「人」を変え、組織を変え、そして社会が変わる「12の力」

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【社会人基礎力】
コラム
2010年04月01日 スポーツに例えると・・・(社会人基礎力)

 研修の中では、わかりやすく伝えるために、よく「例え話」をします。ここでは、「社会人基礎力」を野球に例えてみたいと思います。一流な野球選手と聞いて、どなたをイメージされるでしょうか。イチロー選手や、松井選手や、松坂選手かも知れません。しかし、彼らはいきなり一流プレーヤーになれたのでしょうか。彼らであっても、いや彼らだからこそ野球の基礎練習である「素振り」「キャッチボール」「走り込み」をしっかり行ったことでしょう。その結果、今日の地位を築き上げることができたのです。
 ビジネスの世界における「素振り」「キャッチボール」「走り込み」こそ、「社会人基礎力」ではないでしょうか。確かに、それだけでは大きな成果をあげることはできません。しかし、日々の業務を的確に遂行していく上で、また専門的な力を構築していく上でも、この基礎力は必須な基本となるはずです。
 研修の中で、重要事項については暗唱していただいております。これは、必要な時にテキストなどを見ることなく、その重要事項思い出し活用できるようになっていただくためです。「社会人基礎力」12の能力要素も、ぜひ暗唱してください。暗唱することにより、全体の体系についての理解が進むとともに、日々の生活の中でも新たな「気づき」が生まれます。「いま○○力を発揮したな」「どうも○○力は苦手だなあ」というように。覚えるポイントは、最初の文字を覚えることです。主(しゅ)・働(どう)・実(じつ)、課(か)・計(けい)・創(そう)、発(はつ)・傾(けい)・柔(じゅう)、情(じょう)・規(き)・スと、私はリズムをつけて覚えています。ぜひ挑戦してみてください。(文責:古木)
2010年12月01日 参考資料「中間とりまとめ」(社会人基礎力)

 前回コラムから、しばらくご無沙汰してしまい、すみませんでした。その間は、岩手、名古屋、大阪、広島、長崎、そして霞が関と、ほぼ毎日登壇という日々を送っておりました。
 さて、前回コラムまでは、各能力要素について感じていることを、ひと通り述べて参りました。次なるシリーズとしては、「推薦図書・資料」をご紹介していきたいと思います。ぜひ自己研鑽にお役立てください。
 最初は「社会人基礎力」です。私が「社会人基礎力」と初めて出会ったのは、役立つ情報を求めて行政サイトを検索していた時でした。平成18年1月、経済産業省の「新着情報」に「社会人基礎力に関する研究会-中間取りまとめ-」を見つけました。さっそく内容に目を通してみたところ、現代社会の課題が明確に指摘されていること、社会人に必要とされる能力を体系的に網羅していることなどに、たいへん感銘を受けました。さっそく全ページを印刷し、重要個所にはマーカーや書き込みをし、常に携行しながら読み返したものでした。ここで簡単に内容をご紹介してみたいと思います。
 座長諏訪教授による「人が40歳代、50歳代となっても、それぞれの年齢や仕事の内容に応じて必要となる能力」という「はじめに」から始まります。
 第1章「職場や地域社会で求められる能力」では、これからの企業の経営課題に対して効果的に取り組んでいくためには、「従来十分に意識されなかった『職場等で求められ能力』をより明確にし、意識的な育成や評価を可能としていくことが必要である」と、環境変化や課題などについて述べられています。
 第2章「社会人基礎力の内容」では、その求められる能力を3つの分類、12の能力要素に体系的にまとめあげ、それぞれの内容について明確に定義しています。「個人と組織がともに成長することを通じて『win-win』の関係をつくるような企業が生まれ、そこにまた優秀な人材が集まっていきいきと働く、という好循環が期待できる」と、メリットや位置づけについて述べられています。
 第3章「社会人基礎力を土台とした企業・若者・学校の『つながり』」では、学校段階、就職・採用段階、入社後の段階など、それぞれの段階における企業、若者、学校のつながりについて触れ、「継続的な人材育成や人材の職場への定着」と、関係者の連携強化について述べられています。
 第4章では「どのような取組が求められるか」では、産業界・企業、若者、教育機関、家庭・地域社会、政府などにおいて、「①密接に連携すること ②継続的な育成や評価の取組を行うこと ③『気付き』を通じた『成長』につなげること」と、それぞれに望まれる取組について述べられています。
 組織であっても個人であっても、「社会人基礎力」に本格的に取り組んでいくにあたり、まず最初に目を通すべきバイブル的な存在だと思います。当資料につきましては、下記サイトから閲覧可能となっています。ぜひ、ご参照ください。(文責:古木)
 http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/torimatome.htm
2011年03月14日 「東北地方太平洋沖地震」につきまして

 このたびの東北地方太平洋沖地震にてお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災されたみなさまに謹んでお見舞い申しあげます。
 被災地のみなさまの安全と、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
 
 今はたいへんな時期ではございますが、今こそ日本全体がチームとして働き、一日も早い復興に向けた対策を考え抜き、着実に前に踏み出すべき時と存じます。
 私どもも、そのためにできることを主体的に取り組んで参る所存でございます。
2011年04月16日 「特別な年」の新人研修(社会人基礎力)

 4月から新年度がスタートし、例年通り、今年も新人研修が始まりました。多くのフレッシュな新人のみなさんと出会うこの季節は、私にとってもたいへん楽しみな時期です。しかし今年の新人は、厳しい就職戦線を勝ち抜いたというだけではなく、大きな災害が起きた「特別な年」に人生の門出を迎えられました。卒業式や入社式が自粛される中、ともすれば期待や希望までもが“自粛”してしまいがちです。
 
 そのような新人を迎える今年の新人研修にて、冒頭に次のような「2つ心構え」をご紹介しています。
 まずひとつは、「自分の仕事への理解を深めよう!」です。
このような緊急事態のもとでは、普段では気がつかない仕事の「社会的意義」や「全体像」が浮き彫りになります。例えば、お客様が安心して購入できる商品を安定的に仕入れる小売業、生産地から商品の到着を待つ消費地へ運ぶ物流業、人命や財産を保障・補償する保険業、住民の安心・安全のために尽力する自治体業務などです。そして消費者も、もしその仕事がなかったらいかに不便であるかを思い知らされるのです。新人には、自ら選び、これから従事していく仕事がどのようなものなのか、その仕事の「社会的意義」や「全体像」をしっかりと確認して欲しいと伝えます。
 もうひとつは、「本業を通して貢献しよう!」です。
世界中で義援金の受付が行われ、救援物資が集まり、被災地ではボランティアが活躍しています。助け合う姿は、何と感動的なことでしょう。歌手によるチャリティコンサートやスポーツ選手によるチャリティ試合も開かれています。そんな中、「『自分にできること』は何か」という言葉をよく耳にします。新人にとって「自分にできること」って、何でしょうか。義援金やボランティアも素晴らしいのですが、社会人となった今、本業を通して被災地の復旧・復興に貢献することが何よりではないでしょうか。まだ専門的な知識や経験はありませんから、いきなり大きな貢献はできません。しかし、焦らずに仕事の基本をしっかり身につけ、自分が成長することにより組織を支え、そして組織を通して社会を支えていくことができれば素晴らしいことではないですか。「そのために、ぜひこの新人研修を大切にしてください」と伝えますと、みなさんの眼の輝きが変わってくることがわかります。

 このような環境の中、これから本格的に始まる復旧・復興事業に取り組まれる方々、避難地域にて新たな生活を始められる方々が多くおられます。このような方々にとって必要とされているのが、まさに「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」という「社会人基礎力」だと確信しています。今こそ、被災地だけではなく、日本全体のために「社会人基礎力」を活用すべき時です。この「社会人基礎力」強化のためにお役に立つ機会がございましたら、どちらにでも伺いたいと思います。必要とされる方は、どうぞお気軽にお声かけください。(文責:古木)
2012年01月01日 新年のご挨拶(社会人基礎力)

 新年明けましておめでとうございます。本年がみなさまにとって良き年となりますよう心からお祈り申し上げます。
 「一年の計は元旦にあり」と言います。私たち日本人にとって年が変わるということは、ひとつの区切りとして大切にして参りました。初日の出に向かい、いろいろなことをお願いします。その年にかける意気込みが強いほど、いろいろなことをお願いします。しかし、どうでしょうか。大晦日の沈みゆく太陽に、去る1年の感謝を伝えることは、それほど行われていないような気がします。「一年の省は大晦日にあり」とは私の造語ですが、沈みゆく太陽に手を合わせ、この一年に思いを馳せるということにも趣が感じられます。「絆」が大切な今だからこそ、「感謝」の気持ちを忘れずに日々を過ごしていきたいと思います。
 さて、みなさまは新たに迎えた年を、どのような年にしたいとお考えでしょうか。私は「転換の年」にしたいと感じております。今までは「豊かさ」を謳歌して参りましたが、大震災により大切なことに気づかされました。それは、「豊かさのかげに、実はいろいろな課題が潜在していた」ということです。特に「重要」かつ「緊急」と思われるものを3つほどあげてみます。
 ①財政問題(国および地方)
 ②人口構造の変化(少子高齢化、生産・消費人口の減少)
 ③エネルギー政策(供給源、消費抑制)
 どれもたいへん大きな課題ですが、今や待ったなしの状況です。一日も早く解決策を策定し、その第一歩を踏み出す「転換の年」にしなければなりません。
 さて、課題はこのように多種多様なわけですが、対策の基本には、ある共通点があります。それは、これらの課題を解決する方法を「考え抜き」、練り上げた最善策に向け勇気を持って「前に踏み出し」、関連する方々と力を合わせて「チームで働く」ことです。そうです、これらの課題を解決するために求められることは、「社会人基礎力」として掲げられる「3つの能力」「12の能力要素」を一人ひとりが強化していくことなのです。これが実現できれば、「人」が変わり、組織が変わり、そして社会が変わっていくことでしょう。
 微力ながら弊社は今年、「個人」の「社会人基礎力」を強化することにより「組織」「社会」を変革し、「転換の年」を実現するために取り組んで参ります。いつかどこかで、みなさまと出会えることを楽しみにしております。(文責:古木)
【前に踏み出す力】
コラム
2010年04月16日 あなたの「座右の銘」は?(主体性)

 自己紹介などの時に、「座右の銘」を紹介することがあります。「ことわざ」であったり、四字熟語、中国の故事であったりします。どの言葉を 「座右の銘」にしようかと考える時、その人の価値観が大きく影響します。自分自身を見つめ、自分の価値観に合った言葉に出会うことは、「主体性」を確認し高めるうえで、たいへん大切なことです。
 ちなみに、私の「座右の銘」は、「吾唯足知」です。これは、京都の龍安寺のつくばい(手水鉢)に記された言葉です。「口」を中心にし、上・右・下・左に四字を並べた図をご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。この言葉を聴くたびに、「ないもの」に不満を言うのではなく、「あるもの」に感謝することの大切さを教えられた気持になります。ついに九州から取り寄せた実物大のつくばい(石製)を自宅の庭に置いてしまったほどです。
 さあ、あなたの「座右の銘」は何ですか?それを選ばれたのは、どのような気持からですか?自分の「主体性」の軸について意識するうえでも、ぜひ自らの「座右の銘」を定め、いつも目に見える場所に掲示しておかれることをおすすめします。(文責:古木)
2010年12月16日 推薦図書「自分らしく生きる」(主体性)

 主体性は、社会人基礎力における12の能力要素すべての基本となる能力です。最も重要な能力であるとともに、最も取扱いが難しい能力でもあります。そのような主体性に関する推薦図書として私は「自分らしく生きる」(中野孝次著 講談社現代新書)をご紹介してみたいと思います。
 人間だれしも、いろいろな危機に直面することがあります。私もある時期に「主体性の危機」に陥りました。そのような時に出会ったのが、この本でした。「自分らしさを失わずに生きるには、人はいったい何を必要とし、何を必要としないのか」と訴えかけられた時の衝撃を、今も忘れることができません。気づくと、彼の100冊以上におよぶ全著作を読破していました。まるで著者が目の前に現れ会話を交わしているように、一字一句を噛みしめながら、自己の心に問いかけながら読み進めていきました。私はこの経験を通して、自分の主体性を引き出していただいたように感じました。そうなんです、「主体性」というものは「外から与えられるもの」ではなく、もともと自分の中にあるもの、「内から引き出されるもの」なんですね。それに気づかせてくれるのが本であったり、人であったりするわけです。これは、他の能力要素と大きく異なる点でもあります。
 まだ「主体性」が確立できていないと感じる方は、著者が自分の考えをストレートに語りかけている本をぜひ読んでみてください。もし読み始めた後に「違うかな」と感じたら、迷わず他の本を探しましょう。時間が過ぎることを忘れてしまうような著者と出逢い、速読ではなく自分自身の心に問いかけながら、気に入ったフレーズがあればメモしながら、紹介されている本などで道草しながら、マイペースで読み進めてください。そのような地道な行為から、あなたの中に眠っていた、あなただけの「主体性」が姿を現してきます。よき出逢いを。(文責:古木)
2010年05月01日 できていますか?「ほめる」と「叱る」(働きかけ力)

 研修にて「ほめることの大切さ」についてご説明しますと、みなさん力強く首をタテに振られます。次に「では、ほめていますか?この一週間で何回ほめましたか、だれをほめましたか、どのような言葉でほめましたか、ほめた後の相手の反応はどうでしたか?」とお聞きすると、戸惑ったような表情を見せながら首をヨコに振られます。これは、人材育成上の課題のひとつである「頭ではわかっていても、行動につながっていない」という典型です。
 一方、「叱ること」についても、多くの方が苦手とされているようです。「相手との人間関係を壊したくない」とか「正しい叱り方がわからない」とか「わが身を振り返ると、叱る資格がない」という意見まで。「叱っています!」という猛者が現れたかと思いましたら、それは相手のために「叱る」ではなく、自分のための「怒る」であり、パワーハラスメントまがいであったり。
 まわりに働きかける上で、特に「ほめる」は、たいへん重要なスキルです。「ほめることがない」などというご意見もありますが、実は、ほめる材料は、まわりにゴロゴロしているのです。それらに気づき、「数多く、具体的に、タイミングよく」ほめることがポイントです。ほめられて嫌な思いをする方はいないわけですし、何といってもほめるのはタダです。ほめることが上達したら、本来は「叱る」場面であっても、敢えてほめてみてください。受講者の方に今まで経験した「うまい叱り方」についてお聞きすると、「叱られると思ったら、かえって励まされ、やる気がわいてきた」という意見が多く聞かれます。最高の「叱り方」は、実は「ほめること」だったのですね。ぜひ「ほめるプロ」を目指してください。あなたならできます。「社会人基礎力」に関心を持つ方は、みなさん素晴らしい方ばかりですから。これって「ほめる」?(文責:古木) 
2011年01月01日  推薦図書「プロジェクトX リーダーたちの言葉」(働きかけ力)

 2000年3月から2005年12月まで、NHK総合テレビにて「プロジェクトX~挑戦者たち~」というドキュメンタリー番組が放映されました。中島みゆきさんが歌う主題歌「地上の星」のように、元は無名なリーダーたちが、まさに「前に踏み出し、他人に働きかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく」挑戦と努力、そしてその成果の紹介をテーマとした番組でした。残念ながら番組は終了してしまいましたが、関連書籍が出版されています。

 「プロジェクトX リーダーたちの言葉」、「プロジェクトX 新・リーダーたちの言葉」(文芸春秋)

 この中に収録されている「リーダーたちの言葉」の中から、一例をご紹介します。
 「挑戦者に無理という言葉はない」
 「オール・フォー・ワン、ワン・フォー・オール。一人はみんなのために、みんなは一人のために」
 「愛でしょうね、仕事に対する。お金とか名誉とかってのは、あんまり考えないですよね、われわれは」
 
 これらの言葉から人を揺り動かす「何か」を感じるのは、私だけでしょうか?切れば血が吹き出しそうな迫力を、これらの言葉からは感じます。言葉は「言霊(ことだま)」とも言われますが、膨大なデータよりも、心から発せられた「ひとこと」のほうが人を動かすことがあるんですね。
 「働きかけ力」を強化するうえでは、この力が強い方の著作を読んだり、そのような方々を紹介した書籍やテレビ番組を見たりすることがたいへん有効です。現在放映されている番組の中からは、次の番組を紹介したいと思います。
 
 ①「プロフェッショナル~仕事の流儀~」NHK総合 月曜よる10時から
 ②「仕事学のすすめ」NHK教育 木曜よる10時25分から
 ③「カンブリア宮殿」テレビ東京系 木曜よる10時から など
 
 研修にて、これらの番組をご紹介することがありますが、多くの方々はご覧になっていません。というより、そのような番組が存在すること自体をご存じではありません。そこで、「あれ、この時間はまだお仕事中でしたか?」と皮肉りますと大爆笑。バラエティ番組も楽しいのですが、ぜひ、このような教養番組も活用していただきたいと思います。きっと、みなさんの「働きかけ力」を強化するヒントが見つかるはずですから。(文責:古木) 
2010年05月16日 「習慣は、第二の天性なり」(実行力)

 1回あたりの時間はわずかであっても、習慣としてコツコツと「粘り強く取り組む」ことは、大きな成果につながります。場合によっては、「第一の天性」に勝るとも劣らないほどの力を発揮します。
 研修の中で、このような質問をすることがあります。「1日30分あることを習慣づけし、それを1年間続けたら合計時間は何日分くらいになるでしょうか?」しばらく計算した後に「1週間強くらいでしょうか」と自信なさげな声があがります。(時々「1ケ月です!」などと、こちらの意図をくみ取りすぎた回答もありますが) どうでしょうか、後からこの1週間強の時間を確保できるでしょうか、仕事もせずに夜も眠らずに。しかも、これが1日60分の習慣であれば半月分となり、それを2年続けたら合計1ケ月分の時間に相当するわけです。
 習慣の重要性について認識していただいた頃を見計らって、次の質問をします。「では、これほど重要な習慣を利用して、みなさんはどのようなことに取り組んでいるでしょうか?」すると、たちまちに納得顔から困惑や苦笑いの表情に一変します。ちなみに私の習慣は、毎日1時間以上日本経済新聞を読むことです。かれこれ24年以上になりますから、合計しますと1年間分以上の時間となりましょうか。(自分でも驚き、再計算してしまいました)
 先日の研修では「習慣を始めても、いつも続かないんです」と相談を受けました。続けて実行するコツは、①内容が自分にとって魅力的であること(または、実行後に、その内容の中に魅力を見出すこと) ②毎日決められた時間に実行すること ③外部に宣言して、やらざるをえない立場に自分を追い込むこと などでしょうか。さあ、これからどんな習慣を始めましょうか。(文責:古木) 
【考え抜く力】
コラム
2010年06月01日 新聞の活用 ~デジタルからアナログへ~(課題発見力)

 研修の中で、「毎日、新聞を読んでいますか?」とお尋ねすることがあります。すると、最近の若者の場合、半分くらいの方からは手があがりません。その多くの理由は、「インターネットで見てます」とのことです。
 確かにインターネットや最近話題の電子書籍は、たいへん優れています。新聞のように朝夕刊まで待つ必要はありませんし、動画つきというスグレモノも現れました。しかし、ここに大きな落とし穴が隠されています。読者に伝わる情報を5W1H的に見てみますと、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(何をした)」においては、確かにインターネットに軍配が上がります。しかし、「Why(なぜ)」「How(どのように)」については、どうでしょうか。論評などの意見記事も読み、じっくり考えながら読む、このようなことができるのは、やはり新聞です。
 しかも、「課題発見力」など「考え抜く力」を強化するためには、この「Why」「How」的な考え方がたいへん重要な役割を果たします。「When」「Where」「Who」「What」は、その出来事固有の情報ですから、その場限りです。一方、「Why」「How」は、自分の身のまわりに類似した課題を探し、原因につて考え、対策を検討するうえで、たいへん役に立ちます。「なぜ起きたのか」「どのように起きたのか」などを意識しながら記事を読むことにより、自然に「課題発見力」「創造力」が強化されます。テレビ欄・スポーツ欄以外で、1日最低30分は、おつき合い願いたいところです。
 2日ものの研修の場合、2日目の朝に新聞を持ち寄っていただき、気になった記事についてチームごとに話し合っていただくことがあります。受講者のみなさんからは、「こんなにじっくり新聞を読んだのは初めて」とか「これからは毎日新聞を読む習慣を身につけたい」との声が聞かれます。
 朝刊一部百数十円と、缶ジュース1本分程度で手に入る新聞。きっと、あなたの「脳」を潤してくれることでしょう。(文責:古木)
2011年02月01日 推薦図書「気づく力」(課題発見力)

 先日、仕事で北陸に行っておりに曹洞宗本山永平寺まで足を延ばしてみました。それは、私が毎週日曜日の朝、近くのお寺にて坐禅を組んでいるからです。静かに降り積もる雪に埋もれた禅寺に、「ゴーン」と響く鐘の音。筆舌には尽くしがたい感動を覚えて参りました。
 さて、今回は「実行力」について取り上げるところですが順番を変え、「課題発見力」について推薦図書を紹介させていただきたいと思います。「気づく力」(プレジデント社)は、「なぜ人は『大切なこと』を見過ごすのか」について、共同執筆により徹底解明された本であり、「課題解決力」の関連図書として推薦いたします。特に、澤田富雄氏による「課題を見過ごしてしまう人の4つの行動特性」にもとづきながら、考えてみたいと思います。
 
 第一は、「見えない人」です。自分を取り巻く環境の変化に気づかなくては、課題を発見することも、対策を検討することもできません。進化論を著したダーウィン曰く「生き残るものは、最も強いものではなく、最も賢いものでもなく、最も変化に対応できたもの」と。また、物事を見るうえで必要な「3つの目」という言葉があります。地を這う「虫の目」で細かい課題も発見し、「鳥の目」で全体を鳥瞰し、「魚の目」で潮の流れを読み潜在的な課題も発見する目のことをいいます。今まさに、それらを磨くことが求められています。

 第二は、「現状に安住する人」です。前例踏襲型で「今までやってきたから、これからも続ける」「今までやったことがないから、これからもやらない」など、ともすると年齢が高い方に見られる傾向かも知れません。シヤチハタという会社をご存知かと思いますが、同社は元はスタンプを製造する会社だったのです。その会社が自らの主力商品であるスタンプを必要としない商品を開発してしまったのです。また、書類の電子化が進む今日、同社は新たに「電子印鑑」を開発しました。まさに、現状に安住することなく、常に課題を発見し、解決にとりくんできたことにより成功をおさめることができたよい事例といえるでしょう。ちなみに、私たちが日頃お世話になっている「シヤチハタ」は実は社名であり、正式な商品名は「Xスタンパー」だそうですが、ご存じでしたか?

 第三は、「資源を持たない人」です。ここでいう「資源」とは、発見した課題に対して、それを解決する能力のことです。「考え抜く力」の能力要素である、課題の解決に向けたプロセスを明らかにする力である「計画力」、課題に対して新しい解決方法を考える「創造力」も、ともに課題発見に必要な「資源」となります。これを持ちませんと、「どうせ自分に解決できるはずがない」と諦めてしまい、課題から目を遠ざけるようになってしまいます。

 第四は、「主体性のない人」です。当事者意識に欠け、「景気が悪いから」「上司のせい・部下のせい」「他部門が悪い」など、自分以外のせいにして、自己反省しない人です。何事も、「我が事」として真剣に取り組んでこそ、「真の力」を発揮することができます。

 いかがでしょうか、どこか心当たる項目はありましたでしょうか。「自分には何が足りないのか」それを認識することが、課題発見力を強化していく第一歩となります。特にリーダーにとっては、自分の部下・後輩には何が足りないのかを認識し、そこに有効な対策を検討し、部下・後輩指導へとつなげていただきたいと思います。(文責:古木)
2010年06月16日 「課題解決」と「さかなの骨」(計画力)

 課題解決力研修への期待として、「今まで課題解決してこなかったので、その手順を知りたい」「自己流でやってきたので、正しい手順を学びたい」という声がよく聞かれます。業務が多様化かつ増加する反面、人員は削減というダブルパンチを受け、課題解決に真剣に取り組もうとする組織が増えています。
 しかし、この課題解決には、自己流で取り組んでしまいますと、つい陥ってしまう怖~い「落とし穴」がいくつかあります。研修においても、多くのチームが、いやほとんどのチームが陥ってしまう「落とし穴」があります。それは、課題に対して、いきなり対策を検討してしまうことです。確かに「スピードが大切」という気持ちはわかります。しかし、残念ながら、これではより時間がかかってしまい、最悪な場合には効果が上がらず解決できないという結果を招きかねません。それは、なぜでしょうか。課題解決における重要なプロセスのひとつ「原因追求」をしていないからです。どのような課題にも必ず「原因」があり、「結果」として課題を引き起こしているのです。根本的な解決を図るためには、この原因を追求をしたうえで、その原因に対して有効な対策を検討していくことが必須となります。
 原因追求には、大手自動車メーカーが取り組んでいる「なぜ」を5回繰り返す方法があります。しかし、ここでは「特性要因図」をお勧めします。簡単に書き方をご紹介します。まず「課題」を右側に書きます。次に、左からこの課題に対して一本の矢印線を引きます。次に、その課題を引き起こしていると思われる「主な原因(項目)」をすべて洗い出し、上部または下部にならべ、中央の線と結びます。最後に、それぞれの「主な原因」に対して「詳細な原因」を書き加えていきます。すると、ちょうど「さかなの骨」のような図ができあがります。特性要因図が「フィッシュボーン図」と呼ばれる由縁がここにあります。原因追求では、このように体系立てて、モレなく原因をあげていくのです。そのうえで、この課題を引き起こしている「真の原因」はどれかを検討していくわけです。
 もし、このような原因追求なく、課題からいきなり対策を検討していたら、どうなっていたことでしょう。きっと見当ちがいな対策を立ててしまい、労力・費用・時間など貴重な経営資源をムダにし、二度と課題解決に取り組もうとしなくなってしまうかもしれません。
 また、「原因追求」には、課題解決における最大のプロセス「対策検討」を容易にするという効果も期待できます。「真の原因」さえわかれば、対策は「その原因を除去すること」でよいわけです。課題解決には、ぜひ「さかなの骨」をお忘れなく。(文責:古木)
2011年03月01日 推薦図書「『計画力』を強くする」(計画力)

 先日は研修会場が札幌であったため、その後に小樽まで足を延ばしてみました。今年は例年を上回る積雪量であり、名物の運河のまわりにも長い雪堤ができていました。そのような北の大地に脈々と息づく職人技であるガラス細工や心を癒す音色のオルゴールを堪能して参りました。
 さて、「計画力」の推薦図書についてですが、私は加藤昭吉氏の「『計画力』を強くする」をご紹介したいと思います。著者は以前に大手建設会社に勤められ、数々のプロジェクトを手掛けられた経験などをもとに、「計画力」について、わかりやすく簡潔にまとめられています。「計画立案のための五つのポイント」や「計画実行の四つのポイント」などもありますが、ここでは「計画立案が失敗する九つの理由」を取り上げてみたいと思います。うまくいった事例より、失敗した事例のほうが学ぶべき点は多いものです。さっそくみてみましょう。

 理由1 計画の目的・目標がはっきりしていない
 理由2 頭の中だけで組み立てた計画になっている
 理由3 状況判断を誤って計画している
 理由4 目先の問題解決を積み重ねただけの計画になっている
 理由5 複数の計画案の中から選び抜かれていない
 理由6 計画通りに実行する熱意に欠けている
 理由7 計画実行の勘所をはずしている
 理由8 “終わり”からの逆算ができていない
 理由9 計画の適切なフォローアップができていない

 いかがでしょうか、ご自身の計画に心当たる点はありましたでしょうか。私の場合は、理由5の「複数の計画案」と、理由8の「終わりからの逆算」に反省すべき点がありました。いろいろな視点から「複数のプロセス」を明確にし「最善のもの」を検討すること、「10年後の自分」をイメージしたうえで「今日すべきこと」を決めるなど、さっそく活用していきたいと思います。ご自身の計画がうまくいっている方も、うまくいっていない方も、同書を参考に見直してみてはいかがでしょうか。まだ計画を立てていないという方もご心配なく。どうぞ「計画立案のための五つのポイント」をお役立てください。 (文責:古木)
2010年07月01日 「アイデア・発想」は、牛に学べ(創造力)

 牛は、4つの胃袋を持っています。 「第一の胃」では、食べた物の繊維質を分解しています。「第二の胃」「第三の胃」では、それを更に分解しています。そして「第四の胃」にて最終的に消化し、栄養分を取り込んでいます。そのような事情から、牛は常に口を動かし、咀嚼を反芻しているのです。牛が「反芻動物」と呼ばれる由縁です。
 さて、私たちが課題解決について取り組んだとき、「解決策が見つからない」と、早々にあきらめていないでしょうか。これを牛の胃に例えれば、まだ「第一の胃」レベルであり、最初の分解が行われたに過ぎないのです。解決策を生み出すためには、機会あるごとに課題を反芻し、「新しい解決方法」を繰り返し考え抜くことが大切なのです。例えば、駅まで歩く間、ホームで電車を待つ間、電車に乗っている間など、その時間をどのように活用されているでしょうか。私たちの生活の中には、まだ十分に活用されていない「すきま時間」が存在します。このような時間を利用して「何か新しい解決策はないものか」と、反芻して考え抜くのです。「考え」は「第一の脳」から「第二の脳」「第三の脳」へと進み、ついに「第四の脳」に達します。ここでは、今まで時間をかけ、いろいろな視点から検討を反芻してきた成果が現れます。徐々に「解決策」のイメージが姿を現したり、何かをきっかけに突然に解決策を閃いたりするのです。「反芻思考」とでも、名づけましょうか。
 1948年にスイス人のジョルジュ・デ・メストラル氏は、愛犬を連れて野山を歩いていたところ、自分の服や犬の毛にたくさんついた「野生ゴボウの実」から、「マジックテープ(クラレ登録商標)」を思いつきました。では、だれでも野山を歩けばマジックテープを思いつくでしょうか。彼は「テープや糊を使わずにくっつけることはできないか」「それが繰り返しできたら便利なのになあ」と、課題を反芻していたからこそ、解決策を生み出すことができたのではないでしょうか。
 最後に、このたび発生した宮崎県の口蹄疫につきましては、関連する方々には心からお見舞い申し上げます。私も毎年、宮崎県市町村職員研修を担当させていただいております。研修後の懇親会に見せる、みなさんの明るい笑顔が思い浮かびます。なにとぞ一日も早く回復されますよう、心から祈念申し上げております。(文責:古木)
2011年05月01日 推薦図書「アイデアのつくり方」(創造力)

 「創造力」の推薦図書としては、ジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」をあげたいと思います。本書は全体で100ページ、うち30ページ超が竹内均氏による解説が占めるという、たいへんコンパクトな本です。しかし、そのサイズに似合わず現在までに60刷近く増刷が繰り返され、この本の帯に記されている「60分で読めるけど一生あなたを離さない本」は、決して偽りではありません。元広告代理店勤務のヤング氏が本書を通して伝えたかったことは「アイデアの作成は、フォード車の製造過程と同じように一定の明確な過程である」という」メッセージです。では、アイデアを製造する過程をみてみましょう。

【前提】 把握しておくべき事実
 ①5つの段階を一定の順番で通り抜けるという事実
 ②どの段階にもそれに先行する段階が完了するまでは入ってはいけないという事実

【過程】 5つの段階
 第一段階 特殊資料(テーマにそった知識)と一般知識(あらゆる方面の知識)を収集する段階
  ⇒「この第一段階がどんなに無視されているか」
 第二段階 これらの資料を租借する段階
  ⇒「心の触覚とでもいうべきもので、一つ一つ触ってみること」
 第三段階 問題を意識の外に移し、創造過程を刺激し消化する過程
  ⇒「食料を集め、それを十分に咀嚼し、胃液の分泌を刺激し消化する過程」
 第四段階 アイデアが訪れてくる段階
  ⇒「その到来を期待していないときに突然訪れてくる」
 第五段階 アイデアに手を加える段階
  ⇒「多くのアイデアが陽の目を見ずに失われてゆくのはここ」

 この5つの段階は、発見した課題に対して計画を立て、最後に有効な対策を検討するうえで必須なスキルとなります。「つねにそれを考えること」、考え抜くことを大切にしてきたいと思います。ぜひみなさんも、本書を読む60分を捻出してみてください。(文責:古木)
【チームで働く力】
コラム
2010年07月16日 「発信力」強化、実は「受信力」がポイント(発信力)

 発信(アウトプット)には、「書く力」「話す力」があります。一方、受信(インプット)には、「読む力」「聴く力」があります。そして、この両者をつなげる機能が、「考える力」となります。こられの「五つの力」は、相互に強く関連しています。よい発信をするためには、よい受信、つまり「読む力」「聴く力」が求められるのです。日頃は、つい無意識に読んだり聴いたりしてしまうことを、有意識(無意識ではなく)をもってすることにより、発信力の強化につながるのです。わかりやすい文書や、わかりやすい説明に接した時には「なぜわかりやすいのか」、わかりにくい時にも「なぜわかりにくいのか」「どうすればわかりやすくなるのか」と。そのように意識しながら受信していますと、わかりやすく発信するポイントが見えてきます。
 「わかりやすく発信するポイント」は、以下の通りです。

 ①立場(読み手と書き手・聴き手と話し手)と目的(文書・説明)を明確にすること
 ②結論が先、理由はその後、箇条書き
 ③短文であること
 ④数字、固有名詞により具体化すること
 ⑤主観的意見と客観的事実を区分すること

 以上のポイントを意識するだけで、文書や説明は相当わかりやすくなるはずです。
 新聞や書籍、周囲の会話やテレビでの話など、ぜひ文章を意識しながら読んだり聴いたりしてみてください。慣れないうちはたいへんかと思います。しかし、徐々に今までは気づかなかったことが見えてくることでしょう。(文責:古木)
2011年06月16日 推薦図書「心が伝わる『文章力』センスアップBOOK」(発信力)

 発信力とは、「自分の意見をわかりやすく伝える力」であり、「話す力」と「書く力」により構成されています。では、まず先にどちらを身につけることが得策でしょうか?私の経験では、わかりやすく話すことは得意でもわかりやすく書くことは苦手という方が多い半面、わかりやすく書く方はそのほとんどがわかりやすく話されているように感じられます。
 そこで、ここでは「書く力」を強化するために「心が伝わる『文章力』センスアップBOOK」(株式会社インソース著)を推薦したいと思います。同書は、「Eメールの書き方」と「ビジネス文書の書き方」から構成されています。内容としては、ちょっとした連絡に便利な上司・取引先への報告メール、活動状況についての社内報告書、参加した会議の議事録など、実際のビジネス現場にて数多く作成する実践的な文書を取り上げています。読みやすいストーリー仕立てとなっており、登場人物は、新入社員の書野、先輩マドンナ白戸、出来留課長、強気部長と、どこにでもありがちな場面設定となっています。新入社員である書野が作成する若手が陥りがちな「悪文」(ビフォー)を、先輩白戸、出来留課長、強気部長が根拠を示しながら添削し、「わかりやすい文章」(アフター)へと変身していきます。わかりやすい文章作成の「原則」や「アドバイス」も簡潔にまとめられていて、明日からの文章作成にすぐ活用できる内容になっています。(文責:古木)
2010年08月01日 「聴くこと」って、難し~い(傾聴力)

 私たちが受けてきた教育を振り返ってみた時に、 「聴くこと」について受けた教育を思い出すことができる方がどれくらいおられるでしょうか。この「聴くこと」は、チームで働くうえで、またコミュニケーションを図るうえで極めて重要な能力要素となります。研修にて「聴くこと」についての演習を行った時に聞かれる多くの感想は「聴くことって、難し~い!」です。そうなんです。実は「聴くこと」は、たいへん難しいのです。この演習の目的のひとつは、「聴くこと」の難しさに気づいていただき、スタートラインに立っていただくことなのです。
 「聴くこと」の3大ポイントは、①心構え ②姿勢 ③スキル です。
 最初に、「心構え」です。相手の話をさえぎらずに最後まで聴くこと、聴いている間に自分の考えが湧き上がってきても決して口には出さずにひたすら聴くこと、感情的な言葉(うれしかった、残念だったなど)をしっかり拾い心情理解を示すこと、言葉には表れない話し手の本音を聴くことなどが大切な心構えです。
 次に、「姿勢」です。これは、「悪い聴き方」を示した方がわかりやすいでしょう。ながら(パソコンなど)、視線を合わせない、腕組み、頬づえ、足組みなどに注意してください。演習では、当初はあえて「悪い聴き方」をしていただき、途中から「良い聴き方」へ切り替え、その違いを体感していただくこともあります。
 最後に、「スキル」です。あいづち、繰り返し、要約が、3大スキルです。「あいづち」は、「はい」「そうなんですね」などです。簡単なようでも、「タイミングが難しかった」との感想もよく聞かれます。「繰り返し」は、そのままオウム返しするだけです。それでも、話し手からしますと」聴いてもらっている」という気持ちを抱きます。「要約」は、多少高度なスキルとなりますが、話の内容を別の言葉・表現に代えてフィードバックします。話し手自身が、話の内容を再認識させられる場合もあります。
 「聴くこと」の能力を向上させるために練習する機会は、どこにでもあります。友人、家族、地域、地域など、いつでも「聴くこと」を意識し、試してみることです。「聴くこと」は、確かに難しいことですが、慣れてくると無意識にてできるようになります。「聴くこと」は、コミュニケーションの基本です。もしチーム全員がこれを身につけたならば、そのチーム力の結束は強固なものになるでしょう。(文責:古木)
2011年08月16日  推薦図書「プロカウンセラーの聞く技術」(傾聴力)

 最近は、研修先にて「コミュニケーションに力点をおいて研修を進めていただきたい」とのご要望をいただく機会が増えています。これは、コミュニケーションの重要性が高まってきている一方、「コミュニケーション不足」「スキル不足」という実態の現れだと思います。コミュニケーションの基本は、「発信力」より「傾聴力」だと思います。そこで「聴くこと」について、「プロカウンセラーの聞く技術」(東山紘久著)を推薦したいと思います。
 (同書では「聞く」を使われていますが、ここでは「聞く」=「聴く」とご理解ください)
 この本は出版されてから10年以上経過し、その後も増刷を繰り返しています。私も書店にてよく目にはしていたのですが、「私もプロカウンセラーのはしくれ」との意識から敬遠していたのかも知れません。ある時、手に取って読んでみて驚きました。私がカウンセリングをやっていた時に感じていたことが、明確かつわかりやすく書き綴られているではありませんか。「聴くこと」について書かれた本は増えてきましたが、その多くは「聴くスキル」について書かれています。しかし同書は著者の経験をもとに「聴く心構え」を中心に書かれています。この本の中から重要なポイントをあげるとすれば、次の2点になると思います。
 まず1点目は、「徹底的に聴くこと」です。「聴き上手は話さない」「聞かれたことしか話さない」「情報以外の助言は無効」という徹底ぶりです。私も大賛成です。
 もうひとつのポイントは、「相手(話し手)中心」ということです。アメリカのC・R・ロジャースが提唱した「来談者中心療法」に端を発しています。「外から教える」から「内から引き出す」へと指導方法の革命にも影響を与えた考え方です。ここから、コーチングの哲学を思い浮かべました。「すべての答えは、その人中にある」「その答えに気づくためには、サポートが必要」。本人がもともと持っている答えに気づかせるサポートのひとつが「聴くこと」というわけです。
 この本から「聴く心構え」を学び、「聴くスキル」(あいづち、繰り返しなど)を用いてまわりの話を聴くように心がければ、「傾聴力」は高まり、「コミュニケーション力」ひいては「チームで働く力」の強化へとつながっていくことでしょう。(文責:古木)
2010年08月16日 「やらないこと」をやってみる(柔軟性)

 「相手の意見や立場を尊重し理解する」ためには、「自分のルールややり方」、つまり自分の「思考パターン」「行動パターン」を一度捨ててみることです。私たちは、自分でも気がつかないうちに、自分なりの固定観念をつくりがちです。以前に、当時の総理大臣が「私は、○○党をぶっこわす!」と発言されました。ことの善し悪しは別として、「自分という壁をぶっこわす」つもりで取り組んでみては、いかがでしょうか。
 具体的には、次のようなことがあげられると思います。

 ①いつもの通勤・通学などの道とは違う道を歩いてみる。いつも降りる駅のひとつ手前で降りてみる。
 ②日ごろは訪れない街や店へ行ってみる。そして、その街や店の良さを感じてみる。
 ③本屋さんや図書館にて、日ごろは足を踏み入れないコーナーへ行き、偶然手に取った本を読んでみる。
 ④朝型なら、夜更かしして深夜番組を見てみる。夜型なら、朝早く起きて時間を有効活用してみる。
 ⑤目的地を決めないで、ブラリと出かけてみる・・・など

 このときに大切なことは、やってみる前とやった後の感想を比較してみることです。きっと新たな発見があることでしょう。 最近、日本人の留学生が減っていますが、海外留学も「自分という壁をぶっこわす」うえでは、有効な手段です。私自身も、大学時代、社会人時代と海外に留学する機会に恵まれました。そこで体験した異国の価値観、異国の報道を通して知る日本、などから大きな影響を受けました。「相手(異国)を知ること」も大きな成果でしたが、予想に反して「外から自分(自国)を見ること」ができたことの方が大きな成果でした。 さあ、あなたはどんな「やらないこと」に挑戦してみますか?(文責:古木)
2011年10月16日  推薦図書「相田みつを」の詩(柔軟性)

 以前に「知ってるつもり」というテレビ番組が「相田みつを」を取り上げて以来、私も「相田みつを美術館友の会」に入会し、時々当館を利用しています。不思議なことに、ここを訪れ、あの書体、あの言葉に出会うたびに、固くなりつつあった心が柔らかくなっていくことを実感しています。これは、彼が人間本来持っている「傲慢さ」(⇔柔軟性)と真摯に向き合い、潔くそれを受け容れた心境から紡ぎだされた言葉だからでしょう。彼の言葉を「読む薬」とは、よく言ったものだと感心してしまいます。
 また、この美術館には、隠れた名作があります。それは、来館者が書き綴ったノートです。ここには、詩によって勇気づけられた方々による感謝の言葉がちりばめられています。重い病に苦しむ我が子を想う親の気持ちが綴られ、しばらく読み進みますと、今度は元気になったその子から親に対する感謝の言葉が綴られ、まさに時間や空間を超えた人間ドラマが展開されているようでした。
 32歳の若さでこの世を去り、伝説の救援投手と呼ばれる広島カープ津田恒実投手も、生前に「長い人生にはなあ~」から始まる「道」という詩を額に入れ、目につくところに飾っていたそうです。私は「みんなほんもの」という詩の「みんなほんものなのに 骨を折って にせものになりたがる」というフレーズがお気に入りです。これは、野田総理が引用された「ドジョウ演説」と相通じるところがありそうです。
 ぜひみなさんも、「じぶん」にあった詩を選んでみませんか。きっと心の柔らかさを実感されることでしょう。(文責:古木)
2010年09月01日 役割理解のポイント「2W1H」(情況把握力)

 今、研修の仕事にて九州に来ています。今年の夏はこの地とご縁があり、これで3回目となります。長崎に原爆が投下された8月9日には、原爆資料館、平和公園を訪れ、「このような惨状を二度と起こさないために、『社会人基礎力』の果たすべき役割」について思いをめぐらせておりました。
 さて、「情況把握力」は、12の能力のうち内容・文字が最もわかりにくい能力要素だと思います。また、「状況把握力」とされた書籍やホームページも散見されます。私自身も、板書したおりに「『状況』ではないのですか?」と受講者から指摘を受けたこともあります。経済産業省の定義を引用させていただきますと「自分と周囲の人々と物事との関係性を理解する力」、例として「チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する」とされています。
 リーダー向け研修におきましては、冒頭にリーダーとしての役割について話し合っていただくことがあります。すると、いろいろ立派な役割が発表されます。しかし、自分が果たすべき役割を認識していることと、それを実行していくことは別問題なのですね。頭ではわかっていても、行動に結びついていないのが常です。そこで、役割認識について理解を深めていだくために、このような質問をさせていただきます。「今あげていただいた役割のうち、最優先に果たすべき役割を選んでください。(What)」「その役割を選んだ理由は何ですか?(Why)」「その役割をどのように果たしていきますか?(How )」これで役割認識が深まり、頭から行動へと考えが進んでいきます。
 それでは、あなたが所属するチーム(会社、部門、プロジェクトチーム、集まり、家族、などすべて)において、それぞれあなたが果たすべき役割は、What? Why? How?(文責:古木)
2010年09月16日 チームの規律性を高める「イホウソウ」(規律性)

 前回は九州から投稿させていただきましたが、今回は、一転して北海道からの投稿です。ここ一週間は、毎朝、時計台を眺めながら研修会場へ。なんと贅沢なことでしょう。
 さて、チームで働くうえでは、メンバーに対して、いろいろな規律を守ることが求められます。代表的なものに「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」があります。 これは「新社会人向け研修」の定番なのですが、最近は「リーダー向け研修」でもリクエストを頂く機会が増えています。その背景には、仕事が増える一方で人員が削減され、「自分のことだけで精一杯」「自分の仕事さえやっていればいい」などという考えが蔓延してきているからではないでしょうか。しかも、この「報告・連絡・相談」は、シンプルでありながら、実は奥が深いのです。それぞれについて、「報告の仕方・受け方」「連絡の仕方・受け方」「相談の仕方・受け方」と言われて、どれだけの方が「自分は完璧にできている。相手にも指導できている。」と言えるでしょうか。
 ここで、この「報告・連絡・相談」について、今一度、整理してみたいと思います。「報告」とは「依頼者に指示・命令された仕事について、実行したことの経緯や結果を伝えること」ということから、「報告」の前には「依頼・指示」が存在することがわかります。また、「連絡」は「仕事がスムーズに進むよう、仕事に関する情報を的確に関係者すべてに伝えること」という定義を借りれば、「情報を伝える」ということにおいて「報告」に含むことができます。それらをふまえ、私は「依頼・報告・相談」とまとめ直しております。略して「イホウソウ」、韓流スターの名前のようになってしまいましたが・・・。
 さて、研修にて自己評価をしていただく場合があります。「依頼の仕方・受け方」「報告の仕方・受け方」「相談の仕方・受け方」について、評価結果としては60~70点あたりが平均点です。数値化により、客観的に反省を促すことにもつながります。体験した失敗談としては、「口頭報告だったので、言った言わないでもめた」「依頼の受け方が悪く、結果的には取引先からクレームを受けた」「自分で判断し、事後報告もしなかったため上司に叱られた」などの声が多く聞かれます。
 次のような「ちょっとした心がけ」でも、チームの規律性は向上します。
 ①報告すべき事項を「報告事項一覧」や「報告ガイドライン」にまとめる。
 ②「依頼書」「報告書」について、シンプルなフォーマットを作成し、書面による手続きをルール化。
 ③メール送信時には、「CC」「BCC」により、メンバーへも報告。返信時には、「全員に返信」をルール化。
 ④メール受信時には、「メール拝受いたしました。まずは取り急ぎ、ご報告申し上げます。」と即返信。
  など

 さあ、これからの「報告・連絡・相談」、いや「依頼・報告・相談(イホウソウ)」について、徹底的に見直してみませんか。(文責:古木)
2010年10月01日 日曜日の朝の過ごし方(ストレスコントロール力)

 前回の頃は「札幌時計台」を眺めながら研修会場へと向かいましたが、今回は「太陽の塔」です。現在は上海万博が開催されていますが、私の世代にとりましては、万国博覧会と言えば大阪万博「EXPO'70」です。当時はまだ小学生でしたが、家族とともに会場を訪れた想い出が残っています。あれから40年間が経ちましたが、岡本太郎氏デザインの「太陽の塔」は健在でした。思わず足をとめ、あの時からの40年に想いを馳せずにはいられませんでした。
 さて、最近は、社員のメンタルヘルスについての研修も増加傾向にあります。私も産業カウンセラーとしてメンタルヘルス研修や「うつ病」の方のカウンセリングを担当することもあります。また、課題解決の研修において、チームごとのテーマとしてメンタルヘルス対策を選ぶチームが増えてきています。たいへん関心が高まっています。そのような機会には、私は、次のようなポイントにそって対策をお話するようにしています。 
 
 ■職場メンタルヘルスの必要性
  ①医学的な視点 ②法律的な視点 ③パフォーマンス的な視点
 ■メンタルに支障をきたす三大原因
  ①職場の人間関係 ②仕事の質 ③仕事の量
 ■4つのケアから
  ①セルフケア ②ラインケア
 ■リフレーミング
  ネガティブ思考からポジティブ思考へ

 おかげさまで、私自身はストレスコントロールがうまくできているようです。その原因をたどっていきますと、毎週日曜日の早朝の習慣に行き着きました。それは、近くのお寺で坐禅を組むことです。ふとしたきっかけから始め、かれこれ15年間ほど続いています。冬などは、まだ暗いうちから、冷たい本堂に坐るのです。ストレスもコントロールできそうでしょう。坐った後は、参禅者と輪読会を行い、最後は近くのファミリーレストランでのサンデーモーニングへ突入と相成ります。日曜日の朝、つい何となく過ごしてしまっていませんか。どうでしょう、ごいっしょに坐ってみませんか。(文責:古木)

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