさんとの面談にのぞんでいました。 Bさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

①目標の共有     : 2ポイント  

②論理的な働きかけ : 2ポイント

③情緒的な働きかけ : 2ポイント

 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

①目標の共有    : 3ポイント

②論理的な働きかけ : 3ポイント

③情緒的な働きかけ : 3ポイント

 

社基リーダー「だいぶ厳しく自己評価したみたいだね。」

Bさん「ええ、私は自分で何かするのは得意なんですが、だれかに“働きかける”というのが以前から苦手なんです。」

 

社基リーダー「女性には、そう感じている方が多いみたいだね。でも、働きかける力というのは、カリスマ性とか声が大きいということじゃないんだよ。生まれ持った資質ではなく、習得可能なスキルなんだということを覚えておいて欲しいな。」

Bさん「え!そうなんですか?私は、生まれ持った資質だと諦めていました。じゃあ、どうすれば身につくんですか。」

 

社基リーダー「今回は、着眼点にそって自己評価してもらったでしょ。評価というのは、過去の評価ではなく、今後の育成のためにあるんだ。つまり、着眼点の中にヒントが隠されているってことなんだよ。」

Bさん「そうなんですね。ということは、働きかける相手に対して①一緒に目指す目標を具体的に示して、②なぜその目標を目指す必要があるのか、達成するとどんなメリット・デメリットがあるかということを論理的に説明して、③自分なりの想いをぶつければいいということですか。」

 

社基リーダー「その通り、私の“働きかけ”が利いたかな(笑)。そう考えれば、そんなに難しいことじゃないでしょ。」

Bさん「確かに、私にもできそうな気がしてきました。」

 

社基リーダー「さあ、これからどうしようか?」

Bさん「そうですね、今ちょうど他部門と交渉しているテーマがあるので、さっそく3つの着眼点にそって準備して、働きかけてみます。」

 

Bさんは、さっそく交渉に向けて準備に入りました。(文責:古木)


 

2015年06月15日 

育成のための「評価基準」~実行力編~

 さて、今回は「前に踏み出す力」の最後として、「実行力」についてみていきたいと思います。


「実行力」(12の能力要素から)

【内容】
目的を設定し、確実に行動する力

 

【例】
言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組む。

 

【着眼点】
①目標の設定
 いきなり行動に移すのではなく、前もって目標(ゴール)を決めている。目標は評価できるものとして、指標・目標値・期限、具体的な行動・期限、具体的な成果物・期限などを定めている。

②行動に移す
 失敗に対する十分な備えをしたうえで、失敗を恐れず、使命感を持って粘り強く取り組み、目標を達成されるまで諦めない。

③評価・改善
 常にPDCAを意識し、Plan(目標)Do(実行)した後には、必ずCheck(評価)Action(改善)を繰り返し行い、目標の達成に近づけている。


 さあ、あなたの各着眼点のポイントは、何ポイントでしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何ポイントと評価しましたか。
「実行力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何ポイントでしたか。

 

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Cさんとの面談にのぞんでいました。

Cさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①目標の設定   : 3ポイント
 ②行動に移す   : 4ポイント
 ③評価・改善   : 3ポイント

 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①目標の設定   : 3ポイント
 ②行動に移す   : 4ポイント
 ③評価・改善   : 3ポイント

 

 そうです、社基リーダーとCさんの自己評価は、一致しました。

 

社基リーダー
「私から見た評価も、Cさん自身による評価とまったく同じでしたよ。」
Cさん
「やっぱり、そうでしたか。自分でも行動に移すことは常に意識しているんですけど、なかなか成果が出なくて悩んでいました。自己評価してみて、その原因がわかったような気がします。」

 

社基リーダー
「それは、よかったね。どんなことがわかったのかな。」
Cさん
「ええ、私は成果を出すことを急ぐあまり、計画をおろそかにして、まず着手することを優先していました。まずはじっくりと計画を立て、目指す目標・ゴールを設定することが大切なんだということに気づきました。」

 

社基リーダー
「それは、いいことに気づいたね。着手前に計画や目標設定を設定した方が、寄り道や余分なことをしない分、最終的には早くゴールに到達できるんだよね。」
Cさん
「そうなんですね。それと、もうひとつ自分の課題に気づいてしまいました。今までは実行しっぱなしで、ふり返りをあまりしてきませんでした。これからは、実行した後の、評価と改善を大切にしていきたいと思います。」

 

社基リーダー
「そうなんだよね、そのためにも評価可能な目標が必要なんだね。ホウレンソウと並んでPDCAは仕事の基本なんて言われているけど、両方とも奥が深くて、実際には十分に機能していないケースが多いんだよね。」
Cさん
「もう一度、PDCAについて学び直してみます。やっぱり、何事にも基礎が大切なんですね。」

 

社基リーダー
「さあ、これからどんな実践へとつなげていこうか?」
Cさん
「はい、『目標の設定』と『評価・改善』という指標を、評価ポイント4という目標値に引き上げることを目標に設定したいと思います。期限は、次回評価までです。そのためには、自分なりの目標設定シートやPDCAシートなど作ってみるなど、改善に取組んでみようと思います!」

 

 Cさんは、さっそくPDCAを実践していく覚悟を決めたようでした。(文責:古木)


 

2015年06月29日 

育成のための「評価基準」~課題発見力編~

 今回からは、2つめの能力である「考え抜く力」について見ていきたいと思います。
 

 

「課題発見力」(12の能力要素から)

【内容】
現状を分析し目的や課題を明らかにする力

 

【例】
目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。

 

【着眼点】
①洗い出し
 多面的な視点(人:担当者・管理職、業務:分担・効率化、組織:職場環境・制度 など)から、職場に潜んでいる課題をもれなく洗い出している。

 

②現状分析
 課題を単に「問題あり」と指摘するのではなく、客観的テータや具体的事実にもとづいて課題の悪さ加減を明確にし、対策の必要性を訴えている。

 

③原因究明
 「なぜ?」を繰り返したり「特性要因図」を用いたりしながら、課題を引き起こしている「真の原因」を究明し、「原因を除去する対策」へとつなげている。

 


【基準】(各能力要素/各着眼点共通)

<5ポイント>
 その行動・傾向を自他とも認めており、他メンバーの模範となっている。必要な場合には、他メンバーに対して指導・教育している。

 

<4ポイント>
 常にこのような行動・傾向がみられる。特に意識しなくても、自然に行動する姿勢が身についている。

 

<3ポイント>
 このような行動・傾向を心がけているが、レベルは平均的。自らそれを高めようという意欲・姿勢は見られない。

 

<2ポイント>
 他メンバーによるサポートがないと、このような行動・意識は特には見られない。

 

<1ポイント>
 他メンバーによるサポートをもってしても、このような行動・傾向はほとんど見られない。今後の改善見通しは、まだ立たない。

 


 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何ポイントでしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何ポイントと評価しましたか。
「課題発見力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何ポイントでしたか。

 今回も基準が厳しいと感じる方もおられると思います。
しかし、「社会人基礎力」は「専門知識」や「実務経験」の基礎となるたいへん重要な能力です。また「評価基準」というものは、それを目標として高めるための育成へとつなげていくものです。甘くするわけにはいきません。高得点を目指した育成へとつなげていただきたいと思います。

 各着眼点における評価ポイントを高める実践的トレーニングは、
セミナー版「社基塾」にて実施していきます。どうぞご期待ください。
(育成・強化の方程式:インプット→アウトプット→自らの気づき→他メンバーからの気づき→行動宣言→習慣化)


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Dさんとの面談にのぞんでいました。

Dさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①洗い出し   : 4ポイント
 ②現状分析   : 3ポイント
 ③原因究明   : 3ポイント

 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①洗い出し   : 4ポイント
 ②現状分析   : 3ポイント
 ③原因究明   : 2ポイント

 


社基リーダー
「Dさんは与えられた仕事はしっかりとやり遂げて、たいへん助かっているよ。これからは、中堅社員として職場の課題解決にも取組んで欲しいなあ。」
Dさん
「そうですね、最近は仕事も増えてきましたが社員は増えるわけではありません。残業時間も減らせって言われてますし、改善が必要ですよね。ね。でも、今までは前例を踏襲するだけで、あまり改善をしてきませんでした。だから、正直言ってどのように進めればよいのか戸惑っているってのが本音なんです。」

 

社基リーダー
「それだったら、着眼点の中にヒントがあるんじゃないかなあ。評価っていうのは、過去の実績評価だけではなく、今後進むべき方向性を示しているんだったよね。」
Dさん
「私の場合、課題の洗い出しや現状分析はまあまあできていると思うんです。ただ、すぐに「だからどうする」って対策を考えてしまって、原因を究明することはあまりやったことがないんですよ。」

 

社基リーダー
「原因究明することは遠回りのように感じるかも知れないけど、有効な対策を検討するうえでは欠かせないステップで、かえって近道なんだってことに気づいて欲しいな。現状を分析し真の原因を究明して、初めて課題の本質を発見したって言えるんじゃないかなあ。」
Dさん
「じゃあどうすればいいんでしょうか、教えてください。」

 

社基リーダー
「ほら、さっき言ったように着眼点の中にヒントが隠されているんだよ。まずは、QCの7つ道具にも数えられていた特性要因図を作るスキルを身につけることだと思うよ。検索エンジンで特性要因図と入力して、画像検索してごらん。魚の骨のように形をした特性要因図のサンプルがたくさん表示されるから。特性要因図を作成するスキルを高めたかったら、まずは数多くの特性要因図を見ることが一番の近道だと思うよ。」
Dさん
「画像検索ですか、今まであまり使ってこなかったですね、アイドルの写真を見る時くらいしか・・・。さっそくやってみます!」


 Dさんは、職場の課題解決に向けた第一歩を踏み出すことができた喜びを実感していました。(文責:古木)


 

2015年07月06日 

育成のための「評価基準」~計画力編~

 さて、今回は2つ目の能力「考え抜く力」の中から「計画力」を取り上げていきたいと思います。


「計画力」(12の能力要素から)

 

【内容】(「中間とりまとめ」より)
課題の解決に向けた複数のプロセスを明らかにし準備する力

 

【例】(「中間とりまとめ」より)
課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものは何か」を検討し、それに向けた準備をする。


【着眼点】(「社基塾」オリジナル)
①プロセスの明確化
 発見した課題に対して優先順位づけし、現状分析、目標設定、原因究明、対策検討へと課題解決に向けた複数のプロセスを明確化している。 

 

②最善策の検討
 いきなり対策検討・即実行するのではなく、複数の対策を検討したうえで、客観的な基準にもとづき最善の対策を選定している。

 

③スケジュール管理
 対策を実行するうえで必要な作業項目、適性/スキルをふまえた担当者、所要時間/日数、最終期限などをもとにスケジュールを作成・共有している。

 


 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「計画力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

 

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Eさんとの面談にのぞんでいました。

Eさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①プロセスの明確化 : 3ポイント
 ②最善策の検討   : 3ポイント
 ③スケジュール管理 : 2ポイント

 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①プロセスの明確化 : 3ポイント
 ②最善策の検討   : 3ポイント
 ③スケジュール管理 : 2ポイント


社基リーダー
「残念ながら、計画力についてはEさんの評価も私の評価もあまり高くはなかったね。でも元気を出してくださいね、その分まだ伸び代が大きいということですからね。」
Eさん
「喜んでいかいいのか悲しむべきなのかよくわかりませんが、とりあえずありがとうございます。いつも計画通りにいかないのが悩みなんです。」

 

社基リーダー
「着眼点にもとづいて何ができていないのか、一緒に考えてみましょう。」
Eさん
「スケジュール管理のところの、必要な作業項目の洗い出しと所要時間の見積もりが原因じゃないかと思うんです。実際にやってみると後からいろいろな作業が出てきたり、想定していた以上に時間がかかったりすることがよくあるんですよ。」

 

社基リーダー
「それじゃあ、計画通りに進まないのも無理はないかも。」
Eさん
「リーダー、どうしたらいいんでしょうか、何かアドバイスはありませんか。」

 

社基リーダー
「そうだなあ、必要な作業項目については、体系的に洗い出してみたらどうだろうか。まずは大項目、続いて中項目、そして小項目と。こうして全体を見てみると、モレに気づくんじゃないかな。」
Eさん
「なるほど、ピラミットやツリーのようなイメージですね。」

 

社基リーダー
「所要時間の見積もりについては、個人ワークもスケジュール化してみるっていうのはどうだろう。会議とか訪問とか、相手がいる仕事ってスケジュール帳に書き込むよね。でも自分だけの個人ワークって、スケジュール帳に書き込まなかったりしない?時間管理の達人は、個人ワークもスケジュール帳に記入しているよ。そうすることによって、所要時間を見積もるスキルを高めていくんだね。」
Eさん
「そうですね、見込みより長くかかったり短くて済んだり、そんな経験を積みながら正確な所要時間を見積もれるようにしていくってことですね。」

 

Eさんは、いつも計画倒れに終わってしまう原因がつかめたようでした。さっそく個人ワークもスケジュール帳に書き込み始めました。(文責:古木) 


 

2015年07月15日 

育成のための「評価基準」~創造力編~

 今回は2つ目の能力「考え抜く力」の中から「創造力」を取り上げていきたいと思います。


「創造力」(12の能力要素から)

 

【内容】(「中間とりまとめ」より)
新しい価値を生み出す力

 

【例】(「中間とりまとめ」より)
既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考える。


【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

①成功事例の活用
 他組織の成功事例に関する情報を徹底的に収集・分析し、自組織における課題解決の参考にしている。

 

②発想法やフレームワークの活用
 既存の発想に捉われず、発想法(ブレーンストーミングなど)やフレームワーク(ロジックツリーなど)を活用して、常に新しい解決方法を考えている。

 

③考え抜く姿勢
 解決すべき課題のことを常に頭の片隅に置き、日常のすき間時間を活用して、繰り返し繰り返し考えている。



 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「創造力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

  


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Fさんとの面談にのぞんでいました。

Fさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①成功事例の活用        : 4ポイント
 ②発想法やフレームワークの活用 : 3ポイント
 ③考え抜く姿勢         : 2ポイント

 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①成功事例の活用        : 4ポイント
 ②発想法やフレームワークの活用 : 3ポイント
 ③考え抜く姿勢         : 2ポイント

 


社基リーダー
「考え抜く姿勢に課題があると感じているようだね。」
Fさん
「ええ、結論を急ぎ過ぎて、十分に考えず失敗してしまうことが多いんです。“脳ミソに汗をかけ!”なんて言いますが、どうやって汗をかけって言うんでしょうかね?」

 

社基リーダー
「コツは、回数じゃないかな。ちょっとしたすき間時間って、だれにもあるよね。」
Fさん
「ええ、朝電車に乗っているとき、休憩時間、お風呂に入っているときとか・・・。」

 

社基リーダー
「そんな時、どうしてるかな?」
Fさん
「だいたいスマホを操作しているか、ぼ~っとしてるか・・・。あまり意識したことないでねえ。」

 

社基リーダー
「そんなすき間時間に考えるってことなんじゃないかな。すき間時間に繰り返し考えることによって、その間の考えていない間も脳は働いているってことが脳科学的に証明されているんだって。脳は、パソコンのようにはスイッチオフできないのかな。」
Fさん
「え~っ、そんなにいつも考えていたらノイローゼなっちゃいますよ。」

 

社基リーダー
「私も最初はそう思ったけど、結果はまったく逆だったんだ。マラソンをイメージしてごらん。マラソン選手と一般の人が42.195Km走ったら、どちらが早いかな、どちらが疲れているかな?」
Fさん
「それは、マラソン選手の方が早いに決まっているし、疲れも少ないでしょ。」

 

社基リーダー
「そうだよね、なぜかな?マラソン選手は日頃から練習で筋肉を鍛えているから、早くて疲れも少ないんだね。脳もいっしょだと思うんだ。日頃から考える習慣を身につけて脳を鍛えておけば、疲れないし、よく働くんだよ。」
Fさん
「へえ~、初めて知りました。」

 

社基リーダー
「Fさんにもこれからは考える仕事を増やしてもらわなければ困るから、この考え抜くスキルを身につけておくといいよ。深く、広く、早く考えられるようになるから。」
Fさん
「そうか、仕事が早い人って、このスキルを使っていたのか。席に着いたらすぐにアウトプットを始めるからすごいって思っていたけど、な~んだすき間時間に繰り返し考えていただけなんですね。」

 

Fさんは、今まで苦手だった創造力を高めるコツをつかんだようでした。(文責:古木)

 

2015年07月27日 

育成のための「評価基準」~発信力編~

 さて今回からは、いよいよ3つ目の能力「チームで働く力」に入っていきます。
この能力は他の2つの能力「前に踏み出す力」「考え抜く力」がそれぞれ3つの能力要素から構成されているのと違い、最も多い6つの能力要素から構成されています。そのうち、まずは「発信力」を取り上げていきたいと思います。


「発信力」
12の能力要素から)

【内容(「中間とりまとめ」より
自分の意見をわかりやすく伝える力

【例】(「中間とりまとめ」より
自分の意見をわかりやすく整理した上で、相手に理解してもらうように的確に伝える。

【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

①情報共有の心がけ
 情報を個人が独占するのではなく、チームで共有することの必要性を理解し、積極的に発信している。

②わかりやすい伝え方
 結論が先、箇条書き、具体性(数字・固有名詞)、短文、事実/意見の区分など、聞き手にとってわかりやすい伝え方を心がけている。

③発信手段の選択
 
対面、メール、文書、電話、ファックスなど、各手段のメリット・デメリット(特にデメリット)をふまえ、的確な発信手段を選択している。


【基準】(「社基塾」オリジナル) ※各能力要素/各着眼点共通
<5ポイント>
 その行動・傾向を自他とも認めており、他メンバーの模範となっている。必要な場合には、他メンバーに対して指導・教育している。

<4ポイント>
 常にこのような行動・傾向がみられる。特に意識しなくても、自然に行動する姿勢が身についている。

<3ポイント>
 このような行動・傾向を心がけているが、レベルは平均的。自らそれを高めようという意欲・姿勢は見られない。

<2ポイント>
 
独力では困難であり、他メンバーによるサポートがないと、このような行動・傾向は見られない。

<1ポイント>
 他メンバーによるサポートをもってしても、このような行動・傾向はほとんど見られない。今後の改善見通しは、まだ立たない。


 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「発信力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Gさんとの面談にのぞんでいました。

Gさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 ①情報共有の心がけ  : 4ポイント
 ②わかりやすい伝え方 : 3ポイント
 ③発信手段の選択   : 4ポイント

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 ①情報共有の心がけ  : 4ポイント
 ②わかりやすい伝え方 : 4ポイント
 ③発信手段の選択   : 4ポイント

社基リーダー
「わかりやすい伝え方に課題があると感じているようだね。」
Gさん
「実は先日の会議で発言したときに、ある参加者から『何を言いたいんだ』と鋭く指摘されてしまい、自信がなくなっちゃったんです。」

 

社基リーダー
「私にも経験があるよ。若いころ、取引先やお客様から『言っていることがわからない』と指摘されてね。」
Gさん
「へ~え、リーダーにもそんな頃があったんですか。今のリーダーの話はたいへんわかりやすく、私もあんなふうに話せたらなあなんてよく思っていますよ。わかりやすく話せるようになるコツのようにものは何かありますか。」

 

社基リーダー
「私が発信力を強化した方法が参考になるかも知れないね。発信って『話す』『書く』ことによって自分の意見を他人へ伝えるという点では、アウトプットだよね。じゃあ、インプットって何だと思う?」
Gさん
「『話す』『書く』というアウトプットに対するインプットは・・・『聴く』『読む』ですか?」

 

社基リーダー
「そうだね、このアウトプットとインプットは、たいへん強くつながっているんだよ。わかりやすくアウトプットするためには、わかりやすいインプットを増やすことが最も効果的なんだよ。Gさん、あなたのまわりで最もわかりやすいインプット『聴く』『読む』って、な~んだ?ヒントは、いつも届けられるもの。」
Gさん
「もしかしたら、新聞ですか?」

 

社基リーダー
「その通り!新聞記事は最もわかりやすいインプットの見本のようなものなんだよ。まず結論が見出しに示されていて、記事の構成は箇条書きが主流で、数字や固有名詞が具体的だし、記事は短文で、必要に応じて図や表も使っているでしょ。」
Gさん
「そうか、こんな身近によい見本があったなんて気づかなかったなあ。」

 

社基リーダー
「私が発信力を高めた方法は、この新聞をわかりやすい発信の見本として日々読む習慣を身につけたことなんだ。ついでに言っておくと、ウェブじゃなくて紙面をお勧めするよ。新しい情報を入手することが目的だったらウェブでもいいんだけど、発信力の参考にするのなら考えながら読み進められる紙面に軍配が上がるよ。」
Gさん
「さっそくやってみます。わかりやすい発信方法に注意しながら、明日から毎日30分読むようにします!」

 

社基リーダー
「それは素晴らしい習慣だね。“習慣は第二の天性なり”って言葉もあるから、これからの成果を期待しているよ。」

 

Gさんは、明日から新聞を読むタイミングと場所を考えながら、朝刊の配達を楽しみにするのでした。(文責:古木)


 

2015年08月03日 

育成のための「評価基準」~傾聴力編~

 

今回は「チームで働く力」の中から「傾聴力」についてみていきたいと思います。

 

「傾聴力」(12の能力要素から)

 

【内容】(「中間とりまとめ」より)
相手の意見を丁寧に聴く力

 

【例】(「中間とりまとめ」より)
相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問するなど相手の意見を引き出す。

 

【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

 

①「聴くこと」の効用理解
 コミュニケーションの基本は「話すこと」ではなく「聴くこと」であることを理解し、相手の話を丁寧に聴こうとしている。

 

②「聴く」姿勢・スキル
 「聴く姿勢」として、相手の話を遮ることなく最後まで聴いている。「聴くスキル」として、うなずき、あいづち、オウム返しなどを用いて聴いている。

 

③「質問」スキル
 適切なタイミングで質問することにより、相手の意見を引き出したり、気づきや行動を促したりしている。

 


 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「傾聴力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

 

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Hさんとの面談にのぞんでいました。

Hさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①「聴くこと」の効用理解 : 4ポイント
 ②「聴く」姿勢・スキル   : 4ポイント
 ③「質問」スキル      : 2ポイント
 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①「聴くこと」の効用理解 : 4ポイント
 ②「聴く」姿勢・スキル   : 4ポイント
 ③「質問」スキル      : 3ポイント

 


社基リーダー
「Hさんはチームの取りまとめ役として、よくメンバーの声をきいてくれていて感謝していますよ。」
Hさん
「私は話すのが苦手なんで、つい聞き役になることが多いだけですよ。」

社基リーダー
「Hさん、それがいいんですよ。コミュニケーションの基本は、話すではなく聴くなんですよ。話すことがうまい人は、つい聴くことを軽視してしまうんですよね。」

Hさん
「でもリーダー、質問がうまくできていないことに今回気づかされました。」

社基リーダー
「そうだね、普通は自分がわかるために質問するよね。でも相手にわからせるための質問というのもあるんだよ。Hさんも質問されると、答えようとして考えるでしょ。そのように、相手に考えさせるためにする質問もあるんだよ。自分が答えを知っていてもね。」

Hさん
「難しそうですね。とても私には無理です。」

社基リーダー
「そんなことないさ、いい勉強法があるよ。毎週月曜から木曜の19時30分からNHKで放送しているクローズアップ現代という番組を見てみるといいよ。ここでキャスターを務めている国谷さんは質問の達人だね。質問しながら相手の意見を引き出して、視聴者に理解させてるんだよ。」

Hさん
「今まで見たことありませんでした。NHKは受信料も払っていますから、そろそろモトを取らなきゃ。」

社基リーダー
「質問しながら傾聴することを学ぶだけでなく、最近、話題になっているテーマについても勉強できるから、まさに一石二鳥だね。」

 

Hさんは、質問するスキルの奥深さと、それによる効果に大きな可能性と期待を感じていました。(文責:古木)


 

2015年08月10日 

育成のための「評価基準」~柔軟性編~

 さて今回は、「チームで働く力」の3つ目の能力要素「柔軟性」を取り上げていきたいと思います。

 

「柔軟性」(12の能力要素から)

 

【内容】(「中間とりまとめ」より)
意見の違いや立場の違いを理解する力

 

【例】(「中間とりまとめ」より)
自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する。

 

【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

 

①素直さ・謙虚さ
 自分の考えを多面的な視点からふり返り、チームメンバーからの意見やアドバイスにも自ら耳を傾け、納得した場合には自分の考えを修正している。

 

②自己研鑽の習慣
 現在の自分の考えに満足せず、よりよい考えを模索するために、新聞・本・教養番組などを活用し自己を研鑽する習慣を身につけている。

 

③多様性の受容
 メンバーの多様性(性別、年齢、価値観、生き方、考え方、性格、態度、国籍など)を受け容れるとともに、それを活用するよう心がけている。



 

さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「柔軟性」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

 

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Iさんとの面談にのぞんでいました。

Iさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①素直さ・謙虚さ  : 4ポイント
 ②自己研鑽の習慣  : 4ポイント
 ③多様性の受容   : 4ポイント
 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①素直さ・謙虚さ  : 4ポイント
 ②自己研鑽の習慣  : 4ポイント
 ③多様性の受容   : 4ポイント

 


社基リーダー
「Iさん、あなたがチームの取りまとめ役、潤滑油になってくれて助かってますよ。柔軟性に対する私の評価は、すべて4です。これからも、その調子でお願いします。」
Iさん
「ありがとうございます。私も柔軟性は重視していますので、高い評価をいただけてうれしいです。」

 

社基リーダー
「今日は育成のための評価面談だから、ほめるだけじゃ物足りないよね。今後のアドバイスもさせてもらおうかな。」
Iさん
「リーダー、ぜひお願いします。」

 

社基リーダー
「Iさんのそういう姿勢が、まさに柔軟性なんだよね。
さて、アドバイスとしては、優柔不断と柔軟性の違いについてだよ。相手の意見や立場を理解するとはいっても、最終的にそれを判断するのは自分だからね。表面上は柔らかく相手の意見をきき、しかし内面はしっかりとした主体性を持っているというのが理想だね。私はそれを逆タコ焼き型と呼んでいるんだよ。」
Iさん
「えっ、逆タコ焼き型?」

 

社基リーダー
「そう、おいしいタコ焼きって、どんなかな?」
Iさん
「表面がカリカリと固くて、中はドロッと柔らかいことですね。」

 

社基リーダー
「そうだよね。そこで、正しい柔軟性はその逆ってわけさ。表面上は柔らかく他人の意見もききながらも、内面には強い主体性を持っているってことが大切なんだね。だから、柔軟性と主体性をセットで強化するといいよね。そうするとストレスコントロール力も高まってくるんだよ。」
Iさん
「へ~え、12の能力要素って、お互いに関連しあってるんですね。ところでリーダー、おいしいタコ焼きが食べたくなっちゃいましたよ。」

 

社基リーダー
「私もだよ。この間、おいしいタコ焼き屋をみつけたから、そこへ行ってみよう!」
Iさん
「賛成!」

 

タコのように柔軟な2人でした。

 

2015年08月17日 

育成のための「評価基準」~情況把握力編~

  さて今回は、「チームで働く力」の4つ目の能力要素「情況把握力」を取り上げていきたいと思います。

 

「情況把握力」(12の能力要素から)

 

【内容】(「中間とりまとめ」より)
自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

 

【例】(「中間とりまとめ」より)
チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する。

 

【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

 

①役割認識
 まわりから自分に対して求められている役割を認識している。その役割について、優先順位づけ、自己評価をし、役割実行へとつなげている。

 

②全体最適
 自分のことだけではなく、チーム全体や職場全体のことを注意深く観察し把握している。一部の部分最適に惑わされることなく、チーム全体や組織全体の全体最適を優先した行動を取っている。

 

③ファシリテーション
 チームメンバーの空気を読み、チームの活動が容易にできるように支援し、うまくことが運ぶように舵取りするよう心がけている。


 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「情況把握力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

 

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Jさんとの面談にのぞんでいました。

Jさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①役割認識     : 4ポイント
 ②全体最適     : 4ポイント
 ③ファシリテーション: 4ポイント
 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①役割認識     : 3ポイント
 ②全体最適     : 3ポイント
 ③ファシリテーション: 3ポイント

 


社基リーダー
「ちょっと厳しい評価になったね。でも、これもJさんにはチームをしょって立つ人材になって欲しいという期待を込めた結果なんだよ。」
Jさん
「ちょっとショックですけど、しっかり反省します。リーダーの評価に気づいていないなんて、やっぱり情況が把握できていないということですね。」

 

社基リーダー
「Jさんは、個人の力としては申し分ないんだよ。でも、そんなタイプは一匹オオカミになりがちなんだよ。私は、Jさんにはそうなって欲しくないんだよ。人事評価っていうのは、寛大化傾向に陥りがちなんだけど、今回は心を鬼にしたつもりだから分かって欲しいな。」
Jさん
「今のリーダーの情況は、しっかりと把握しましたよ。リーダーの口癖のように、評価は過去のためではなく、今後の育成のためにあるんですからね。これから、どのように気をつけていけばよいのでしょうか。」

 

社基リーダー
「3つの目って言葉を知ってるかい?」
Jさん
「えっ、妖怪の話ですか?」

 

社基リーダー
「違うよ、常に3つの目で物事を見なさいってことなんだよ。
ひとつ目は、虫の目。地を這う虫のように、小さなことも見逃さない目。
二つ目は、鳥の目。鳥が上空から下界を俯瞰するように全体を見渡す目」。
三つ目は、魚(さかな)の目。魚が潮の流れを読むように、今だけではなく先を見通す目。
これら3つの目を鍛えると、いろいろな物事が見えてくるってことなんだよ。」
Jさん
「なるほど、私の場合は虫の目が強くて、鳥の目や魚の目は今イチってとこでしたね。」

 

社基リーダー
「Jさんもそろそろ中堅社員の仲間入りだから、チーム全体、組織全体をふまえて考えるようになったら、一段と成長できるぞ。楽しみにしているよ。」

 

迷った末に厳しい評価をつけましたが、Jさんが前向きにとらえてくれてホッとした社基リーダーでした。(文責:古木)


 

2015年08月24日 

育成のための「評価基準」~規律性編~

 さて今回は、「チームで働く力」の5つ目の能力要素「規律性」を取り上げていきたいと思います。


【内容】(「中間とりまとめ」より)
社会のルールや人との約束を守る力

 

【例】(「中間とりまとめ」より)
個々の職業倫理に照らし、自らの発言や行動を適切に律する。

 

【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

 

①ビジネスマナー
 みだしなみ(ビジネスに相応しい)、あいさつ(たとえ相手が返さなくとも)、言葉づかい(敬語など)、時間厳守、接遇、電話応対など、基本的ビジネスマナーを身につけている。

 

②報告・連絡・相談
 報告(特に中間報告、問題なし報告、悪い報告など)、連絡、相談(勝手に判断しない、一人で抱え込まないなど)を常に心がけている。

 

③コンプライアンス
 明文化された法令はもちろんのこと、社会規範、組織内規程、チーム内ルールなどを遵守している。

 

 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「規律性」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Kさん(入社2年目)との面談にのぞんでいました。

Kさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①ビジネスマナー  : 4ポイント
 ②報告・連絡・相談 : 4ポイント
 ③コンプライアンス : 4ポイント
 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①ビジネスマナー  : 4ポイント
 ②報告・連絡・相談 : 3ポイント
 ③コンプライアンス : 4ポイント

 


社基リーダー
「Kさんも入社2年目を迎えて、ビジネスマナーやコンプライアンスも身についてきたようだね。」
Kさん
「そうですね、やっぱり1年目は仕事を覚えることで精いっぱいでしたが、2年目からは少し余裕を持つことができました。」

 

社基リーダー
「そうだね、あと課題をあげるとすれば、ホウレンソウかな?」
Kさん
「自分ではできているつもりなんですが・・・。」

 

社基リーダー
「ビジネスの基本のうち、マネジメントサイクルPDCAとホウレンソウは、できているようで実はできていないんだよ。それぞれ奥が深いんだ。先輩社員でも、完璧にできている人は、ほんのわずかだよ。だからって、安心してもらっちゃ困るけどね。」
Kさん
「具体的には、どういう点を気をつければいいんでしょうか。」

 

社基リーダー
「私が気にしてるのは「相談」かな。まわりは本人が思っている以上に、今何やっているのかな、問題は抱えていないかなって、気にしているものなんだよ。そんな時に相談してくれると、こちらも安心できるんだ。」
Kさん
「へ~え、そうなんですか。みなさん忙しそうだから、つい相談しそびれてしまうですよね。」

 

社基リーダー
「そこだよ、相談しない理由の第1位は『上司や先輩社員が忙しそう』なんだ。確かに忙しい時に声をかけられるとムッとすることもあるけど、それはタイミングを見計らって声をかけることだね。『今、お時間よろしいですか』って感じでね。それから、何を相談したいのかを明確にしてから相談するってこと。それと、自分なりの意見・考えを持って相談するってことも大切だね。『どうしましょうか』と相談されても、こちらも困っちゃうからね。」
Kさん
「いろいろと奥が深いんですね。ホウレンソウなんて呼ぶんで、なめてかかっていましたよ。」

 

 入社2年目をむかえ、報告・連絡・相談の奥深さに気づかされたのKさんでした。(文責:古木)


 

2015年08月31日 

育成のための「評価基準」~ストレスコントロール力編~

 さて今回は、いよいよ最後12番目の「ストレスコントロール力」を取り上げていきたいと思います。


【内容】(「中間とりまとめ」より)
ストレスの発生源に対応する力

 

【例】(「中間とりまとめ」より)
ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて肩の力を抜いて対応する。

 

【着眼点】(「社基塾」オリジナル)

 

①ストレス発散
 情動的ストレスに対してはリラックス、身体的ストレスに対してはエクササイズなど、自分なりのストレス発散方法を身につけている。

 

②ポジティブ思考
 物事にはポジティブとネガティブの二面性があるが、常にポジティブな側面から捉え、自分やチームにとってプラスになるような思考・行動へつなげている。

 

③ストレス対処能力(SOC)
 置かれている状況が把握できる感覚「わかる感」(把握可能感)、なんとかなると思える感覚「できる感」(処理可能感)、目の前のことに意味・やりがいを見出せる感覚「やるぞ感」(有意味感)を備えている。



 さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「ストレスコントロール力」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。

 


【活用ストーリー】
 育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Lさんとの面談にのぞんでいました。

Lさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。

 

 ①ストレス発散       : 4ポイント
 ②ポジティブ思考      : 4ポイント
 ③ストレス対処能力(SOC) : 3ポイント
 

 一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。

 

 ①ストレス発散       : 4ポイント
 ②ポジティブ思考      : 4ポイント
 ③ストレス対処能力(SOC) : 3ポイント

 


社基リーダー
「評価結果は、だいたい同じみたいだね。」
Lさん
「そうですね。でも今回、自己評価しながら思ったんですけど、ストレス対処能力って、あまり聞かない言葉ですよね。」

 

社基リーダー
「そうだね、でも場合によっては、命を左右するほど大切な考え方なんだよ。もともとは、第二次世界大戦の時に、ドイツのナチスに強制収容された人を調査したところから判明したんだ。収容所という同じ境遇にありながら、短く命を終えてしまう人と、長く生き続ける人いたんだ。その理由を探るために調査したところ、長く生き続けた人に共通して見られ、短く命を終えた人に見られなかった傾向、このストレス対処能力なんだ。」
Lさん
「へ~え、知らなかったけど、そのような客観的な調査にもとづいた考え方なんですね。」

 

社基リーダー
「そう、ユダヤ系アメリカ人の健康社会学者アーロン・アストノフスキー博士が提案し『SOC(Sence of Coherence)首尾一感覚』と呼ばれている考え方なんだ。」
Lさん
「ちょっと難しそうだけど、確かに言えてる気がします。ストレスをためない人って、なんとなく状況をつかんで、勝手になんとななるなんて思っていて、どんなことにもやりがいを見出すようなところありますよね。」

 

社基リーダー
「そうなんだ。“根拠のない自信”とか“鈍感力”とか“ケセラセラ”なんて言葉とも、関係あるかも知れないね。」
Lさん
「なんとなくわかってきました、なんとかできそうな気がしてきました、ぜひやってみたいと思います。」

 

社基リーダー
「そう、そのわかる感、できる感、やるぞ感こそが、ストレス対処能力的な考え方なんだよ!」(文責:古木)
 


 

2015年09月14日 

「わかる」から「できる」への強化ワーク~主体性編①~

 前回までは、12回にわたり各能力要素の評価基準についてみてきました。今回からは、12の能力要素について、それを強化するためのワークについて見ていきたいと思います。

 

 見たり聴いたりしただけでは、まだ「わかる」レベルです。目指すのは「できる」レベルです。このレベルに達して、初めて使いこなすことができます。そのためには、ワークを通して、実際に考える、他の人の意見を参考にする、講師からフィードバックを受ける、行動に移す、習慣化するというステップが欠かせません。

 

 今回は、初回ですので3つの能力から「前に踏み出す力」の中の「主体性」の「強化ワーク」について見ていきます。


 では、改めて経済産業省がとりまとめた「中間取りまとめ」から、「主体性」の内容と例について、確認しておきます。

 

【内容】物事に進んで取組む力

【例】指示を待つのではなく、自らやることを見つけて積極的に取組む。

 

 前回まで見てきた「着眼点」としては「自発性」「将来構想」「自己理解」をご紹介しました。今回は、そううちの「自己理解」の一環として「強み」についての「強化ワーク」をみなさんと一緒に取り組んでいきたいと思います。

 

このワークは、4つのステップから構成されています。
ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてください。

 

【ワーク①】あなたの「強み」は何ですか?3つあげてください。

 

【ワーク②】現在の仕事を通して、どのように発揮していますか、または発揮していきますか。

 

【ワーク③】その「強み」を自分の武器として、どのように強化していますか、または強化していきますか。

 

【ワーク④】その「強み」をまわり(上司・先輩・同僚・部下・後輩など)と共有できていますか。

 

 さあ、いかがでしたか。なかなか書き出すことに苦労されたのではないでしょうか。セミナーでは、みなさんがお書きになった内容を発表・共有しながら、理解を深めていきます。

 


【ワーク解説】
 「自らやることを見つけて積極的に取組む」という「主体性」を身につけるためには、「自己理解」が欠かせません。しかし「さあ自分を理解しろ」といわれても、理解できるものでもありませんよね。そこで、自分の「強み」をあげることを通して、自己理解を深めていただきます。

 

≪ワーク①≫
 自分自身の「強み」でありながら、だいたいこんなところかとあいまいに意識することはあっても、明確に「把握」されているという方は少ないのではないでしょうか。しかし、これからみていきます「発揮」「強化」「共有」を実現するためには、明確に「把握」することが必要となります。そこで、ふたつの参考情報をご紹介しましょう。

 

 ひとつ目は、書籍「さあ才能に目覚めよう」(日本経済新聞社)です。この中には「34の強み」が紹介されています。白紙の状態から考えるより、いくつかの例示の中から選ぶ方が取組みやすいですよね。

 

 ふたつ目は、日本ポジティブ心理学協会のサイトにも紹介されているペンシルバニア大学が開発した強み診断ツール「VIA-IS」(無料)です。 ここでは「24の強み」が紹介されています。

 

 サンプルとして「育成のための評価基準」に登場した社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、どのような「強み」を「把握」したのか、みてみましょう。

 

(1)「自己確信」
 自分は大丈夫だ!という根拠のない確信がある。

(2)「ポジティブ」
 否定的な人がいると、前向きな見方にもっていきたくなる。

(3)「学習欲」
 新しい事を学ぶこと、学ぶプロセスが大好き。

 

「把握」するポイントは「ゼロから考えない」「常に見直す」です。


≪ワーク②≫
 どんな「強み」でも、どんな「仕事」でも、それを「発揮」できる場面が必ずあります。ご自分の業務の流れを整理していただきき、どんな場面で発揮できるかを考えてみましょう。


≪ワーク③≫
 今後、年金受給開始年齢は65歳に順次延長されていきます。年金財政の問題も考慮しますと、この需給開始年齢はより伸びる可能性もあります。このような厳しい環境の中、自分の生活や仕事は自分で守っていくる必要があります。把握した「強み」を自分の「武器」といえるレベルまで強化していくことが求められます。

 

例えば社基リーダーは、次のような方法で「強み」を強化していく計画を考えました。

 

(1)「自己確信」
 「根拠のない自信」から「確たる自信」へと強化するために、新聞を活用し、日経新聞を毎日30分以上読み視野を拡げる。 

 

(2)「ポジティブ」
 「ポジティブ」な考え方をしている人の声を直接きく機会として、TV(教養番組)を活用して、「プロフェッショナル~仕事の流儀~」(NHK総合)「人生デザインU29」(Eテレ)「カンブリア宮殿」(テレビ東京系列)をみる。時間が合わないときには、録画して週末にみる。

 

(3)「学習欲」
 毎月新たな本を1冊読むとともに、今まで読んだ本の中でよかった本として「7つの習慣」(スティーブン・コヴィ著)「」(デール・カーネギー著)などを今一度読み返し、実践へとつなげていく。


≪ワーク④≫
 以前のセミナーにて、受講者同士お互いの「強み」と「弱み」を発表・共有していただいた時に不思議な現象が起きました。セミナーで初めて会ったはずなのに、旧知の仲のように相手のことがよくわかるように感じられたのです。この「共有」は、職場コミュニケーションの促進、報告・連絡・相談しやすい環境づくり、相互理解、信頼関係の構築、仕事の分担(適材適所)、相手に応じた指示の出し方、ほめるところの発見など、いろいろな場面で効果を発揮します。(文責:古木)

 

2015年09月21日 

「わかる」から「できる」への強化ワーク~主体性編②~

 さて、今回は前回に引き続き「主体性」の「強化ワーク」について見ていきたいと思います。
前回は「強み」についてみてきましたが、今回は一転して「弱み」です。

 

 さて、みなさんの「弱み」は何ですか。ご自身で把握されていますか。「弱み」は一般的にマイナス情報となり、あまり目を向けたくないというのが人情です。

 

 しかし、これをそのままにしながら、穴の空いたバケツに水を注ぐように、地上につながれた気球を舞い上がらせようとするように、努力を重ねても成果が出ません。

 まずやるべきことは「弱み」を「把握」し「克服」していくことなんですね。

 

 このワークは、「強み」と同じく4つのステップから構成されています。ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてください。

 


【ワーク①】
あなたの「弱み」は何ですか?3つあげてください。

 

【ワーク②】
その弱みは、自分自身で「受容」できていますか。(他の人に「私の弱みは○○○です」と言えますか)

 

【ワーク③】
その「弱み」を、どのような方法で克服していきますか。

 

【ワーク④】
その「弱み」をまわり(上司・先輩・同僚・部下・後輩など)と共有できていますか。

 


 さあ、いかがでしたか。
セミナーでは、みなさんが書き出した内容を発表・共有しながら、お互いの意見交換を通して理解を深めていきます。

 


【ワーク解説】

≪ワーク①≫ 
「弱み」には、いろいろなパターンがあります。代表的なものを見てみましょう。

 

(1)まずは「強み」の裏返しなケース。
度々登場していただいている社基 力(やしろもと つとむ)リーダーの場合、「行動に移すのが遅い」という「弱み」をあげました。しかし、これは「慎重(物事を熟慮して決める)」という「強み」の裏返しでもあるわけです。よい面とよくない面のバランスが大切となりますよね。

 

(2)単に本人が「弱み」だと思い込んでいるケース。
チームにてお互いに「弱み」を共有してみると、他のメンバーから「それって、こう考えればぜんぜん弱みじゃないよ」と指摘されて、本人も肩の荷が降りたという場面を度々目にします。その後は、見違えるように元気になるから不思議です。バケツの穴がふさがり、気球が地から放たれたのでしょうね。視点を変えることが大切となります。

 

(3)克服すべき「真の弱み」なケース。
この場合には、本格的な対応が必要となります。まずは、それが自分の「弱み」だと、素直に「受容」することから始まるでしょう。「受容」できていない「弱み」を「克服」することは不可能だと思います。

 

(4)本人は気づいていないケース。
まわりは気にしているにも関わらず、だれも本人には伝えられません。それが本当に「弱み」か自信がありませんし、本人に悪い印象を与えたくない、そこまで関わりたくないというのが本音かも知れませんね。これは、個人で把握することは困難です。他メンバーからのフィードバックしかありません。

 

≪ワーク②③≫
 有名なラインホルド・ニーバー氏による「祈り」という詩が思い出されます。

 

「神よ与えたまえ、変えられぬものを受け容れる潔さと、変えられるものを変える勇気と、それを見分ける知恵を」

 

とかく「変えられぬもの」を変えようとして苦しんだり「変えられるもの」を変えようとしなかったりすることがありませんか。
「これが私の弱みです!」とまわりに宣言できるよう「受容」し、具体的な対策によりそれを「克服」する方法を検討していきます。

 

 
≪ワーク④≫
 上司と部下、同僚同士などが、お互いの「弱み」を共有すると、どのようなことが起きるでしょうか。
実際にやってみた方の感想では、


「職場全体の風通しが良くなった」
「適材適所を考えるときに役立っている」
「ミスをした時も『弱みが出たな』と許せる気持ちになる」

 

などという声が聞かれます。


 ここでの大切なテーマは「自己理解」ですが、それをサポートしてくれるお勧めの本を紹介させていだきたいと思います。

 

 それは「インナーゲーム」(ガルウェイ著)です。

 女子マラソンの有森裕子選手がアトランタ五輪にて3位でゴールした後のインタビューで語った「自分をほめたいと思います」という感動フレーズがあります。この「ほめる自分」と「ほめられる自分」の違いを明確に示してくれる良書だと思います。(文責:古木)

 

2015年10月05日 

「わかる」から「できる」への強化ワーク~働きかけ力編~

今回は「働きかけ力」を「わかる」から「できる」へと強化するワークについて見ていきたいと思います。

 では「働きかけ力」の内容、例、着眼点について、再確認しておきましょう。

 

【内容】(経済産業省「中間報告」より)

 他人に働きかけ巻き込む力

 

【例】(経済産業省「中間報告」より)

「やろうじゃないか」と呼びかけ、目標に向かって周囲の人々を動かしていく力。

 

【着眼点】(「社基塾」作成)

①目標の共有

 目指す目標・ゴールを具体的に「見える化」し、その実現に向けて「やろうじゃないか」とまわりに行動を促している。

 

②論理的な働きかけ

 相手の「規範意識」に対して規則・ルールにもとづき「~すべき」「~してはいけない」と、また「利害感覚」に対して「~した方が得」「~すると損」と、論理的に働きかけている。

 

③情緒的な働きかけ

 相手の「感情」に対して、自分の言葉(自らの経験・相手の関心事に絡めて)で、熱く(真剣な表情・相手の目を見る視線・声のトーン)働きかけている。

 

 強化ワークとしては、用意した具体的なケース、または受講者のみなさんが今働きかけたいテーマについて「3つの働きかけ」により働きかけていただきます。

 このワークを通して、実際に「3つの働きかけ」について実践を通して習得いただき、自分がどの程度働きかけられるかを把握し、他メンバーによる「働きかけ」を受けてどのように感じるかを体験していだきます。

 

 具体的なワーク内容として、次のようになります。

 

【ワーク①】

相手の規範意識に対して「規律的働きかけ」(論理的働きかけ)をしてみてください。(例:~すべきです。~してはいけません。) 【ワーク②】 相手の利害感覚に対して「功利的働きかけ」(論理的働きかけ)をしてみてください。(例:~した方が得です。~すると損します。)

 

【ワーク③】

相手の感情に対して「情緒的働きかけ」をしてみてください。(自分の言葉で、熱く語ります。)  さあ、いかがでしたか。

 

【ワーク解説】

 さっそく具体的なワークを始めてみましょう。「働きかけ」のテーマは、ズバリ「マイナンバー制度」。  いよいよ本日10月5日時点の住民票登録住所あてに「マイナンバー」が送付されます。個人もそうですが、特に法人が準備に追われているのではないでしょうか。

 私も「マイナンバー制度への対応研修」に登壇していますが、予想以上にやるべき作業が出てきます。計画的な取り組みが求められますね。

 ここでも社基 力(やしろもと つとむ)リーダーに登場していただき、「3つの働きかけ」について模範を示していただきましょう。  では社基リーダー、準備が遅れている社内に対して「マイナンバー制度」への対応の必要性を働きかけるという場面設定でお願いします。

 

【規律的働きかけ】

 社基リーダー「みなさん、いよいよマイナンバー制度が始まります。マイナンバー法にもとづく制度であり、法人としても個人情報管理を強化すべきです。対応をおろそかにしてはいけません。」

 

【功利的働きかけ】

 社基リーダー「もし違反をして個人情報が漏えいした場合には、刑事責任として、200万円以下の罰金、4年以下の懲役が課せられます。しかも、その両方が科せられる場合もあるんです。民事責任としては、被害者から多額な損害賠償を求められる危険性があります。また社会的責任として、顧客からの信頼を大きく失墜して売上の激減などの影響を受ける可能性があります。しっかりとした対応を取らないと、損失を被ります。」

 

【情緒的働きかけ】

  社基リーダー「みなさん、今年のプロ野球セリーグでは、ヤクルトスワローズが優勝しましたね。しかし、このチーム、昨年は最下位だったってご存知ですか。では、何が変わったのでしょうか。しかも、攻めの指標である打率や打点は、最下位だった昨年より低いんですから驚きです。変わったのは、守りなんです!勝つために攻めることも大切なんですが、強いチームに共通しているのは、守りが堅いということなんです。今回のマイナンバー制度への対応でも、守りを固めて絶対に個人情報を漏えいさせないようにしていきましょう。そして、私たちが安心して働ける職場を実現し、お客様からの信頼を勝ち取ろうではありませんか!そのためにも、マイナンバー制度への対応にご協力ください!」

 

 社基リーダー、ありがとうございました。

ただ「マイナンバー制度への対応を徹底してください」という働きかけとの違いを感じていただけたでしょうか。

 

ワーク後は、次のような感想が聞かれます。

 

・相手に働きかけることは苦手だったけど「3つの働きかけ」を利用することで、働きかけることがうまくなったように感じた。

・まず最初は「功利的働きかけ」で、次に「規律的働きかけ」で、最後に「情緒的働きかけ」というように、前もって準備ができるのが安心。

・感情重視なあの人には「情緒的働きかけ」で、論理で動くこの人には「功利的働きかけ」で、コンプライアンス重視なあの人は「規律的働きかけ」で、というように相手によって使い分けができることが効果的。

 (文責:古木)

 

2015年10月12日 

「わかる」から「できる」への強化ワーク~実行力編~

今回は「実行力」を「わかる」から「できる」へと強化するワークについて見ていきたいと思います。

 

 では「実行力」の内容、例、着眼点について、再確認しておきます。

 

【内容】(経済産業省「中間報告」より)

 目標を設定し確実に行動する力

 

【例】(経済産業省「中間報告」より)

 言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組む。

 

 どうでしょうか、みなさんの場合、このようなことはありませんか。

「いつかやらなきゃ」と思いながら、重要性は高いにも関わらず緊急性が低いことを理由に棚上げになっていることがある。 「もっといい方法が出てくるんじゃないか」「何も今きめなくてもいいんじゃないか」と、なかなか決断できずにいること、などなど。

 

 今週は「決断力」というテーマでの研修登壇予定もありますが、判断→決断→実行という流れは、シンプルでありながら、なかなか難しいだプロセスと感じている方も多いのではないでしょうか。

 

 リクルートを創業された故江副浩正氏が残された言葉に「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」というものがありました。これは同社創業当初の社訓にもなっていたと聞きます。  

 

 そうです、確実に実行していくためには、自ら目標を設定し、逃げられない立場に自分を追い込みます。そして、その達成を目指して全力で取り組んでいきます。途中は苦しいのですが、実行した後、変わることができた自分に気がつくことができます。

 

 最近、管理職を対象とした評価者研修に登壇する機会がありました。半期を終え、上期の目標達成についてフィードバック面談を実施するためです。

 

 この評価制度の中で、最近重視されているのが目標管理制度です。 かのピーター・ドラッカーも提唱していましたが「MBO:Management By Objecyives」と呼ばれるものです。

 しかし、これには続きがあり「and Self Control」になっているんですね。つまり、目標管理制度というのは、決して上から押しつけられるものではなく、前もって決めた目標に対して自分が方法を考え、主体的に取り組んでいくことなんだという点が十分に理解されていないケースが多いように感じられます。  

 

 では、「実行力」の着眼点について、再確認してみましょう。

 

【着眼点】(「社基塾」作成)

①目標の設定

 いきなり行動に移すのではなく、前もって目標(ゴール)を決めている。目標は評価できるものとして、指標・目標値・期限、具体的な行動・期限、具体的な成果物・期限などを定めている。

 

②行動に移す

 失敗に対する十分な備えをしたうえで、失敗を恐れず、使命感を持って粘り強く取り組み、目標を達成されるまで諦めない。

③評価・改善

 常にPDCAを意識し、Plan(目標)Do(実行)した後には、必ずCheck(評価)Action(改善)を繰り返し行い、目標の達成に近づけている。  

 

ポイントは、次の3点です。

①前もって目指す目標を設定すること

②実行した後に必ず評価すること

③そのためには目標は評価可能であること

 

   「実行力」の具体的なワーク内容として、次のようになります。

 

【ワーク①】

  今までの経験の中で、残念ながら最後までやり遂げられなかったことは、どんなことだったでしょうか。

 

【ワーク②】

  もし、明確に目標が設定されていたら、実行後に評価・改善していたら、結果は変わっていましたか。

 

【ワーク③】

  では、みなさんが今最も強く達成したいと望んでいることについて、目標を設定してみましょう。 留意点は、評価が可能であること、達成期限が明確であることです。 (こちらでテーマを用意する場合もあります)  指標:  目標値:  期限:  さあ、いかがでしたか。

 

【ワーク解説】

 私にも、最後まで達成できなかったことが数多くあります。 今ふり返ってみますと、目標が明確なまま実行してしまったり、実行しっぱなしで評価・改善を怠っていたりと反省させられます。  

 目標設定においては、SMARTの法則なるものがありますので、参考にされるとよいと思います。

 

Specific : 目標が明確であること

Measurable : 評価が可能であること

Achievable : 達成が可能であること

Realated : 上位目標と関連づけされていること

Timed : 達成期限が定められていること

 

 解説本により多少の表現の違いはあるようです。 ちなみに、私は「Attractive:本人にとって魅力的であること」の方がしっくりくるんじゃないかと感じていますが・・・。

 時々「私の目標は、評価が難しいんです」という声に接します。 その場合には、サブ目標を設定するという方法があります。幾何学的にいえば、補助線を引くイメージでしょうか。 これを目指して頑張れば、結果としてメインに目標が達成されるという仕組みです。

 

 印象に残っている目標があります。これは英国の刑務所の例です。 その刑務所の目標は、脱獄者数ゼロでした。刑務所ですから、当たり前かも知れません。しかし、問題は職員のモチベーションが上がらなかったことです。 「我々の仕事は、この囚人たちを逃がさないことだけなのか」と。

 そこで目標を設定し直しました。すると俄然、職員のモチベーションが上がり、仕事の内容も変わり、当然に脱獄者も出なかったそうです。

 

 その目標とは「刑期を終え出所した人の再犯率」だったそうです。  (文責:古木)

 

2015年10月26日 

「わかる」から「できる」への強化ワーク~課題発見力編~

今回は「課題発見力」がテーマです。

 

 みなさんの職場では、課題解決できていますか。プライベートな課題は、解決できていますか。

 

 課題解決は重要性が高い半面、緊急性(いつまでにやらねばならぬなど)が高くないために、つい棚上げになってしまいがちです。実態としては、重要性が低いにもかかわらず緊急性が高いこと(ムダな会議など)が優先されてしまっているのではないでしょうか。

 

 しかし、仕事が増え複雑・高度化している現在、課題解決しなければ、メンタル面で支障をきたすメンバーが出かねません。 そのような環境の中、課題解決の重要性がたいへん高まっています。

 

 では、さっそく「課題発見力」を「わかる」から「できる」へと強化するワークについて見ていきましょう。

 

 はじめに「課題発見力」の内容、例、着眼点について、再確認しておきます。

 

【内容】(経済産業省「中間報告」より)

 現状を分析し目的や課題を明らかにする力

 

【例】(経済産業省「中間報告」より)

 目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。

 

【着眼点】(「社基塾」作成)

①洗い出し

 多面的な視点(人:担当者・管理職、業務:分担・効率化、組織:職場環境・制度 など)から、職場に潜んでいる課題をもれなく洗い出している。

 

②現状分析

 課題を単に「問題あり」と指摘するのではなく、客観的テータや具体的事実にもとづいて課題の悪さ加減を明確にし、対策の必要性を訴えている。

 

③原因究明

 「なぜ?」を繰り返したり「特性要因図」を用いたりしながら、課題を引き起こしている「真の原因」を究明し、「原因を除去する対策」へとつなげている。

 

 さあ、どうでしょうか。「基礎力と侮るなかれ」ではないでしょうか。

 

 研修などでお会いする多くの方々も、これに全てができているという方は、それほど多くはありません。    そこで、これらを「わかる」から「できる」へと進化させる具体的なワーク内容として、次のようになります。

 

【ワーク①】

 このワークでは、ビジネス版とプライベート版に分けていろいろな分野を用意しています。その分野ごとに課題を洗い出していただきます。多くの課題を書き出す方とあまり書き出せないで首をかしげている方、いろいろな分野からまんべんなく書き出す方と一部の分野に偏る方など、いろいろな方がおられます。  このワークを通して、自分は課題発見できるか、他のメンバーと比べてどうか、実際自分には何が課題なのか、などについて明らかにしていただきます。

 

【ワーク②】

 続いてこのワークでは、洗い出した課題の現状を把握していきます。単に「問題だ!」と指摘するのではなく、同問題なのかということを客観的データ・具体的な事実により明らかにしていく手法を学んでいただきます。  この工程により、課題への対応の必要性を自分自身に対して、他の関連部門などに対して、明らかにすることができるのです。

 

【ワーク③】

 最後のワークは、特性要因図による原因の究明です。課題を洗い出したならば、10人中8人くらいまではすぐに対策を考え始めます「じゃあ、どうしようか」と。しかし、これが落とし穴です。勘で対策を立てても、時間や労力のムダになるリスクが高いのです。「やったけど効果が上がらず、課題はそのまま」なんてケース、心当たりありませんか。

 

 対策というのは、原因を取り除くことです。そして、原因を取り除くためには何が原因なのかを究明する必要があるのです。ここで威力を発揮するのが特性要因図です。実際にホワイトボードを使って特性要因図を描いていただくワークをやりますと、当初は戸惑われますが、そのたち「ああでもない」「こうでもない」と、大いに盛り上がります。

 

 ちなみに、特性要因図を作成するスキルを強化したければ、ヤフーなどの検索エンジンにて「特性要因図」と入力して検索してみることをお勧めします。ただし、初期設定の「ウェブ検索」ではなく「画像検索」です(ヤフーの場合、検索用の窓の上)。そうすると、数え切れないほどの特性要因図が表示されます。多くの特性要因図を見ることが、一番の近道なのです。 (文責:古木)

 

2015年11月16日 

「わかる」から「できる」への強化ワーク~:計画力編~

 今回は「考え抜く力」から「計画力」を見ていきたいと思います。

 

 はじめに「計画力」の内容、例、着眼点について、再確認してみましょう。

 

【内容】(経済産業省「中間報告」より)

 課題の可決に向けたプロセスを明らかにし準備する力

 

【例】(経済産業省「中間報告」より)

 課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし「その中で最善のものは何か」を検討し、それに向けた準備をする。

 

【着眼点】(「社基塾」作成)

①課題解決提案書

 課題解決に向けたプロセスを明確にし、課題解決提案書(課題・現状把握・目標設定・原因分析・解決策・費用対効果)としてまとめることができる。

 

②スケジュール化

 プロジェクトを実行するうえで必要な作業項目、適性/スキルをふまえた担当者、所要時間/日数、最終期限などをもとにスケジュール化している。(ガントチャート、単独作業を含む時間管理など)  「わかる」から「できる」へと進化させる具体的なワーク内容として、次のようになります。

 

【ワーク①】 課題解決提案書

 「課題発見力」により発見した課題を比較し、優先順位づけをしていきます。

 ここでは、フレームワーク「マトリクス」を利用します。縦軸に選択肢である課題を、横軸には評価基準をとります。各評価基準による総合評価(100点満点、○△×など)にもとづき、改善すべき優先順位が決まります。

 

 改善すべき課題が決まったら、いよいよ課題解決提案書の作成です。

 

 改善提案書は、現状把握、目標設定、原因分析、解決策、費用対効果の順番で作成していきます。

 

 それでは、それぞれの項目をどのように考え作成していけばよいのか、ポイントをみていきましょう。

 

①現状把握

 ここでは、課題の現状を客観的なデータや具体的な事実により明確にしていきます。ここでは、提案書を見た方に対して解決の必要性を訴えます。「これは放っておけない、なんとかしなければ!」と思わせれば大成功です。

②目標設定

 ここでは、目指す姿、ゴールを明確にします。「実行力」でみてきたようにマネジメントサイクルPDCAのC、つまり評価可能であることがポイントとなります。

 

③原因分析

 ここでは、「現状把握」と「目標設定」のギャップを生んでいる原因を分析していきます。「課題発見力」にてみてきました特性要因図が活躍します。体系的に原因を分析し、最終的に真の原因を突き止めます。

 

④解決策立案

 そして、いよいよ解決策の立案になります。ここは、特性要因図により分析した真の原因を取り除く方法を考えます。「創造力」にてご案内していく「成功事例に学ぶ」や「考え抜く」なども総動員していきます。ここでは、有効性・具体性がポイントとなります。

 

⑤費用対効果

 最後に、この改善を実施するにあたりかかる費用と、改善することによって得られる効果を算出し、比較することとなります。ここで多くの方が戸惑われるのは、効果の数値化です。なぜなら、効果は必ずしも数値に現れるものとは限らないのです。よく言われる定性効果(⇔定量効果)です。しかし、数値化されている費用と比較するためには、数値化しなければなりません。今のこのご時世、費用を下回る効果では、上司からゴーサインを得ることは難しいと思います。

 

 このように手順を踏んでいきますと、どなたでも「課題解決提案書」を作成できるようになります。  セミナーでは、個人で取り組んでいただいてもよいのですが、チームで統一した課題を決めて話し合いながら作成していただいております。最後にチームごとにホワイトボードにまとめ、全体発表、質疑応答を通して、確実に習得していただくという仕組みになっています。

 

【ワーク②】 スケジュール化

 課題解決プロジェクトの計画で活躍するのが、ガントチャートです。  これは、システム開発プロジェクトなどで活用されている手法です。 縦軸に作業項目を並べます。規模に応じて、大項目、中項目、小項目と分類していきます。 横軸には、各作業の担当者、最終期限、そして日付などを記入していきます。  これにより、課題解決プロジェクト全体の進捗状況を把握することもできます。

 

 もうひとつのスケジュール化として、日々の時間管理にも取り組んでいただきます。 ちょうど来年の手帳が売り出され始めた頃であり、日々のスケジュール管理について考えるよい時期だと思います。

 

 みなさんは日々のスケジュール管理をどのように取り組んでいますか。ここでお伝えしているのは、時間管理ができる手帳(またはソフト)を選び、自分ひとりの単独作業もスケジュール化するということです。

 

 会議、打ち合わせなど、相手がいる作業だけをスケジュール化し、空いた時間で単独作業(資料作成など)するなどしていませんか。タイムマネジメントのセミナーでは「突発的な仕事が入った」「所要時間の見積もりが甘すぎた」という感想がよく聞かれます。 単独作業もしっかりとスケジュール化し、突発的な仕事が入りそうになったときには、その影響を図り的確な対応(既存のスケジュールを他へ依頼、期限を延長など)へとつなげます。また、常に所要時間を見積もりスケジュール化し、所要時間見積もり力の強化を図っていただきます。 (文責:古木)

 

2015年12月01日 

「わかる」から「できる」への強化ワーク~創造力編~

 今回は「考え抜く力」から「創造力」を見ていきます。

 

 はじめに「創造力」の内容、例、着眼点について、再確認してみましょう。

 

【内容】(経済産業省「中間報告」より)

 新しい価値を生み出す力

 

【基本姿勢】(経済産業省「中間報告」より)

 既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決手法を考える。

 

【着眼点】(「社基塾」作成)

①発想法/フレームワーク

  発想法(ブレーンストーミング、発散と収束など)やフレームワーク(ロジックツリー、特性要因図など)を活用して、新しい解決方法を模索している。

 

②考え抜く姿勢

 課題への対策のことを常に頭の片隅におき、日常のすき間時間を活用して、繰り返し繰り返し考え続けている。  ここでひとつ、お伝えしておきたいことがあります。 それは「創造力」は生まれ持った資質ではなく、だれでも身につけることができるスキルだということです。アイデア・発想を出すことが苦手いう方は多いのですが、そのような方こそ是非、スキルの強化を図っていただきたいと思います。

 

「わかる」から「できる」へと進化させる具体的なワーク内容として、次のようになります。

 

【ワーク①】 プロに学べ

 ブレーンストーミングやフレームワークを使った演習もやりますが、ここでは「プロに学べ」というミニワークをご紹介してみたいと思います。多分、多くの方々は「アイデア・発想」のプロではないと思います。しかし、意識してまわりを見渡すと、プロの作品を目にすることができます。身近なところでは、コンビニなどは「アイデア・発想」の宝庫です。新商品、ネーミング、他コンビニとの差別化の工夫などなど。

 例えば、500円の「本格派イチゴジャム」はスーパーのジャム売り場では、なかなか売れません。お客は100~200円の安いジャムを選んでいきます。あるとき売り場を変えたところ、突然売れ始めました。さあ、どこで販売したのでしょうか。

 

 みなさんが店員だったら、どこで販売しますか。突然売れだしたのは、果物売り場のイチゴの横に置いてからでした。ジャム売り場では高いと敬遠されていた「本格派イチゴジャム」ですが、生のイチゴとの比較では、それほど高いと感じません。また、生イチゴが欲しいけど日持ちしないなあと迷っていたお客さんが日持ちする「本格派ジャム」を買っていくようになったのです。「なるほど!」ですね。

 

 そんな日ごろ目にした耳にした「なるほど!」というアイデアを出し合うことによって、今までは何気なく見ていた風景が「創造力」を鍛える道場へと早変わりするんです。最近みなさんが目にした耳にした「なるほど!」は、何ですか。

 

【ワーク②】 考え抜く習慣

 どんな天才にとっても「繰り返し考えること」が大切です。よく天才はトンチンカンな受け答えをすることがありますが、きっと何かを考え続けていたのでしょう。もしかすると、この「考え抜く」ということをしていたから天才と呼ばれる才能を発揮できたのかも知れませんね。

 

 限られたセミナー時間の中でこの体験を実践するのは難しいので、多くの場合はやり方だけお伝えして、後は各自に実践していただいています。2日間のセミナーの場合には1日目にお伝えして、夜間に考え抜いていただき、2日目に感想を述べ合う時もあります。午前中にお伝えして、お昼休みに考え抜いていただき、夕方に感想を述べ合うこともあります。

 

 私も最近は慣れてきたので、3つくらいのテーマを常に頭の片隅において「考え抜く」ようにしています。  数分程度の短い時間用、30分くらいの中くらいの時間用、1時間以上の長い時間用などです。通勤途中、昼休み、帰宅途中、入浴中、布団の中など、場面と気分によって「取り出して考えてまたしまっておく」を繰り返しています。そうすると、机に向かって考えるより、よいアイデアが浮かぶ、考えがまとまるから不思議です。

 

 昔、中国の政治家・学者欧陽修が「帰田録」に書いた言葉で、考えることに適した場所として三上という言葉がありました。三上とは、馬上(今では電車の中)・枕上・厠上(トイレ)のことです。 何か通じるものを感じませんか。  

 

 先日のセミナーでこの「考え抜く習慣」をご紹介したところ「すき間時間まで考えていたら、ノイローゼになっちゃいますよ」という方がおられました。うんうん、そうだそうだ、なんてうなずいている方もおられるのではないでしょうか。

 

 しかし、ここに落とし穴があります。「考えるからノイローゼになる」ではなく「考えないからノイローゼになる」ですからね。

 

 マラソンを例にとってご説明しましょう。オリンピック出場を目指しているベテランランナーと素人ランナーがいるとします。42.195km走ったら、どちらが早いでしょうか、どちらがより疲れているでしょうか。  ベテランランナーの方が早く、それでいて疲れていないのではないでしょうか。それは、なぜでしょうか。そうです、日ごろからトレーニングで鍛えているからなんです。

 

 脳も筋肉と同じです。日ごろから考えて鍛えている脳は、日ごろあまり考えていない脳よりノイローゼになりにくいんです。ぜひお試しあれ。 (文責:古木)

 

2015年12月28日 

厚生労働省 vs 経済産業省?

今回は先日登壇したセミナーの報告をさせていただきます。

 このセミナーは、12月から義務化された「ストレスチェック制度」への対応セミナーでした。 しかし、単に当制度の案内や対応方法を説明する内容ではありません。「高ストレス者を出さないための仕組みづくり」という内容です。

 まずは「ストレス制度」について、再確認しておきましょう。

 

1.導入の背景・経緯

(1)仕事や職業生活に関して強い不安、悩み又はストレスを感じている労働者が5割を超える状況。

(2)仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災認定される労働者が増加傾向。

(3)平成27年12月1日「労働安全衛生法の一部を改正する法律」施行。

~厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」より~

 

2.制度概要

(1)常時使用する労働者に対して、ストレスチェックを実施することが事業者の義務。 (従業員50人未満の事業場は、当分の間努力義務)

(2)実施頻度は1年ごとに1回、労働基準監督署へ報告。

(3)調査票は、仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポートから構成。

(4)高ストレス者と評価され、本人から申出があれば、医師による面接指導を義務づけ。

 

3.参考サイト

「5分でできる職場のストレスセルフチェック」 http://kokoro.mhlw.go.jp/check/

「ストレスチェック制度 簡単!導入マニュアル」 http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf#search='%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF+%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81'

「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」 http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-1.pdf#search='%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF+%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81'  

 

今回実施したセミナーの内容は、検査に使用される調査票の項目ごとへの対策、ストレス発生の仕組みにもとづいた対策についての講義と演習でした。

 

 国が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」は57項目から構成されています。主な質問項目は、次の通りです。

(1)ストレスの原因に関する質問項目

(2)ストレスによる心身の自覚症状に関する項目

(3)労働者に対する周囲のサポートに関する項目

 

 また、ストレス発生の仕組みについては、NIOSH(米国立労働安全衛生研究所)による「職業性ストレスモデル」をもとにしました。

 

主な項目は、次の通りです。

(1)仕事のストレス要因(職場の人間関係・仕事の質・仕事の量)

(2)仕事以外のストレス要因(家庭問題・経済的問題)

(3)個人的要因(年齢・性別・性格・捉え方)

(4)周囲のサポート(上司・同僚・家族)

(5)心身のストレス反応(心理的反応・生理的反応・行動化)

(6)疾病(心身の障害)

 

 このストレスチェック制度に対する有効な手段は、実は10年前に提唱されていたのです。それこそが「社会人基礎力」なのです。

 

「職業性ストレス簡易調査票」各項目への対策の極意は、次の通りです。

(1)「ストレスの原因」へは「考え抜く力」による課題解決力。

(2)「個人的要因」へは「前に踏み出す力」によるモチベーションアップ。

(3)「周囲のサポート」へは「チームで働く力」による職場コミュニケーション。

 

 このように「社会人基礎力」(3つの能力)により、ストレスチェック制度をクリアできるのです。ストレスチェック制度を単に「行政からの締め付け」と捉えず「社会人基礎力」を強化する絶好な機会と捉えられるかが重大なポイントとなります。

 

 先日伺った組織でも、メンタル不調者の問題が出ていました。課にひとりずつくらいいるとのことで、想像以上の実態に愕然としました。仕事量が増え、質的にも複雑・高度化し、一方で社員は増えないどころか削減の可能性さえあり、またベテランが職場を去り新人が入ってくる昨今、的確な対応を取らなければ組織は大きな痛手を被ることになりかねません。社員モチベーションの低下、離職率の高まり、進まない優秀な人材確保・・・。

 

 来年度は「ストレスチェック制度(厚生労働省) by 社会人基礎力(経済産業省)」をひとつのテーマとして取り組んでいきたいと思います。 (文責:古木)

 

2016年01月18日 

「職業性ストレス簡易調査票」への傾向と対策

前回に引き続き、昨年12月から義務化された「ストレスチェック制度」について見ていきたいと思います。

 

 この制度の中心となるのが「職業性ストレス簡易調査票」です。この調査票を正しく理解し対応していくことが求められます。

 

 これは、57の質問に答えるだけでストレス度合いを診断するという「すぐれもの」で、有識者による評価もよいようです。 この「職業性ストレス簡易調査票」について「2つの傾向と対策」として読み解いていきたいと思います。

 

【傾向と対策 その1】

 57項目は、実はストレスの「原因」と「結果」から構成されています。

 職場の現状を知るのであれば原因と結果とも同様な取扱いでよいのですが、対策を考えるのであれば「原因」のみに注目すべきです。“原因さえ解決すれば結果は後からついてくる”です。

 

 項目は、次のように分類できます。

 

≪原因≫

□ストレスの原因(職場・仕事の質・仕事の量・仕事に対するコントロール度)

□周囲のサポート(職場の上司・同僚・家族)

 

≪結果≫

□心身の自覚症状(心理・身体・行動)

□満足度(仕事・家庭生活)

 

 対策は「原因の除去」なわけですから「ストレスの原因」や「周囲のサポート」ができていない原因を分析して、それを除去する対策へとつなげることが、同制度の克服、「働きやすい職場」の実現となるわけです。

 

 ここでは「考え抜く力」(特に課題発見力)による「課題解決」と「チームで働く力」(特に傾聴力/柔軟性/情況把握力)による「職場コミュニケーション」が効果を発揮します。

 

【傾向と対策 その2】

 NIOH(米国立労働安全衛生研究所)による「職業性ストレスモデル」と調査票を照合しますと「個人的要因」(捉え方/自己評価など)の項目が目立たないことに気がつきます。

 

 同じ環境下でも、ストレスを感じる人もいれば、それを成長の機会と捉える人もいるよう「個人的要因」もストレスの大きな原因となっています。

 

 では、なぜ目立たないのでしょうか。これは私見ですが、今回の制度は「職場環境の改善」を目標としたものであるため敢えてそれ以外の要因を外しているのではないでしょうか。

 

 ということは、たとえ調査票になくとも本格的なストレス対応を講じるためには、この「個人的要因」への対策も見落とせません。

 

 ここでは「前に踏み出す力」(特に主体性/ストレスコントロール力)による「モチベーションUP」が効果を発揮します。

 

 最近いくつかの企業にヒアリングをさせていただいておりますが、調査の実施時期については決算・組織変更・人事異動が一段落した6~7月、期限である11月30日前の9~10月に実施を予定している企業が多いようです。

 

 せっかく全社的な調査をするのであれば、調査実施までの上流工程への対応や単なる現状把握に終わらせるのではなく、職場環境の改善、社員の能力強化(課題解決力・職場コミュニケーション・モチベーションUP)へとつなげていただきたいと思います。

 

 また、実施後に結果をふまえて対策を実施するのもよいですが、できれば初回の調査実施前に対策を実施し、よい調査結果を引き出したいとところです。

 

 私たちは、そのためのサポートを目指していきます。

(文責:古木)

 

2016年02月02日 

“「頭の体幹」鍛えよ”

今回は、2月1日(月)の新聞朝刊の「気になる記事」について、みなさんにご紹介させていただきたいと思います。

 

 それは、日本経済新聞 “「頭の体幹」鍛えよ”というコラムです。

 なぜこのコラムをご紹介するかというと「基礎力」の大切さについてたいへん的確に示しているからなんです。この記事ではNPO法人「人材創造フォーラム」が立ち上げた産学連携若年層育成プロジェクト(法政大学教授藤村博之氏を中心としたメンバーで構成)が発表した「12の提言」が紹介されています。

 

 今回の発表内容から、主な点を抜粋してみたいと思います。

■どんなスポーツでも体幹がしっかりしていないと良い成績を残せない。頭にもそのようなものがあるのではないか。私たちは、それらの能力を「頭の体幹」と呼ぶ。

■「頭の体幹」は、大学教育だけで形成されるものではない。入社後もトレーニングが続く。しかし、基礎がしっかりしていなければ効果は高まらない。

■会社の中で誰かがしなければならない仕事に取り組むことで「できること」を増やしていけば、そのうち「やりたい仕事」につくことができる

 

~「大学と企業への12の提言」からの抜粋~

③教員(会社の場合は上司や先輩)が教え方を工夫する

⑪考える習慣を身につけさせる

⑫入社後も「頭の体幹」を鍛え続ける

 

 ここで述べられていることは、私が2010年4月1日弊社ホームページに投稿したコラム記事にたいへん近い内容だと感じました。そこで、まったく同感という気持ちで読ませていただいた次第です。

【2010年4月1日付コラム】 http://www.careert.co.jp/notice

 

 「基礎力」さえしっかりしていれば、後はその上に「専門知識」と「実務経験」を積んでいくだけなんです。しかし「基礎力」しっかりと身についていないと、いくら「専門知識」や「実務経験」を積んでも伸びないんですね。「社会人基礎力」の重要性を再認識させられました。

 

 あれこれ手を出すより、この3つの能力、12の能力要素に絞って強化すべきだと思います。専門知識を得て、実務経験を積みながらも伸び悩んでいる方、ご自身の3つの能力、12の能力要素を見直してみませんか。

 

 これからも「社会人基礎力」の普及・促進により、働く喜びを実感するため、働く苦しみ(ストレスなど)を取り除くために取り組んでいきたいという気持ちを新たにさせてくれた記事でした。

(文責:古木)

 

2016年03月24日 

「上杉謙信公家訓十六ケ条」に学ぶ

 研修登壇のため富山県に出張した帰りに、戦国武将の上杉謙信が居城とした春日山城に立ち寄ってきました。

 

 歩くことは嫌いではないので山城の頂上まで登って、越後の日本海やアルプスを見おろす謙信公の気分を味わってきました。

  その中で最も印象に残ったのは、謙信公のお墓がある林泉寺にて説明を受けた「上杉謙信公家訓十六ケ条」です。平日の昼間だったため訪れる人影もまばらで、担当の方が懇切丁寧に説明してくれました。

 

  長くなりますが、全条を引用してみたいと思います。

 

一、心に物なき時は心広く体 泰(やすらか)なり

一、心に我儘なき時は愛敬失わず

一、心に欲なき時は義理を行う

一、心に私なき時は疑うことなし

 

一、心に驕りなき時は人を教う

一、心に誤りなき時は人を畏れず

一、心に邪見なき時は人を育つる

一、心に貪りなき時は人に諂(へつら)うことなし

 

一、心に怒りなき時は言葉和らかなり

一、心に堪忍ある時は事を調う

一、心に曇りなき時は心静かなり

一、心に勇みある時は悔やむことなし

 

一、心賤しからざる時は願い好まず

一、心に孝行ある時は忠節厚し

一、心に自慢なき時は人の善を知り

一、心に迷いなき時は人を咎めず

 

  最近、アドラー心理学として「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」などが売れていたり、「アンガーマネジメント」として「イライラ」関連の本も注目されたりしているようです。 しかし、この「上杉謙信公家訓十六ケ条」こそ「日本流アンガーマネジメント」なのかもしれませんね。

 

 ご自身にとって気になった条文を選び、日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ちなみに私は次のような条文を心にとめ、これからの志としていきます。

一、心に私なき時は疑うことなし  ⇒疑うときには、心に私心はないか

一、心に勇みある時は悔やむことなし  ⇒悔やむときは、心に勇気は足りているか

 

  ところで、「社会人基礎力」もアンガーマネジメントとして有効だなんて、知ってました?

「イライラ」しない強い自己を確立する「主体性」、「イライラ」の原因を解決する「課題発見力」、「イライラ」をも受け容れてしまう「柔軟性」などなど。

ぜひ、あなたやまわりの方々の「イライラ」の解消に「社会人基礎力」の育成・強化をお役立てください。

(文責:古木)

 

2016年99月99日 

今後の掲載欄です。

今後の掲載欄です。

 

2016年99月99日 

今後の掲載欄です。

今後の掲載欄です。

 


 

【前に踏み出す力】
コラム
2014年02月26日

ソチ冬季五輪にみる社会人基礎力①(前に踏み出す力)

2月7日から2月24日(現地時間)まで、17日間開催されたソチ冬季五輪が閉幕しました。日本が獲得したメダル数は長野大会に次ぐ8個と、10代の若者から40歳以上のベテランまで幅広い世代の選手たちが活躍してくれました。アスリートのみなさん、勇気と感動をありがとうござました。

 さて、オリンピックにはいろいろな楽しみ方があると思いますが、ここでは「社会人基礎力」の視点からみてみたいと思います。「社会人基礎力」を構成する3つの能力(「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」)の観点から最もその力を発揮した選手を選び、これからのお手本とさせていただきたいと思います。

 まず「前に踏み出す力」では、フリースタイル女子モーグルに出場した上村愛子選手です。彼女は、前回のバンクーバー冬季五輪にて「何で、こんなに一段一段(7→6→5→4位)なんだろう」という言葉を残し、今回再チャレンジしました。まだ開会式の興奮冷めやらぬ中、決勝が行われました。上村選手は難コースを積極的に攻めて、出場選手中で最も早くゴールしました。しかし、審査ではスピード以外の要素も加味されます。最後の選手が滑る直前まではメダル圏内だったものの、最後の最後になってまたもやメダルの夢が消えてしまいました。

 しかし彼女のインタビューでは、意外にも「清々しい気持ち」という言葉が何度も飛び出していました。指で涙を拭うしぐさをしながらも、その表情からは「清々しい気持ち」がはじけていました。元アルペンスキー日本代表で今回NHKにて解説を務められた皆川賢太郎氏(上村選手の夫)の言葉がたいへん印象的でした。「今までのオリンピックはだれかのため、ソチは愛子のため。だから『清々しい気持ち』になれた」と。

 これからは若手の指導者として、また皆川氏と力を合わせて二世を育て、今度こそメダルの夢を叶えられることを期待しております。次回では、「考え抜く力」を発揮された方を取り上げてみたいと思います。どうぞ楽しみにしていてください。(文責:古木)


 

2010年04月16日

あなたの「座右の銘」は?(主体性)

自己紹介などの時に、「座右の銘」を紹介することがあります。「ことわざ」であったり、四字熟語、中国の故事であったりします。どの言葉を 「座右の銘」にしようかと考える時、その人の価値観が大きく影響します。自分自身を見つめ、自分の価値観に合った言葉に出会うことは、「主体性」を確認し高めるうえで、たいへん大切なことです。


ちなみに、私の「座右の銘」は、「吾唯足知」です。これは、京都の龍安寺のつくばい(手水鉢)に記された言葉です。「口」を中心にし、上・右・下・左に四字を並べた図をご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。この言葉を聴くたびに、「ないもの」に不満を言うのではなく、「あるもの」に感謝することの大切さを教えられた気持になります。ついに九州から取り寄せた実物大のつくばい(石製)を自宅の庭に置いてしまったほどです。


さあ、あなたの「座右の銘」は何ですか?それを選ばれたのは、どのような気持からですか?自分の「主体性」の軸について意識するうえでも、ぜひ自らの「座右の銘」を定め、いつも目に見える場所に掲示しておかれることをおすすめします。(文責:古木)


 

2010年12月16日

推薦図書「自分らしく生きる」(主体性)

主体性は、社会人基礎力における12の能力要素すべての基本となる能力です。最も重要な能力であるとともに、最も取扱いが難しい能力でもあります。そのような主体性に関する推薦図書として私は「自分らしく生きる」(中野孝次著 講談社現代新書)をご紹介してみたいと思います。


人間だれしも、いろいろな危機に直面することがあります。私もある時期に「主体性の危機」に陥りました。そのような時に出会ったのが、この本でした。「自分らしさを失わずに生きるには、人はいったい何を必要とし、何を必要としないのか」と訴えかけられた時の衝撃を、今も忘れることができません。気づくと、彼の100冊以上におよぶ全著作を読破していました。まるで著者が目の前に現れ会話を交わしているように、一字一句を噛みしめながら、自己の心に問いかけながら読み進めていきました。私はこの経験を通して、自分の主体性を引き出していただいたように感じました。そうなんです、「主体性」というものは「外から与えられるもの」ではなく、もともと自分の中にあるもの、「内から引き出されるもの」なんですね。それに気づかせてくれるのが本であったり、人であったりするわけです。これは、他の能力要素と大きく異なる点でもあります。


まだ「主体性」が確立できていないと感じる方は、著者が自分の考えをストレートに語りかけている本をぜひ読んでみてください。もし読み始めた後に「違うかな」と感じたら、迷わず他の本を探しましょう。時間が過ぎることを忘れてしまうような著者と出逢い、速読ではなく自分自身の心に問いかけながら、気に入ったフレーズがあればメモしながら、紹介されている本などで道草しながら、マイペースで読み進めてください。そのような地道な行為から、あなたの中に眠っていた、あなただけの「主体性」が姿を現してきます。よき出逢いを。(文責:古木)


 

2013年1月1日 

「強い日本」と社会人基礎力(主体性)

年が明け、いよいよ新しい年がスタートいたしました。みなさまは、いかがお過ごしでしょうか。
今年からは政権も変わり、社会全体に大きな変革が起きる年となりそうです。
政権が目指す「強い日本」を実現するためには、まず私たち一人ひとりが「強い個人」であることが求められます。そして、その強さを支える礎が「社会人基礎力」です。社会人基礎力が3つの能力と12の能力要素から構成されていることは、ご存知の通りです。


【ご参考】
①前に踏み出す力(主体性・働きかけ力・実行力)
②考え抜く力(課題発見力・計画力・創造力)
③チームで働く力(発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力)


 しかし、この12の能力要素はすべて同レベルということではなく、「1+11」といってよいほどひとつの能力要素の重要性が抜きん出ています。そんなダントツ能力要素とは、「主体性」です。「主体性」は他11の能力要素にとって必須な存在となっています。「主体性」の重要性についての説明は割愛させていただきますが、それほど重要な能力要素でありながら、あまり研修テーマとして取り上げられてこなかったのはなぜでしょうか。それは、短期間での習得が難しいこと、一人ひとり対策が異なることなどによるのではないでしょうか。

私も昨年は北海道・東北から四国・九州まで全国にて150回/年間の研修に登壇させていただきました。そして各会場では、リーダー層からは「最近の若者は指示待ちが多く、もっと自分で考えて行動して欲しい」「若手のモチベーションを上げることに悩んでいる」、若手からは「なかなか自信が持てない」「まわりからの期待に応えられない」など、多くの相談を受けました。この問題の解決策こそ、「主体性」です。「主体性」の強化なくして「自主的な行動」「モチベーションの向上」「自信を持つこと」はありません。私は今年、この「主体性」をテーマに取り組んでいきたい!という思いを新たにしました。


簡単にご紹介しましょう。「主体性」強化のポイントは、自分の「強み」を発見→発揮→強化していくことです。多くの場合、この当たり前なことができていません。なぜでしょうか。それは、「強み」の強化より「弱み」の底上げに取り組んでしまうからです。これも正しい対応なのですが、大切なことを見落としています。それは、「強み」を強化すべき「資質」と、「弱み」を底上げすべき「スキル」の見分けがついていないことです。「資質」とは無意識なうちにできている考え方・行動パターンであり、変えることはなかなか困難という特性を持っています。一方「スキル」とは知識・情報・技能・経験など、努力により変えることができるという特性を持っています。多くの場合、変えられない「資質」の「弱み」を一生懸命に強化し、変えられる「スキル」の「強み」をより強化してしまうという失敗に陥っています。その方が心地よく、安心できるからなのでしょう。


今年を、「資質」における自分の「強み」という武器を見つけ、それに磨きをかけていくためのお手伝いに取り組んでいく年としたいと思います。結果として「強い個人」そして「強い組織」「強い日本」へとつなかっていくことを切に願っております。いつかどこかで、みなさまとお会いできることを楽しみにしております。本年がみなさまとりまして、よい年となりますように心から祈念申し上げております。(文責:古木)


 

2010年05月01日

できていますか?「ほめる」と「叱る」(働きかけ力)

研修にて「ほめることの大切さ」についてご説明しますと、みなさん力強く首をタテに振られます。次に「では、ほめていますか?この一週間で何回ほめましたか、だれをほめましたか、どのような言葉でほめましたか、ほめた後の相手の反応はどうでしたか?」とお聞きすると、戸惑ったような表情を見せながら首をヨコに振られます。これは、人材育成上の課題のひとつである「頭ではわかっていても、行動につながっていない」という典型です。


一方、「叱ること」についても、多くの方が苦手とされているようです。「相手との人間関係を壊したくない」とか「正しい叱り方がわからない」とか「わが身を振り返ると、叱る資格がない」という意見まで。「叱っています!」という猛者が現れたかと思いましたら、それは相手のために「叱る」ではなく、自分のための「怒る」であり、パワーハラスメントまがいであったり。


まわりに働きかける上で、特に「ほめる」は、たいへん重要なスキルです。「ほめることがない」などというご意見もありますが、実は、ほめる材料は、まわりにゴロゴロしているのです。それらに気づき、「数多く、具体的に、タイミングよく」ほめることがポイントです。ほめられて嫌な思いをする方はいないわけですし、何といってもほめるのはタダです。ほめることが上達したら、本来は「叱る」場面であっても、敢えてほめてみてください。受講者の方に今まで経験した「うまい叱り方」についてお聞きすると、「叱られると思ったら、かえって励まされ、やる気がわいてきた」という意見が多く聞かれます。最高の「叱り方」は、実は「ほめること」だったのですね。ぜひ「ほめるプロ」を目指してください。あなたならできます。「社会人基礎力」に関心を持つ方は、みなさん素晴らしい方ばかりですから。これって「ほめる」?(文責:古木) 


 

2011年01月01日 

推薦図書「プロジェクトX リーダーたちの言葉」(働きかけ力)

2000年3月から2005年12月まで、NHK総合テレビにて「プロジェクトX~挑戦者たち~」というドキュメンタリー番組が放映されました。中島みゆきさんが歌う主題歌「地上の星」のように、元は無名なリーダーたちが、まさに「前に踏み出し、他人に働きかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく」挑戦と努力、そしてその成果の紹介をテーマとした番組でした。残念ながら番組は終了してしまいましたが、関連書籍が出版されています。


「プロジェクトX リーダーたちの言葉」、「プロジェクトX 新・リーダーたちの言葉」(文芸春秋)


 この中に収録されている「リーダーたちの言葉」の中から、一例をご紹介します。


「挑戦者に無理という言葉はない」
「オール・フォー・ワン、ワン・フォー・オール。一人はみんなのために、みんなは一人のために」
「愛でしょうね、仕事に対する。お金とか名誉とかってのは、あんまり考えないですよね、われわれは」



これらの言葉から人を揺り動かす「何か」を感じるのは、私だけでしょうか?切れば血が吹き出しそうな迫力を、これらの言葉からは感じます。言葉は「言霊(ことだま)」とも言われますが、膨大なデータよりも、心から発せられた「ひとこと」のほうが人を動かすことがあるんですね。


「働きかけ力」を強化するうえでは、この力が強い方の著作を読んだり、そのような方々を紹介した書籍やテレビ番組を見たりすることがたいへん有効です。現在放映されている番組の中からは、次の番組を紹介したいと思います。



①「プロフェッショナル~仕事の流儀~」NHK総合 月曜よる10時から
②「仕事学のすすめ」NHK教育 木曜よる10時25分から
③「カンブリア宮殿」テレビ東京系 木曜よる10時から など



研修にて、これらの番組をご紹介することがありますが、多くの方々はご覧になっていません。というより、そのような番組が存在すること自体をご存じではありません。そこで、「あれ、この時間はまだお仕事中でしたか?」と皮肉りますと大爆笑。バラエティ番組も楽しいのですが、ぜひ、このような教養番組も活用していただきたいと思います。きっと、みなさんの「働きかけ力」を強化するヒントが見つかるはずですから。(文責:古木) 


 

2010年05月16日

「習慣は、第二の天性なり」(実行力)

1回あたりの時間はわずかであっても、習慣としてコツコツと「粘り強く取り組む」ことは、大きな成果につながります。場合によっては、「第一の天性」に勝るとも劣らないほどの力を発揮します。


研修の中で、このような質問をすることがあります。「1日30分あることを習慣づけし、それを1年間続けたら合計時間は何日分くらいになるでしょうか?」しばらく計算した後に「1週間強くらいでしょうか」と自信なさげな声があがります。(時々「1ケ月です!」などと、こちらの意図をくみ取りすぎた回答もありますが) どうでしょうか、後からこの1週間強の時間を確保できるでしょうか、仕事もせずに夜も眠らずに。しかも、これが1日60分の習慣であれば半月分となり、それを2年続けたら合計1ケ月分の時間に相当するわけです。


習慣の重要性について認識していただいた頃を見計らって、次の質問をします。「では、これほど重要な習慣を利用して、みなさんはどのようなことに取り組んでいるでしょうか?」すると、たちまちに納得顔から困惑や苦笑いの表情に一変します。ちなみに私の習慣は、毎日1時間以上日本経済新聞を読むことです。かれこれ24年以上になりますから、合計しますと1年間分以上の時間となりましょうか。(自分でも驚き、再計算してしまいました)


先日の研修では「習慣を始めても、いつも続かないんです」と相談を受けました。続けて実行するコツは、①内容が自分にとって魅力的であること(または、実行後に、その内容の中に魅力を見出すこと) ②毎日決められた時間に実行すること ③外部に宣言して、やらざるをえない立場に自分を追い込むこと などでしょうか。さあ、これからどんな習慣を始めましょうか。(文責:古木) 


 

【考え抜く力】
コラム
2014年03月03日

ソチ冬季五輪にみる社会人基礎力②(考え抜く力)

前回は「前に踏み出す力」のお手本として、フリースタイル女子モーグルに出場した上村愛子選手を紹介させていただきました。今回の「考え抜く力」のお手本としては、フィギュアスケート男子シングルの羽生弓弦選手とブライアン・オーサーコーチの師弟コンビを選ばせていただきました。オーサーコーチは、浅田真央選手のライバルで前回バンクーバー五輪にて金メダルを獲得したキム・ヨナ選手の元コーチとしても有名です。

羽生選手のインタビューの中で、こんなひと言が印象に残りました。「この1年、技術的にはそんなに進歩していると思っていません。しかし脳の使い方は成長した自覚があります」(19歳とは思えない冷静な受け答えですね)羽生選手は毎日ノートをつけ、自分のジャンプについて、青は失敗しているジャンプ、赤はしっかり降りたジャンプ、緑は回転が足りないと、分析結果を記録して反省材料にしていたのです。また、携帯電話にはソチオリンピック金メダルの写真を記録しておき、常に眺めながらモチベーションを高めていたのです。

オーサーコーチも、ほぼ毎週のようにジャッジ・ミーティングを開き、「得点が出る方法」に関して情報収集と分析をしていました。フィギュアスケートは、スピート、飛距離、得失点差などを競うスポーツと違い、ジャッジに対する戦略が大きく影響することをだれよりも熟知していたのでしょう。難易度よりもGOE(加点)を重視する手法も、考え抜かれた戦略です。ライバルであるパトリック・チャン(オーサーコーチの母国カナダ代表)の技や構成も研究し尽くして、「秒刻み比較」まで作成していました。だからこそ、フリースケートの前半で羽生選手が転倒した時にも「あらゆる起きうることを想定しています」と、後半で取り返せる自信があったのでしょう。

羽生選手とコーチがともに考え抜いた結果が、憧れのプルシェンコ選手をして「私のアイドル羽生弓弦、金メダルおめでとう」と言わしめたことでしょう。4年後の平昌五輪(韓国)での活躍が楽しみです。(文責:古木)


 

2010年06月01日

新聞の活用 ~デジタルからアナログへ~(課題発見力)

研修の中で、「毎日、新聞を読んでいますか?」とお尋ねすることがあります。すると、最近の若者の場合、半分くらいの方からは手があがりません。その多くの理由は、「インターネットで見てます」とのことです。


確かにインターネットや最近話題の電子書籍は、たいへん優れています。新聞のように朝夕刊まで待つ必要はありませんし、動画つきというスグレモノも現れました。しかし、ここに大きな落とし穴が隠されています。読者に伝わる情報を5W1H的に見てみますと、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(何をした)」においては、確かにインターネットに軍配が上がります。しかし、「Why(なぜ)」「How(どのように)」については、どうでしょうか。論評などの意見記事も読み、じっくり考えながら読む、このようなことができるのは、やはり新聞です。

 しかも、「課題発見力」など「考え抜く力」を強化するためには、この「Why」「How」的な考え方がたいへん重要な役割を果たします。「When」「Where」「Who」「What」は、その出来事固有の情報ですから、その場限りです。一方、「Why」「How」は、自分の身のまわりに類似した課題を探し、原因につて考え、対策を検討するうえで、たいへん役に立ちます。「なぜ起きたのか」「どのように起きたのか」などを意識しながら記事を読むことにより、自然に「課題発見力」「創造力」が強化されます。テレビ欄・スポーツ欄以外で、1日最低30分は、おつき合い願いたいところです。


2日ものの研修の場合、2日目の朝に新聞を持ち寄っていただき、気になった記事についてチームごとに話し合っていただくことがあります。受講者のみなさんからは、「こんなにじっくり新聞を読んだのは初めて」とか「これからは毎日新聞を読む習慣を身につけたい」との声が聞かれます。


朝刊一部百数十円と、缶ジュース1本分程度で手に入る新聞。きっと、あなたの「脳」を潤してくれることでしょう。(文責:古木)


 

2011年02月01日

推薦図書「気づく力」(課題発見力)

先日、仕事で北陸に行っておりに曹洞宗本山永平寺まで足を延ばしてみました。それは、私が毎週日曜日の朝、近くのお寺にて坐禅を組んでいるからです。静かに降り積もる雪に埋もれた禅寺に、「ゴーン」と響く鐘の音。筆舌には尽くしがたい感動を覚えて参りました。


さて、今回は「実行力」について取り上げるところですが順番を変え、「課題発見力」について推薦図書を紹介させていただきたいと思います。「気づく力」(プレジデント社)は、「なぜ人は『大切なこと』を見過ごすのか」について、共同執筆により徹底解明された本であり、「課題解決力」の関連図書として推薦いたします。特に、澤田富雄氏による「課題を見過ごしてしまう人の4つの行動特性」にもとづきながら、考えてみたいと思います。



第一は、「見えない人」です。自分を取り巻く環境の変化に気づかなくては、課題を発見することも、対策を検討することもできません。進化論を著したダーウィン曰く「生き残るものは、最も強いものではなく、最も賢いものでもなく、最も変化に対応できたもの」と。また、物事を見るうえで必要な「3つの目」という言葉があります。地を這う「虫の目」で細かい課題も発見し、「鳥の目」で全体を鳥瞰し、「魚の目」で潮の流れを読み潜在的な課題も発見する目のことをいいます。今まさに、それらを磨くことが求められています。

第二は、「現状に安住する人」です。前例踏襲型で「今までやってきたから、これからも続ける」「今までやったことがないから、これからもやらない」など、ともすると年齢が高い方に見られる傾向かも知れません。シヤチハタという会社をご存知かと思いますが、同社は元はスタンプを製造する会社だったのです。その会社が自らの主力商品であるスタンプを必要としない商品を開発してしまったのです。また、書類の電子化が進む今日、同社は新たに「電子印鑑」を開発しました。まさに、現状に安住することなく、常に課題を発見し、解決にとりくんできたことにより成功をおさめることができたよい事例といえるでしょう。ちなみに、私たちが日頃お世話になっている「シヤチハタ」は実は社名であり、正式な商品名は「Xスタンパー」だそうですが、ご存じでしたか?

第三は、「資源を持たない人」です。ここでいう「資源」とは、発見した課題に対して、それを解決する能力のことです。「考え抜く力」の能力要素である、課題の解決に向けたプロセスを明らかにする力である「計画力」、課題に対して新しい解決方法を考える「創造力」も、ともに課題発見に必要な「資源」となります。これを持ちませんと、「どうせ自分に解決できるはずがない」と諦めてしまい、課題から目を遠ざけるようになってしまいます。

第四は、「主体性のない人」です。当事者意識に欠け、「景気が悪いから」「上司のせい・部下のせい」「他部門が悪い」など、自分以外のせいにして、自己反省しない人です。何事も、「我が事」として真剣に取り組んでこそ、「真の力」を発揮することができます。

いかがでしょうか、どこか心当たる項目はありましたでしょうか。「自分には何が足りないのか」それを認識することが、課題発見力を強化していく第一歩となります。特にリーダーにとっては、自分の部下・後輩には何が足りないのかを認識し、そこに有効な対策を検討し、部下・後輩指導へとつなげていただきたいと思います。(文責:古木)


 

2010年06月16日

「課題解決」と「さかなの骨」(計画力)

課題解決力研修への期待として、「今まで課題解決してこなかったので、その手順を知りたい」「自己流でやってきたので、正しい手順を学びたい」という声がよく聞かれます。業務が多様化かつ増加する反面、人員は削減というダブルパンチを受け、課題解決に真剣に取り組もうとする組織が増えています。


しかし、この課題解決には、自己流で取り組んでしまいますと、つい陥ってしまう怖~い「落とし穴」がいくつかあります。研修においても、多くのチームが、いやほとんどのチームが陥ってしまう「落とし穴」があります。それは、課題に対して、いきなり対策を検討してしまうことです。確かに「スピードが大切」という気持ちはわかります。しかし、残念ながら、これではより時間がかかってしまい、最悪な場合には効果が上がらず解決できないという結果を招きかねません。それは、なぜでしょうか。課題解決における重要なプロセスのひとつ「原因追求」をしていないからです。どのような課題にも必ず「原因」があり、「結果」として課題を引き起こしているのです。根本的な解決を図るためには、この原因を追求をしたうえで、その原因に対して有効な対策を検討していくことが必須となります。


原因追求には、大手自動車メーカーが取り組んでいる「なぜ」を5回繰り返す方法があります。しかし、ここでは「特性要因図」をお勧めします。簡単に書き方をご紹介します。まず「課題」を右側に書きます。次に、左からこの課題に対して一本の矢印線を引きます。次に、その課題を引き起こしていると思われる「主な原因(項目)」をすべて洗い出し、上部または下部にならべ、中央の線と結びます。最後に、それぞれの「主な原因」に対して「詳細な原因」を書き加えていきます。すると、ちょうど「さかなの骨」のような図ができあがります。特性要因図が「フィッシュボーン図」と呼ばれる由縁がここにあります。原因追求では、このように体系立てて、モレなく原因をあげていくのです。そのうえで、この課題を引き起こしている「真の原因」はどれかを検討していくわけです。


もし、このような原因追求なく、課題からいきなり対策を検討していたら、どうなっていたことでしょう。きっと見当ちがいな対策を立ててしまい、労力・費用・時間など貴重な経営資源をムダにし、二度と課題解決に取り組もうとしなくなってしまうかもしれません。


また、「原因追求」には、課題解決における最大のプロセス「対策検討」を容易にするという効果も期待できます。「真の原因」さえわかれば、対策は「その原因を除去すること」でよいわけです。課題解決には、ぜひ「さかなの骨」をお忘れなく。(文責:古木)


 

2011年03月01日

推薦図書「『計画力』を強くする」(計画力)

先日は研修会場が札幌であったため、その後に小樽まで足を延ばしてみました。今年は例年を上回る積雪量であり、名物の運河のまわりにも長い雪堤ができていました。そのような北の大地に脈々と息づく職人技であるガラス細工や心を癒す音色のオルゴールを堪能して参りました。


さて、「計画力」の推薦図書についてですが、私は加藤昭吉氏の「『計画力』を強くする」をご紹介したいと思います。著者は以前に大手建設会社に勤められ、数々のプロジェクトを手掛けられた経験などをもとに、「計画力」について、わかりやすく簡潔にまとめられています。「計画立案のための五つのポイント」や「計画実行の四つのポイント」などもありますが、ここでは「計画立案が失敗する九つの理由」を取り上げてみたいと思います。うまくいった事例より、失敗した事例のほうが学ぶべき点は多いものです。さっそくみてみましょう。

理由1 計画の目的・目標がはっきりしていない
理由2 頭の中だけで組み立てた計画になっている
理由3 状況判断を誤って計画している
理由4 目先の問題解決を積み重ねただけの計画になっている
理由5 複数の計画案の中から選び抜かれていない
理由6 計画通りに実行する熱意に欠けている
理由7 計画実行の勘所をはずしている
理由8 “終わり”からの逆算ができていない
理由9 計画の適切なフォローアップができていない

いかがでしょうか、ご自身の計画に心当たる点はありましたでしょうか。私の場合は、理由5の「複数の計画案」と、理由8の「終わりからの逆算」に反省すべき点がありました。いろいろな視点から「複数のプロセス」を明確にし「最善のもの」を検討すること、「10年後の自分」をイメージしたうえで「今日すべきこと」を決めるなど、さっそく活用していきたいと思います。ご自身の計画がうまくいっている方も、うまくいっていない方も、同書を参考に見直してみてはいかがでしょうか。まだ計画を立てていないという方もご心配なく。どうぞ「計画立案のための五つのポイント」をお役立てください。 (文責:古木)


 

2010年07月01日

「アイデア・発想」は、牛に学べ(創造力)

牛は、4つの胃袋を持っています。 「第一の胃」では、食べた物の繊維質を分解しています。「第二の胃」「第三の胃」では、それを更に分解しています。そして「第四の胃」にて最終的に消化し、栄養分を取り込んでいます。そのような事情から、牛は常に口を動かし、咀嚼を反芻しているのです。牛が「反芻動物」と呼ばれる由縁です。


さて、私たちが課題解決について取り組んだとき、「解決策が見つからない」と、早々にあきらめていないでしょうか。これを牛の胃に例えれば、まだ「第一の胃」レベルであり、最初の分解が行われたに過ぎないのです。解決策を生み出すためには、機会あるごとに課題を反芻し、「新しい解決方法」を繰り返し考え抜くことが大切なのです。例えば、駅まで歩く間、ホームで電車を待つ間、電車に乗っている間など、その時間をどのように活用されているでしょうか。私たちの生活の中には、まだ十分に活用されていない「すきま時間」が存在します。このような時間を利用して「何か新しい解決策はないものか」と、反芻して考え抜くのです。「考え」は「第一の脳」から「第二の脳」「第三の脳」へと進み、ついに「第四の脳」に達します。ここでは、今まで時間をかけ、いろいろな視点から検討を反芻してきた成果が現れます。徐々に「解決策」のイメージが姿を現したり、何かをきっかけに突然に解決策を閃いたりするのです。「反芻思考」とでも、名づけましょうか。


1948年にスイス人のジョルジュ・デ・メストラル氏は、愛犬を連れて野山を歩いていたところ、自分の服や犬の毛にたくさんついた「野生ゴボウの実」から、「マジックテープ(クラレ登録商標)」を思いつきました。では、だれでも野山を歩けばマジックテープを思いつくでしょうか。彼は「テープや糊を使わずにくっつけることはできないか」「それが繰り返しできたら便利なのになあ」と、課題を反芻していたからこそ、解決策を生み出すことができたのではないでしょうか。


最後に、このたび発生した宮崎県の口蹄疫につきましては、関連する方々には心からお見舞い申し上げます。私も毎年、宮崎県市町村職員研修を担当させていただいております。研修後の懇親会に見せる、みなさんの明るい笑顔が思い浮かびます。なにとぞ一日も早く回復されますよう、心から祈念申し上げております。(文責:古木)


 

2011年05月01日

推薦図書「アイデアのつくり方」(創造力)

「創造力」の推薦図書としては、ジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」をあげたいと思います。本書は全体で100ページ、うち30ページ超が竹内均氏による解説が占めるという、たいへんコンパクトな本です。しかし、そのサイズに似合わず現在までに60刷近く増刷が繰り返され、この本の帯に記されている「60分で読めるけど一生あなたを離さない本」は、決して偽りではありません。元広告代理店勤務のヤング氏が本書を通して伝えたかったことは「アイデアの作成は、フォード車の製造過程と同じように一定の明確な過程である」という」メッセージです。では、アイデアを製造する過程をみてみましょう。

【前提】 把握しておくべき事実
①5つの段階を一定の順番で通り抜けるという事実
②どの段階にもそれに先行する段階が完了するまでは入ってはいけないという事実

【過程】 5つの段階
第一段階 特殊資料(テーマにそった知識)と一般知識(あらゆる方面の知識)を収集する段階
⇒「この第一段階がどんなに無視されているか」
第二段階 これらの資料を租借する段階
⇒「心の触覚とでもいうべきもので、一つ一つ触ってみること」
第三段階 問題を意識の外に移し、創造過程を刺激し消化する過程
⇒「食料を集め、それを十分に咀嚼し、胃液の分泌を刺激し消化する過程」
第四段階 アイデアが訪れてくる段階
⇒「その到来を期待していないときに突然訪れてくる」
第五段階 アイデアに手を加える段階
⇒「多くのアイデアが陽の目を見ずに失われてゆくのはここ」

この5つの段階は、発見した課題に対して計画を立て、最後に有効な対策を検討するうえで必須なスキルとなります。「つねにそれを考えること」、考え抜くことを大切にしてきたいと思います。ぜひみなさんも、本書を読む60分を捻出してみてください。(文責:古木)


 

【チームで働く力】
コラム
2014年3月28日

ソチ冬季五輪にみる社会人基礎力③(チームで働く力)

昨夜、NHK総合テレビにて放送された「41歳の境地 葛西紀明 知られざる素顔」をみました。そこで、改めて葛西選手が「レジェンド(伝説)」と呼ばれる所以がよくわかりました。


以前は競技に集中する一匹オオカミ的な存在だった葛西選手が、36歳の時に所属する土屋ホームスキー部の監督に就任したことを機会に変わりました。ご本人談では「心の余裕」が持てるようになったそうです。柔軟に対応できるようになったということですね。今までは競技に集中するために1回しか出ていなかった開会式にも、なんと20年ぶりに主将として参加されました。普通であれば、競技と主将の重責からプレッシャーに押しつぶされそうになるところです。「多くのチームメートと握手して、みんなのパワーがこっちに伝わりました。自分もみんなに頑張ってほしいという気持ちを込めて、手を握り返しました。」と、ストレスをポジティブに捉えて対応する姿勢は見習いたいものです。

 日本チームにおけるもう一人のベテランである渡瀬雄太選手への対応にも、葛西選手のおもいやりが感じられました。残念ながら競技前日のメンバー選考から外れた彼に対して、部屋を訪れて「お前もできる、あきらめなければできる。」と励ましていました。情況を把握する姿勢ですね。この気持ちは、どこからきているのでしょうか。長野オリンピックに直前の怪我で出場できず、日本チームが金メダルを獲った大歓声の中、葛西選手はひとり「落ちろ!」という気持ちで見ていたといいます。そんな自らの悔しい体験から、他人の心の痛みもわかるようになれたのでしょう。伊東大貴選手も渡瀬選手の手袋で飛び、まさにチーム一丸となって戦いました。

 一方、他のメンバーの体調も万全というわけではなかったようです。期待の伊東大貴選手(28歳)は五輪直前に左膝を痛め、ひざが曲がらない状況。同じ部屋だった葛西選手に「(出場は)厳しいです。ノリさん(葛西選手)だったらどうしますか?」と相談。ノリさんの返事は「ここまで来たら、痛み止めを飲んででもやる」と答えたそうです。その言葉に「やれることは何でもやろう」と目が覚めたそうです。

 竹内選手(26歳)は、開会直前の今年1月に2週間入院。競技後の発表では、選手生命にも影響を与えかねない難病を患っているとのことでした。最年少の清水礼留飛選手(20歳)は、兄も父もスキー選手であり、日本にスキーを伝えたオーストリアのレルヒ少佐の名前に由来して命名されたほどのスキー一家に育ちました。しかし年末から調子を落とし、一時はワールドカップ(W杯)から外される悔しさも味わっていました。

そんな厳しい環境の中、日本チームをまとめて1998年長野オリンピック以来のメダル獲得(海外では初)に導いたのは、レジェンド葛西選手の「チームで働く力」なくして考えられなかったと思います。「4人で力を合わせてメダルを取れたことがうれしい。取らせてあげたいと思っていた」と、銀メダルでは見せなかった涙を流しながら語っていた姿は印象的でした。力を合わせて苦難を乗り越えた者たちだけが味わうことができる感動でしょう。どうぞお身体に気をつけながら、これからもスポーツの素晴らしさ、チームワークの大切さを私たちに教えてください。(文責:古木)


2013年11月1日

「埼玉県労働セミナーに登壇いたします。(チームで働く力)

11月7日(木)に埼玉県が主催する「埼玉県労働セミナー」に登壇いたします。会場は、埼玉県戸田市文化会館(JR埼京線戸田駅東口から徒歩10分)です。お時間は、18時30分~20時30分です。ご都合がつく方は、お仕事帰りにでも、どうぞお立ち寄りください。


「職場のコミュニケーション~風通しのよい職場づくりに向けて~」をテーマに、社会人基礎力(経済産業省提唱)のひとつ「チームで働く力」の基本と実践を取り上げます。事業者の方、管理職の方、中堅・若手社員の方、就職活動中の方など、どなたにもお役に立つことをお約束いたします。


詳細な内容/お申込みにつきましては、下記サイトをご参照ねがいます。
では、会場にてお会いできることを楽しみにしております。(文責:古木)

 

【案内チラシ】(会場案内図掲載)
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/574246.pdf


2010年07月16日

「発信力」強化、実は「受信力」がポイント(発信力)

発信(アウトプット)には、「書く力」「話す力」があります。一方、受信(インプット)には、「読む力」「聴く力」があります。そして、この両者をつなげる機能が、「考える力」となります。こられの「五つの力」は、相互に強く関連しています。よい発信をするためには、よい受信、つまり「読む力」「聴く力」が求められるのです。日頃は、つい無意識に読んだり聴いたりしてしまうことを、有意識(無意識ではなく)をもってすることにより、発信力の強化につながるのです。わかりやすい文書や、わかりやすい説明に接した時には「なぜわかりやすいのか」、わかりにくい時にも「なぜわかりにくいのか」「どうすればわかりやすくなるのか」と。そのように意識しながら受信していますと、わかりやすく発信するポイントが見えてきます。
「わかりやすく発信するポイント」は、以下の通りです。

①立場(読み手と書き手・聴き手と話し手)と目的(文書・説明)を明確にすること
②結論が先、理由はその後、箇条書き
③短文であること
④数字、固有名詞により具体化すること
⑤主観的意見と客観的事実を区分すること

以上のポイントを意識するだけで、文書や説明は相当わかりやすくなるはずです。
新聞や書籍、周囲の会話やテレビでの話など、ぜひ文章を意識しながら読んだり聴いたりしてみてください。慣れないうちはたいへんかと思います。しかし、徐々に今までは気づかなかったことが見えてくることでしょう。(文責:古木)


2011年06月16日

推薦図書「心が伝わる『文章力』センスアップBOOK」(発信力)

発信力とは、「自分の意見をわかりやすく伝える力」であり、「話す力」と「書く力」により構成されています。では、まず先にどちらを身につけることが得策でしょうか?私の経験では、わかりやすく話すことは得意でもわかりやすく書くことは苦手という方が多い半面、わかりやすく書く方はそのほとんどがわかりやすく話されているように感じられます。


そこで、ここでは「書く力」を強化するために「心が伝わる『文章力』センスアップBOOK」(株式会社インソース著)を推薦したいと思います。同書は、「Eメールの書き方」と「ビジネス文書の書き方」から構成されています。内容としては、ちょっとした連絡に便利な上司・取引先への報告メール、活動状況についての社内報告書、参加した会議の議事録など、実際のビジネス現場にて数多く作成する実践的な文書を取り上げています。読みやすいストーリー仕立てとなっており、登場人物は、新入社員の書野、先輩マドンナ白戸、出来留課長、強気部長と、どこにでもありがちな場面設定となっています。新入社員である書野が作成する若手が陥りがちな「悪文」(ビフォー)を、先輩白戸、出来留課長、強気部長が根拠を示しながら添削し、「わかりやすい文章」(アフター)へと変身していきます。わかりやすい文章作成の「原則」や「アドバイス」も簡潔にまとめられていて、明日からの文章作成にすぐ活用できる内容になっています。(文責:古木)


2010年08月01日

「聴くこと」って、難し~い(傾聴力)

私たちが受けてきた教育を振り返ってみた時に、 「聴くこと」について受けた教育を思い出すことができる方がどれくらいおられるでしょうか。この「聴くこと」は、チームで働くうえで、またコミュニケーションを図るうえで極めて重要な能力要素となります。研修にて「聴くこと」についての演習を行った時に聞かれる多くの感想は「聴くことって、難し~い!」です。そうなんです。実は「聴くこと」は、たいへん難しいのです。この演習の目的のひとつは、「聴くこと」の難しさに気づいていただき、スタートラインに立っていただくことなのです。


「聴くこと」の3大ポイントは、①心構え ②姿勢 ③スキル です。


最初に、「心構え」です。相手の話をさえぎらずに最後まで聴くこと、聴いている間に自分の考えが湧き上がってきても決して口には出さずにひたすら聴くこと、感情的な言葉(うれしかった、残念だったなど)をしっかり拾い心情理解を示すこと、言葉には表れない話し手の本音を聴くことなどが大切な心構えです。


次に、「姿勢」です。これは、「悪い聴き方」を示した方がわかりやすいでしょう。ながら(パソコンなど)、視線を合わせない、腕組み、頬づえ、足組みなどに注意してください。演習では、当初はあえて「悪い聴き方」をしていただき、途中から「良い聴き方」へ切り替え、その違いを体感していただくこともあります。


最後に、「スキル」です。あいづち、繰り返し、要約が、3大スキルです。「あいづち」は、「はい」「そうなんですね」などです。簡単なようでも、「タイミングが難しかった」との感想もよく聞かれます。「繰り返し」は、そのままオウム返しするだけです。それでも、話し手からしますと」聴いてもらっている」という気持ちを抱きます。「要約」は、多少高度なスキルとなりますが、話の内容を別の言葉・表現に代えてフィードバックします。話し手自身が、話の内容を再認識させられる場合もあります。


「聴くこと」の能力を向上させるために練習する機会は、どこにでもあります。友人、家族、地域、地域など、いつでも「聴くこと」を意識し、試してみることです。「聴くこと」は、確かに難しいことですが、慣れてくると無意識にてできるようになります。「聴くこと」は、コミュニケーションの基本です。もしチーム全員がこれを身につけたならば、そのチーム力の結束は強固なものになるでしょう。(文責:古木)


2011年08月16日 

推薦図書「プロカウンセラーの聞く技術」(傾聴力)

最近は、研修先にて「コミュニケーションに力点をおいて研修を進めていただきたい」とのご要望をいただく機会が増えています。これは、コミュニケーションの重要性が高まってきている一方、「コミュニケーション不足」「スキル不足」という実態の現れだと思います。コミュニケーションの基本は、「発信力」より「傾聴力」だと思います。そこで「聴くこと」について、「プロカウンセラーの聞く技術」(東山紘久著)を推薦したいと思います。
(同書では「聞く」を使われていますが、ここでは「聞く」=「聴く」とご理解ください)


この本は出版されてから10年以上経過し、その後も増刷を繰り返しています。私も書店にてよく目にはしていたのですが、「私もプロカウンセラーのはしくれ」との意識から敬遠していたのかも知れません。ある時、手に取って読んでみて驚きました。私がカウンセリングをやっていた時に感じていたことが、明確かつわかりやすく書き綴られているではありませんか。「聴くこと」について書かれた本は増えてきましたが、その多くは「聴くスキル」について書かれています。しかし同書は著者の経験をもとに「聴く心構え」を中心に書かれています。この本の中から重要なポイントをあげるとすれば、次の2点になると思います。


まず1点目は、「徹底的に聴くこと」です。「聴き上手は話さない」「聞かれたことしか話さない」「情報以外の助言は無効」という徹底ぶりです。私も大賛成です。


もうひとつのポイントは、「相手(話し手)中心」ということです。アメリカのC・R・ロジャースが提唱した「来談者中心療法」に端を発しています。「外から教える」から「内から引き出す」へと指導方法の革命にも影響を与えた考え方です。ここから、コーチングの哲学を思い浮かべました。「すべての答えは、その人中にある」「その答えに気づくためには、サポートが必要」。本人がもともと持っている答えに気づかせるサポートのひとつが「聴くこと」というわけです。


この本から「聴く心構え」を学び、「聴くスキル」(あいづち、繰り返しなど)を用いてまわりの話を聴くように心がければ、「傾聴力」は高まり、「コミュニケーション力」ひいては「チームで働く力」の強化へとつながっていくことでしょう。(文責:古木)


2010年08月16日

「やらないこと」をやってみる(柔軟性)

「相手の意見や立場を尊重し理解する」ためには、「自分のルールややり方」、つまり自分の「思考パターン」「行動パターン」を一度捨ててみることです。私たちは、自分でも気がつかないうちに、自分なりの固定観念をつくりがちです。以前に、当時の総理大臣が「私は、○○党をぶっこわす!」と発言されました。ことの善し悪しは別として、「自分という壁をぶっこわす」つもりで取り組んでみては、いかがでしょうか。
具体的には、次のようなことがあげられると思います。

①いつもの通勤・通学などの道とは違う道を歩いてみる。いつも降りる駅のひとつ手前で降りてみる。
②日ごろは訪れない街や店へ行ってみる。そして、その街や店の良さを感じてみる。
③本屋さんや図書館にて、日ごろは足を踏み入れないコーナーへ行き、偶然手に取った本を読んでみる。
④朝型なら、夜更かしして深夜番組を見てみる。夜型なら、朝早く起きて時間を有効活用してみる。
⑤目的地を決めないで、ブラリと出かけてみる・・・など

このときに大切なことは、やってみる前とやった後の感想を比較してみることです。きっと新たな発見があることでしょう。 最近、日本人の留学生が減っていますが、海外留学も「自分という壁をぶっこわす」うえでは、有効な手段です。私自身も、大学時代、社会人時代と海外に留学する機会に恵まれました。そこで体験した異国の価値観、異国の報道を通して知る日本、などから大きな影響を受けました。「相手(異国)を知ること」も大きな成果でしたが、予想に反して「外から自分(自国)を見ること」ができたことの方が大きな成果でした。 さあ、あなたはどんな「やらないこと」に挑戦してみますか?(文責:古木)


2011年10月16日 

推薦図書「相田みつを」の詩(柔軟性)

以前に「知ってるつもり」というテレビ番組が「相田みつを」を取り上げて以来、私も「相田みつを美術館友の会」に入会し、時々当館を利用しています。不思議なことに、ここを訪れ、あの書体、あの言葉に出会うたびに、固くなりつつあった心が柔らかくなっていくことを実感しています。これは、彼が人間本来持っている「傲慢さ」(⇔柔軟性)と真摯に向き合い、潔くそれを受け容れた心境から紡ぎだされた言葉だからでしょう。彼の言葉を「読む薬」とは、よく言ったものだと感心してしまいます。


また、この美術館には、隠れた名作があります。それは、来館者が書き綴ったノートです。ここには、詩によって勇気づけられた方々による感謝の言葉がちりばめられています。重い病に苦しむ我が子を想う親の気持ちが綴られ、しばらく読み進みますと、今度は元気になったその子から親に対する感謝の言葉が綴られ、まさに時間や空間を超えた人間ドラマが展開されているようでした。


32歳の若さでこの世を去り、伝説の救援投手と呼ばれる広島カープ津田恒実投手も、生前に「長い人生にはなあ~」から始まる「道」という詩を額に入れ、目につくところに飾っていたそうです。私は「みんなほんもの」という詩の「みんなほんものなのに 骨を折って にせものになりたがる」というフレーズがお気に入りです。これは、野田総理が引用された「ドジョウ演説」と相通じるところがありそうです。


ぜひみなさんも、「じぶん」にあった詩を選んでみませんか。きっと心の柔らかさを実感されることでしょう。(文責:古木)


2010年09月01日

役割理解のポイント「2W1H」(情況把握力)

今、研修の仕事にて九州に来ています。今年の夏はこの地とご縁があり、これで3回目となります。長崎に原爆が投下された8月9日には、原爆資料館、平和公園を訪れ、「このような惨状を二度と起こさないために、『社会人基礎力』の果たすべき役割」について思いをめぐらせておりました。


さて、「情況把握力」は、12の能力のうち内容・文字が最もわかりにくい能力要素だと思います。また、「状況把握力」とされた書籍やホームページも散見されます。私自身も、板書したおりに「『状況』ではないのですか?」と受講者から指摘を受けたこともあります。経済産業省の定義を引用させていただきますと「自分と周囲の人々と物事との関係性を理解する力」、例として「チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する」とされています。


リーダー向け研修におきましては、冒頭にリーダーとしての役割について話し合っていただくことがあります。すると、いろいろ立派な役割が発表されます。しかし、自分が果たすべき役割を認識していることと、それを実行していくことは別問題なのですね。頭ではわかっていても、行動に結びついていないのが常です。そこで、役割認識について理解を深めていだくために、このような質問をさせていただきます。「今あげていただいた役割のうち、最優先に果たすべき役割を選んでください。(What)」「その役割を選んだ理由は何ですか?(Why)」「その役割をどのように果たしていきますか?(How )」これで役割認識が深まり、頭から行動へと考えが進んでいきます。


それでは、あなたが所属するチーム(会社、部門、プロジェクトチーム、集まり、家族、などすべて)において、それぞれあなたが果たすべき役割は、What? Why? How?(文責:古木)


2012年02月16日 

推薦図書「チームマネジメント」(情況把握力)

「情況把握力」としては、古川久敬著の「チームマネジメント」(日経文庫)を推薦したいと思います。この本はリーダー向けにチーム運営について書かれたものですが、メンバーにとってもたいへん参考になる内容が満載です。メンバーもいずれはリーダーの役割を果たすときが訪れるでしょうし、何よりもリーダーだけではなくメンバー全員がチームマネジメントについて考えて取り組んだならば、そのチームは素晴らしいパフォーマンスを発揮できることでしょう。


さて、私が登壇する研修では、いろいろなチーム演習に取り組んでいただくのですが、チームによって素晴らしいパフォーマンスを発揮することがあります。各メンバーが積極的に自分の意見を述べ、それに対して他のメンバーからも建設的な意見が出ます。制限時間いっぱいまで熱い意見交換が続きます。そこで、このようなチームは他のチームと何が違うのかとよく観察してみますと、メンバー相互の「情況把握力」の違いに気づかされます。「情況把握力」とは、「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力」「チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する力」と定義されています。メンバーが相互に関係性を理解し、またそれぞれが自分の役割をしっかりと果たしたチームは、研修終了後も別れを惜しむようにお互いの貢献に感謝し合っています。このようなシーンは、講師冥利に尽きる瞬間でもあります。このような方々の顔は、テキストや講師の話以外からも、数多くのことを学び気づいたという満足感に満ちています。


この「チームマネジメント」という本には「情況把握力」に関連した情報として、「チーム内コミュニケーションのとり方」「モチベーションの引き出し方」「コンピテンシーラーニング」「ベテランメンバーの活用」などが体系的に紹介されています。たいへんわかりやすく書かれているため、一般的な理論としてサラッと読み過ごしてしまいがちになる点には注意が必要です。ここで紹介されている内容を実際のチームマネジメントに活かし、実践的スキルとして確実に習得していかなければなりません。


この本を読んだうえで、今一度、自分が所属しているチームを見直してみてください。きっと、今まで気づかなかった「情況」が見えてくることでしょう。(文責:古木)


2010年09月16日

チームの規律性を高める「イホウソウ」(規律性)

前回は九州から投稿させていただきましたが、今回は、一転して北海道からの投稿です。ここ一週間は、毎朝、時計台を眺めながら研修会場へ。なんと贅沢なことでしょう。


さて、チームで働くうえでは、メンバーに対して、いろいろな規律を守ることが求められます。代表的なものに「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」があります。 これは「新社会人向け研修」の定番なのですが、最近は「リーダー向け研修」でもリクエストを頂く機会が増えています。その背景には、仕事が増える一方で人員が削減され、「自分のことだけで精一杯」「自分の仕事さえやっていればいい」などという考えが蔓延してきているからではないでしょうか。しかも、この「報告・連絡・相談」は、シンプルでありながら、実は奥が深いのです。それぞれについて、「報告の仕方・受け方」「連絡の仕方・受け方」「相談の仕方・受け方」と言われて、どれだけの方が「自分は完璧にできている。相手にも指導できている。」と言えるでしょうか。


ここで、この「報告・連絡・相談」について、今一度、整理してみたいと思います。「報告」とは「依頼者に指示・命令された仕事について、実行したことの経緯や結果を伝えること」ということから、「報告」の前には「依頼・指示」が存在することがわかります。また、「連絡」は「仕事がスムーズに進むよう、仕事に関する情報を的確に関係者すべてに伝えること」という定義を借りれば、「情報を伝える」ということにおいて「報告」に含むことができます。それらをふまえ、私は「依頼・報告・相談」とまとめ直しております。略して「イホウソウ」、韓流スターの名前のようになってしまいましたが・・・。


さて、研修にて自己評価をしていただく場合があります。「依頼の仕方・受け方」「報告の仕方・受け方」「相談の仕方・受け方」について、評価結果としては60~70点あたりが平均点です。数値化により、客観的に反省を促すことにもつながります。体験した失敗談としては、「口頭報告だったので、言った言わないでもめた」「依頼の受け方が悪く、結果的には取引先からクレームを受けた」「自分で判断し、事後報告もしなかったため上司に叱られた」などの声が多く聞かれます。


次のような「ちょっとした心がけ」でも、チームの規律性は向上します。


①報告すべき事項を「報告事項一覧」や「報告ガイドライン」にまとめる。
②「依頼書」「報告書」について、シンプルなフォーマットを作成し、書面による手続きをルール化。
③メール送信時には、「CC」「BCC」により、メンバーへも報告。返信時には、「全員に返信」をルール化。
④メール受信時には、「メール拝受いたしました。まずは取り急ぎ、ご報告申し上げます。」と即返信。
など


さあ、これからの「報告・連絡・相談」、いや「依頼・報告・相談(イホウソウ)」について、徹底的に見直してみませんか。(文責:古木)


2010年10月01日

日曜日の朝の過ごし方(ストレスコントロール力)

前回の頃は「札幌時計台」を眺めながら研修会場へと向かいましたが、今回は「太陽の塔」です。現在は上海万博が開催されていますが、私の世代にとりましては、万国博覧会と言えば大阪万博「EXPO'70」です。当時はまだ小学生でしたが、家族とともに会場を訪れた想い出が残っています。あれから40年間が経ちましたが、岡本太郎氏デザインの「太陽の塔」は健在でした。思わず足をとめ、あの時からの40年に想いを馳せずにはいられませんでした。


さて、最近は、社員のメンタルヘルスについての研修も増加傾向にあります。私も産業カウンセラーとしてメンタルヘルス研修や「うつ病」の方のカウンセリングを担当することもあります。また、課題解決の研修において、チームごとのテーマとしてメンタルヘルス対策を選ぶチームが増えてきています。たいへん関心が高まっています。そのような機会には、私は、次のようなポイントにそって対策をお話するようにしています。 


 
■職場メンタルヘルスの必要性
①医学的な視点 ②法律的な視点 ③パフォーマンス的な視点
■メンタルに支障をきたす三大原因
①職場の人間関係 ②仕事の質 ③仕事の量
  ■4つのケアから
①セルフケア ②ラインケア
■リフレーミング
ネガティブ思考からポジティブ思考へ


おかげさまで、私自身はストレスコントロールがうまくできているようです。その原因をたどっていきますと、毎週日曜日の早朝の習慣に行き着きました。それは、近くのお寺で坐禅を組むことです。ふとしたきっかけから始め、かれこれ15年間ほど続いています。冬などは、まだ暗いうちから、冷たい本堂に坐るのです。ストレスもコントロールできそうでしょう。坐った後は、参禅者と輪読会を行い、最後は近くのファミリーレストランでのサンデーモーニングへ突入と相成ります。日曜日の朝、つい何となく過ごしてしまっていませんか。どうでしょう、ごいっしょに坐ってみませんか。(文責:古木)


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